神津島の旅~初日

初日、6時くらいに家を出発します。リュックサックを背負い、ダイビングバッグを担いで、浜松町駅へ。平日ですが、早朝なのでまだ電車はさほど混んでいません。浜松町駅に着くと、シーズン真っ盛りということもあって、釣り客など多くの人が、竹芝桟橋に向かっています。

ターミナルの窓口でチケットに引き換えて、乗船票を記入したら、出航まで待機。そして7時20分ごろ、出航です。

高速ジェット船セブンアイランドに乗って、神津島を目指します。レインボーブリッジを抜けると、沿岸部の工場地帯を望みつつ、やがて大海原へ。船旅ならではのこの瞬間が好きですね。途中、カモメと追いかけっこする光景も見られます。大島、利島を経由し、3時間ほどで神津島に到着しました。

今回お世話になるのは、民宿大松さん。迎えの車に乗って、10分少々走ります。一緒に乗ってきた小さい娘さんの振る舞いが、何だか自分の小さい頃を思い出させて、懐かしかったです。

部屋はシンプルな和室。扉の鍵はありません。部屋には星座の名前がついています。今日は遅寝早起きで寝不足なので、少しごろんとして寛ぎます。何だか時間がゆっくりと流れている感じがして、ゆったりとした心地になります。開けた窓から時折入る涼しい風と、反対側の窓から差し込む明るい日差しが、ただひたすらに安らぎを感じさせてくれます。

しかし、いつまでも寝ていてはもったいないので、お出かけ。まずは前浜海岸へ。思ったほど人がいません。海は青々として、とても気持ち良さそうです。水配の像やビーチバレー用のネット、桟橋の袂に置かれたテトラポッドの山などの光景を、写真に収めました。後ろを振り向くと、天上山がそびえているのも、ダイナミックで良いですね。

それから、停泊するたくさんの漁船を眺めつつ、よっちゃーれセンターの2階にある食堂に行きました。券売機で食券を買うスタイル。席数がそれほどないので、途中から相席になりました。でも回転は速いです。注文したのは、海鮮ヅケ丼定食。海鮮ヅケ丼に明日葉の天ぷらや、小鉢数点が付いた定食になります。お魚はプリプリで、天ぷらはサクサクで美味しいです。ヅケ丼の刺身とごはんの間にある海苔が、スーパーサブとして良い仕事をしていました。

お腹を満たしたところで、いざ天上山へ。まずは登山口を目指して、ゆるやかな坂道を登っていきます。集落の中心部から離れていくと、徐々に民家が減っていきます。一方で木々は青々と生い茂り、蝉はけたたましく鳴いています。登山口にたどり着く前だと言うのに、もう汗がダラダラ。日陰で休憩しつつ、登山口を目指して登っていきます。

途中、山の神冷風穴というスポットを見つけました。その名の通り、冷たい風が吹き出してくる穴です。一定の間隔でひんやりとした空気が足元を覆って気持ち良すぎです。この冷気を蓄えて持っていきたい、と思いつつも、そんなことは叶わないので、意を決して先に進みます。

道中オレンジ色の鮮やかなハマカンゾウが、目を楽しませてくれます。すると、公衆トイレが見えてきたので、ここで用を済ませました。ふと外壁を見ると、トカゲが這っていて、自然を身近に感じられます。

それから少々道を行きすぎてしまったのですが、無事登山口を発見しました。さっそく登山開始です。青々としたシダが生い茂っており、緑の絨毯のようです。道は細くて、一人が歩ける程度。あまり登山者はおらず、下りてくる数組と挨拶を交わしたくらいです。登山道には、何合目かを知らせてくれる標識があるので、距離の目安がついて便利でした。

ところどころに休憩スポットとなる踊り場があるので、眼下の眺望を楽しみます。港や集落が小さく見えています。最初は暑かったのですが、標高が上がるにつれて徐々に涼しくなり、風も強く吹いてくるので、ちょうど良い塩梅になりました。この強い風のせいか、木々も低木ばかりで、本土の高原地帯で見られるような光景が広がっていました。

ついに山頂に到着です。しかし、この山頂がまた広いのです。山頂部は雲がかかっており、ちょっと薄暗い感じになっています。そんな中、草が元気に生えすぎて、足元が見えなくなった道を進みます。道の真ん中には、優雅なヤマユリが咲いています。というわけで、長袖長ズボンじゃないと、歩きにくそうです。

まず目指したのは、黒島展望台。山を登っていざ展望スポットにたどり着くも、一面真っ白で何も見えません。ひたすら強い風が吹き付け、まるでラピュタの竜の巣の中にいるようです。それでもしばらく粘っていると、雲の切れ間が出てきて、眺望を楽しむことが出来ました。しかし、これは一瞬の切れ間で、すぐに一面真っ白に戻ってしまいました。人もいなかったし、しばらくのんびりしていたのですが、潮風をずっと浴びていたせいか、ベトベトしてきたのと、ちょうど別の登山者がやって来たので、次の場所に出発しました。

カルスト状の岩稜地帯を楽しみつつ、向かった先は表砂漠。歩みを進めていくと、徐々に辺りが砂地に変わっていきます。そして荒涼とした岩場と砂地が広がる表砂漠に到着です。少し離れた場所では、草花が生い茂っているのに、不思議ですね。

続いて向かう先は、裏砂漠。標識に従い道を進んでいくと、見えてきました。真ん中に立って周囲を見渡すと、確かに月とか別の惑星にいる雰囲気を味わうことが出来ます。でも少し視線の向きを変えると、海が見えます。

山頂部、全ては巡っていませんが、概ね満足したので、下山します。途中熱帯雨林みたいなところを抜けて、下山口へ。時間に余裕があったら、登りとは別のルートで下山したかったのですが、もう夕方なので同じルートで下ります。山頂部は涼しかったけれど、標高が下がると暑さが戻ってきます。

集落まで戻ってきたら、喉の渇きを潤すために、売店でソフトクリームを買いました。前浜海岸で海を見ながら、いただきます。早く食べないとどんどん溶けていく!

その後は宿に戻って、夕食です。お刺身に煮付けに、お魚たくさん。他にもサラダや唐揚げなどボリュームたっぷりです。

食後は夕日を見るため、前浜海岸へ。ちょうど日没のタイミングで、水平線の上には真っ赤な空が広がります。浜辺には、砂をなぞって今日の日付が書かれていました。誰が書いたのかな。そうこうしているうちに、太陽はどんどん沈んでいきます。普段はあまり感じることのない太陽の動きですが、日没時の太陽は案外速いところを見せてくれます。水平線の向こうへ姿を消すのを見届けると、急に夜の雰囲気になってきます。特にやることもないので、宿へ帰りました。

お風呂は宿泊している部屋とは違う建屋なので、てくてく歩いて向かいます。建屋が違うと言っても、平屋の建物がそれぞれあるような形なので、全然遠くありません。

ちなみに、明日はダイビングの予定でしたが、海況が良くなくて難しそうとのこと。最終決定は明日の朝ですが、ネットなどで情報を探る限り、厳しそうですね。陸の天気は問題ないのですけど、遠くの台風の影響で、海のうねりが強いのです。というわけで、明日どうしようかなあ、と考えつつ、就寝です。

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