デリーの旅~2日目

2日目、この日はオプショナルツアーで市内観光です。時間通りに起きて、ホテルの朝食会場に向かいます。しかし、部屋の鍵が上手く掛けられない……。海外のホテルではたまにあります。最後のほうに気づいたのですが、無理にドアノブを引かずに鍵を掛ければ良かったっぽいです。とりあえずこの時は、掛けたふりだけしました。

朝食会場はホテルの地下にあります。メニューは寂しい感じ。スパイシーなものが多くて、インドを実感できます。胃に刺激を与えないように、そこそこの量にしておきました。

9時すぎ、ホテルロビーでガイドと合流し、市内観光に出発します。何人か参加者がいるのかと思ったら、専用車でした。

まず向かった先はフマユーン廟。ムガル帝国第2代皇帝フマユーンの霊廟です。歴史背景については、ガイドブックなどに書いてある内容を、何となく知っている程度です。入場したら、ガイドが説明をしてくれました。自分が知っている以上の細かい情報を得られるので、良いですね。一通り説明が終わったら、後は自由散策という流れ。朝早かったからか、人があまりいなくて快適でした。

棺が並ぶ建物の中は、幾つもの部屋が繋がっており、ちょっと方向が分からなくなります。イスラム建築らしく、窓にある幾何学模様の格子が美しいですね。中には鳩が住んでいました。

その後は庭園を散策。緑が鮮やかです。外壁と建物の中間のところに、木立とベンチがあるので、そこで休憩。地面に目を遣ると、たくさんの小リスたちが、忙しなく走り回っています。木を駆け上がっているところを撮ったら、逆光で良い感じのシルエットとなりました。

フマユーン廟は、タージマハルのモデルとなった建築です。今回、タージマハルには行けないので、その分も味わっておきます。帰る頃には人がたくさん並んでいました。

続いて向かった先は、クトゥブミナール。デリー中心部から少しだけ離れた場所にあります。こちらは既にたくさんの人がいて、大いに賑わっています。リクシャもたくさんいるし、道も混雑してるし、これ一人で電車で行ったら、雰囲気に圧倒されていましたね。

遺跡に入場したら、まずはガイドによる説明。それから自由散策です。一番目立つのは、天高くそびえるミナレットですが、その他にも遺跡群が色々とあります。数百年もの間錆びることのない鉄柱やヒンズー教時代の彫刻が残る回廊などを巡ります。カンボジアのアンコール遺跡で見た遺跡を思い出します。

そしていよいよミナレットへ。とにかく大きすぎて、根元からは写真に収めきれません。また大きさとともに、その美しさにも圧倒されます。アラビア文字や幾何学模様が、とても精巧に彫られており、赤壁がインドの強い太陽の下、鮮やかに映えています。

他にもモスクのドームを見学したり、外壁の間を歩いたり、丘の上に登ったりしました。きれいな芝生が手入れされているので、遺跡の赤壁とのコントラストが素敵です。丘の上で写真を撮っていたら、警備の方が写真のベストポジションを教えてくれました。ガイドブックとかに、写真を撮ってチップを要求されるケースとかが載っていたので、少し警戒してしまいましたが、特に何もありませんでした。こういうとき、どこまで用心をするべきか、少し考えちゃいますね。でも、見知らぬ土地では用心深いに越したことは、ありません。

それから、未完の超巨大ミナレット、アライミナールのある広場へ向かいます。クトゥブミナールも十分巨大でしたが、アライミナールはそれをはるかに凌ぐ巨大っぷりです。これ、完成していたら、世界七不思議に数えられても不思議じゃないな、と思います。

他にも、遺跡の途中に小さい小部屋があるので、中を散策したら、異臭がしました。いわゆるホームレス臭。後に入った欧米系の家族も同じリアクションしてたから、間違いないです。誰かがこっそり生活してそうです。

こうしてクトゥブミナールを、かなり満喫しました。事前のイメージでは、大きな塔があるだけ、だったのですが、その他の遺跡群も見応えがあって、とても良かったです。

続いて向かった先は、紅茶のお店。ツアーで付き物のお土産屋さんです。いくつか試飲させてもらい、ダージリンティーの茶葉を買いました。店員が推していた茶葉は、確かに美味しいけれど、少々お高めなので止めました。

再び次の場所へ向かいます。このようにデリーの街を車で移動していると、インドの街の雰囲気が、色々目に入ってきます。全体的な雰囲気は、東南アジアで見てきた街の雰囲気と似ていますね。違うところは、人の数の多さと種類の多さです。インド人は肌の黒い人とそうではない人の2種類いるそうで、それぞれアーリア人とドラヴィダ人だそうです。また宗教も多彩で、ヒンズー教、イスラム教、キリスト教、仏教、シーク教、ジャイナ教が、主な宗教です。シーク教徒などは、ターバンなどですぐに見分けがつきます。そして貧富の差も大きいですね。道端で物売りをしている親子から、煌びやかなサリーに身を包んだ人たちまで、そうした人たちが街の同じ光景の中に映り込んでいるというところに、インドの多彩さを感じました。

