屋久島の旅~3日目

3日目の朝、さすがに昨日の疲れが残っています。ただ、動けないほどではないので、良かったです。本日目指す場所は、白谷雲水峡。まずはレンタルしていたレインウェアと登山靴を、屋久島観光センターに返却します。それから、宮浦港入口の停留所からバスに乗ります。少し遅めの10時20分発で、出発。

集落のなかを抜けていくと、段々と山道になっていきます。途中視界が開ける区間があり、雄大な眺めが広がります。今日は天気がいいから気持ちいいですね。後半の道はわりと狭くて、ちょうど道路拡張工事をしていました。

およそ30分ほどで、白谷雲水峡の入口に到着です。案内板を見たら、ほとんどのルートが山道になるんですね。下調べが十分でなかったので、大半が木道整備されていると思っていました。というわけで、かなりカジュアルな装備です。疲れもあるし大丈夫かなあ……とよぎる不安。無理そうだったら、途中で引き返すことにしました。

道を進んで行くと、岩場に出ました。ぱっと見たところ道標らしきものがないので、行き止まりかと思い、きょろきょろしました。すると向かい側から人が下りてきたので、この岩場を登っていけば良いと分かりました。

その後は白谷川沿いを歩いて行きます。途中に弥生杉ルートへの分岐がありました。今回は体力がないので、こちらのルートは回りません。この辺は遊歩道が整備されていて、歩きやすいです。道端にはマムシ草も生えていました。

進んで行くと、さつき吊り橋が見えてきました。ここで楠川歩道と原生林歩道で、ルートが分岐します。せっかくなので色々な屋久杉を見るべく、原生林歩道を選ぶことにしました。

ここからは山道になります。わりとすぐのところで、苔むした岩木が広がる場所があり、木漏れ日が素敵な景色を作ります。道自体は、高低差があまりないので、わりと歩きやすいです。しかし、歩ける場所が多いので、若干迷いやすいかもしれません。木の枝などに道標用のテープが結ばれているので、それを頼りにルートを探します。

途中、ヤクシカに合いました。2匹ペアで行動しているようです。そこそこ近くで見られたのですが、そこから寄ってきてはくれません。少し粘って写真を何枚か撮りました。

その後は、二代大杉、三本足杉、三本槍杉、奉行杉、二代くぐり杉といった、名前のついた屋久杉たちを観賞しつつ、原生林歩道を進みます。昨日の雨の影響か、ところどころぬかるんでいましたが、概ねコンディションは良好でした。いくつか小川を越えるのですが、そこも見事に苔むしており、きれいな景色でした。

しかし、二代くぐり杉のあたりから、道が少し険しくなります。かなり急な下り坂。自分のルートは下りだったから良かったけど、反対のルートから来たらこれを登るのか……と想像しただけで、疲れてしまいました。

楠川歩道との合流地点に到着しました。そこからさらに奥へ進みます。くぐり杉を見て、少し進むと、白谷小屋前の広場に出ました。何人か休んでいるので、自分もベンチに腰をかけてほっと一息。少し見上げると、高く伸びた杉の木と、その隙間から覗く青空が広がります。山の中にいるんだ、と実感しますね。数年前まで、毎年友人と登山やトレッキングをしていたので、そのときの感覚を懐かしく思い出しました。

英気を養ったところで、再び先へ進みます。目指すはもののけの森。七本杉を見遣りつつ、闊歩して行きます。程なくして、少し雰囲気の違う場所が見えてきました。そう、ついにもののけの森に到着です。全体が苔に覆われて、その場の空気を緑色に染めています。水の音は聴こえますが、その流れは見えません。岩の下を流れているのでしょうね。

ここに来る間にも、苔に覆われた場所はいくつかありましたが、それらとは何か雰囲気が違います。川を挟んだ場所なので空間が大きく開いていること、一方で森の奥なので木々によって閉ざされていること、これらの要素によって、この神秘的な空間は存在するのかもしれません。今回は快晴の昼間でしたが、雨上がりの朝とかに来れたら、もっと素敵な景色を見られるんだろうなあ、と思いました。

この先のルートは、岩場が増えて登りの勾配も急になります。先に進んで太鼓岩を見たい気持ちもありましたが、体力のことを考えてここで引き返すことにしました。もともと目的は、もののけの森でしたしね。

帰りは楠川歩道を通ります。こちらのルートのほうが、かなり歩きやすいですね。人もほとんど通らなくて良かったです。山を独り占め出来ました。そして、ヤクシカにも合いました。餌を探している最中のようで、全然人のことを気にしません。こちらのほうに向かってきたので、かなり近くで見ることができました。むしろこちらがぶつからないように、気を遣うレベルです(笑

最後は少し急な階段を下りて、さつき吊り橋に戻ってきました。その後はしばらく川辺に座って、渓流の流れを楽しみます。マイナスイオンをたっぷり浴びている感じがして、気持ちいいです。

入口に戻ってきたら、帰りのバスが来るまでベンチに座って待ちます。さすがに疲れていたようで、転寝を何度かしちゃいました。

無事、15時40分発のバスに乗車して、宮之浦へ戻ります。途中、車窓からヤクザルたちの姿を見ることが出来ました。あとで知ったのですが、ヤクザルが生息しているエリアは、わりと限られているのですね。自分が今回訪れた場所では、この白谷雲水峡近辺が唯一ヤクザルに遭遇できるポイントだったようです。

民宿に戻ったら、しばらくまったりと過ごします。そしていつも通り、お風呂は一番乗り。湯船に浸かって疲れを癒します。

夕食は、寺田屋に行きました。郷土料理系のさっぱりとした食事が続いたので、そろそろこってりしたものが食べたくなったのです。注文したのは、タルタルチーズハンバーグと、たんかんジュース。たんかんジュースは搾りたてとのことで、とても甘くて濃厚で、美味しかったです。タルタルチーズハンバーグは、かなり濃い味付けですね。こってりを求めていた自分には、ぴったりです。ただ、どちらかと言うとジャンクフード的な味付けですので、ハンバーグレストランの味を想像していると、期待が外れるかもしれません。

宿に戻ったあとは、しばらくまったり過ごして、就寝です。明日はいよいよ最終日。

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