自分たちが移動しているときも、窓をコンコン叩いて、物を売りにくる子供たちが何人かいました。一方で、今回の滞在で物乞いに会ったことは、一度もありませんでした。市当局によって禁止されたことも大きいのかもしれません。

そんなことを思いつつ、たどり着いた先はレストラン。昼食の時間です。タンドリーチキンが売りらしいです。店内に入ると、周りには同じようなツアーで連れて来られたっぽい日本人の姿がちらほら。ガイド同士がお話ししてます。観光客向けレストランだから、ある意味期待通りのものが出てくるはずなので、安心です。

タンドリーチキンに野菜カレーに豆カレー、ナンとライスなど、とにかく盛りだくさん。お代わりもできたのですが、普通に出されたものだけで、かなりの満腹です。ちなみにお酒も頼めたので、ビールを注文しました。銘柄はキングフィッシャー。軽い口当たりのビールです。徐々に外の暑さが増して、喉も渇いてきたので、染み渡ります。

満腹になったあとは、大統領官邸前に向かいます。場所が場所だけに、色々厳しいらしく、写真撮影とかちょっと急かされました。大統領官邸の対面には、インド門が見えます。

次は、そのインド門が見えるところまで行って、記念撮影。インド門を摘むようなポーズなど、ここに限らず良くトリック写真を良く写されます。

続いては、オールドデリーへ向かいます。雑然としつつもそれなりに整然としていたニューデリーの街並みが、下町のゴチャゴチャした感じに変わって行きます。とにかく人の数も多いですね。

ここで2軒目のお土産屋さんへ。特に買うつもりはなかったのですが、象柄のスカーフがインドっぽくて良いなあ、と思ったのと、後はインドらしさを感じられるガネーシャの置物を買いました。う~ん、ここでちょっと予定外の出費です。ちゃんとしたお店なので、物は良いはずですが、インドの物価は安いのではなく、ピンキリの幅が広いので、財布の紐を締めるところは締めないといけません。

その後はサイクルリクシャに乗って、レッドフォートに向かいます。その名の通り、赤い壁が見事な砦ですね。中に入り、アーケードのような土産物街を抜けると、様々な建物群が現れます。こちらも芝生が丁寧に手入れされていて、遺跡が映えます。例によって、最初はガイドが遺跡について、説明してくれます。それぞれの建物がどのように使われていたのか、予備知識の有無で遺跡の楽しみ方はだいぶ違ってくるので、良いですね。

水の張られていないジャルマハルや、謁見の間であったディワーネカース、皇帝の私室であったカースマハルに、皇帝の后が住むラングマハルを回ります。大理石に施された花の絵柄がきれいだなあ、と思いました。しかし、昼下がりのこの時間、昇りきった太陽によって空気が暖められ、一番暑さが堪える時間帯です。じりじりと体力が奪われていく感じです。

そんな中向かった先は、隅っこのほうにあった博物館。平屋の小さな博物館ですが、色々な展示物がありました。そして館内は日陰で送風機もあったので、涼しかったのが良いです。

レッドフォートを後にしたら、再びサイクルリクシャに乗って、車のあるところまで戻ります。サイクルリクシャのドライバーには、ガイドから渡されたチップを手渡します。この辺の細かい決め事は良く分かりません。寡黙で、実直な感じのドライバーでした。

17時くらいにホテルに戻り、ガイドとドライバーにチップを渡して、お別れ。チップは別に渡す必要はないとツアーの案内には書かれていましたが、気持ちの問題なので、渡したほうがいいかなあ、と思えば渡せば良いと思います。昼の土産物店の予定外の出費でルピーが減ったので、ホテルフロントで5000円分を両替しました。

この後夕食を食べに行こうかと思いましたが、お昼の量が多くてそれほどお腹が空いていないことと、胃腸を休める意味も込めて、この日は夕食抜きにしました。

そういえば、少し注意していた遺跡の中の勝手ガイドですが、今回は運が良かったのか、まったく遭遇することがありませんでした。ガイド付きだと認識されていたためなのか、気にしすぎなのか、は、良く分かりません。

ちなみに、スマホでちょくちょくネットをしたかったのですが、全然電波が入らないので、諦めていました。その後判明したのですが、海外パケホーダイを契約すると、利用開始をしない限り、通常の通信もできなくなるようです。う~ん、定額を発動せずに少しだけ使いたい日とか、ちょっと使いにくいんですけど。

ということを、この時点では気づいていなかったので、布団の上で明日の作戦を考えつつ、そのままゴロゴロして就寝しました。いよいよ明日は、ひとりでデリーの街に繰り出します。

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