那須岳登山

2020年10月14日、年休を取って平日に登山してきました。紅葉の見ごろということで、混雑を嫌っての平日登山となります。人はそれなりにいましたが、混雑というほどではなく、この選択は正解だったようです。ルートは、那須岳の主峰である茶臼岳を筆頭に、朝日岳、最高峰の三本槍岳をまわるコースにしました。それぞれ山の景色に特徴があり、三者三様の山容で楽しかったです。

6時30分ごろ、東北新幹線やまびこに乗車します。車内でミックスサンドを朝食にいただきます。7時50分、那須塩原駅に到着しました。ここからバスに乗って那須ロープウェイ乗り場まで行きます。往復切符はバス乗り場で販売してくれます。紅葉時期だけの特別対応かもしれません。

那須ロープウェイ山麓駅に着きました。目に飛び込んでくるのは、山肌一面を染める鮮やかな紅葉です。太陽の光が当たっていることもあり、実に美しいです。何だかんだで今回の山行で一番華やかだった紅葉は、最初に見たこの紅葉だった気がします。

ただ日は差しており、青空も見えているのですが、東側を見ると広い雲が押し寄せてきており、午後には曇りそうな感じですね。ロープウェイは通常20分に1本の運行ですが、紅葉シーズンということで人が多いらしく、増便していました。

山頂駅に着いたら、登山開始です。まずは茶臼岳の山頂を目指します。茶臼岳の周りに広がる草原と岩場の光景が気持ちいいです。一方で茶臼岳は火山なので、荒涼とした雰囲気です。薄い茶褐色の土や、岩、砂利が広がります。前半はとにかく滑りやすい道が続き、勾配もそれなりにあるので、ペースを上げると疲れてしまいます。

しばらく進むと、岩場がメインの道に変わります。ちょうどこの辺りで日が差してくるようになりました。眼下に広がる紅葉が素敵です。ルート上にはほとんど植物はありませんが、それでもたまに真っ赤に染まった低木が出迎えてくれます。

程なくして茶臼岳山頂に着きました。那須岳神社の鳥居や祠があります。三角点は少しだけ離れた位置にありました。青空も見えて気持ちの良い山頂からの景色です。ただ風が思いきり当たるので、結構寒いです。そして火山なので硫黄の香りも濃いですね。山頂に近づくと匂いがします。

さて先も長いので、お釜をぐるっと回って下山します。途中、噴煙の上がる様子も見られました。お釜口に出たら、峰の茶屋跡方面に向けて下ります。緩い傾斜ですが、岩が多いので怪我をしないように注意しながら進みます。

峰の茶屋跡に着きました。現在は避難小屋が建っています。そしてここはとにかく風が強いです。ちょうど谷間になっていて、風が思いきり抜けるようです。先日購入したアウターを着込んで防寒しました。こんな薄手なのに、風に体温が奪われるのを防いでくれていることを如実に感じられて、やはり専用のギアはすごいなあ、と思いました。

朝日岳に向けて進みます。ここから道は細くなり、一人分の幅しかなくなるので、向かい側から人が来た場合は適宜譲り合いながら進みます。ああ、これ混雑している日だと結構大変ですね。植物もそこそこ生えており、紅葉を楽しませてくれます。

恵比寿大黒あたりまで来ると、茶褐色が濃くなってきて、茶臼岳とは景色が異なってきていることを実感できます。このあたりから岩場登りが始まります。それからロープ場へ。一部を除いてそこまで痩せた箇所はありませんが、踏み外せば無事には済まないので、ロープに手を掛けながら進んでいきます。最後、岩場の急登を超えたら、朝日の肩に到着です。

朝日の肩は広場になっており、休憩している人たちも多いです。自分もここで持ってきたおにぎり1個を食べました。それから朝日岳の山頂を目指します。朝日の肩からおよそ5分ほどで登頂しました。頂上からの展望を楽しみます。ここまで歩いてきた茶臼岳からの道程と、これから歩いていく三本槍岳への道程を、一望できます。

朝日の肩まで戻ってきたら、三本槍岳を目指して先へ進みます。熊見曽根、1900m峰など幾つかのピークを越えつつ、やがて清水平に向けて下っていきます。階段状だったり岩場だったり、また足元はぬかるんでいる箇所も多く、歩きにくいですが、下りなのでペースは速めで進めます。

清水平に来たら、木道があり、平坦な道がしばらく続きます。季節が違えば花とか見られるのかな。そこを抜けると、低木に囲われた緩い上り道が始まります。北温泉分岐まで来たら、三本槍岳方面へ曲がります。

そこから上ったり、下ったりしつつ、進んでいきます。途中結構泥濘が激しい箇所もありました。ただ、紅葉した低木が周辺を彩ってくれるので、テンションが上がりますね。茶臼岳とも、朝日岳とも違う、三本槍岳の風景です。ピークの気配も特に感じない中、緩やかな上り道を歩き続けていたら、突然目の前が開けました。三本槍岳の山頂に到着です。

正面には小さな集落が見えますが、それ以外は山の稜線がどこまでも伸びていて、深い山塊の中にいることを実感させてくれます。ここで残りの食料であるコロッケパンを食べました。しばらく山頂でのんびりしていたのですが、自分の後に全然人が来ません。不安になって時間計算すると、帰りのバスが怪しいかもしれないことに気づきました。うーん、結構余裕のある行程だったはずなのに。

というわけで、帰り道は急ぎ足です。清水平までは軽いアップダウンや平坦な道がほとんどなので、ここで稼ぎます。そして清水平から朝日の肩までが、上りが少々きつい区間です。ただ急登というほどでもなく、体力は使うものの下りよりも上りの方が進みやすいかもしれません。朝日の肩手前で、ようやく人に会いました。人がいないのは快適ですけど、深いところでまったく人に会わないのは、それはそれで怖さや寂しさもあります。

朝日の肩まで出た時点で、標準タイムからそれなりに巻いて、貯金を得ました。しかし油断することなく、峰の茶屋跡まで進みます。そんな中、途中登ってくる人たちに何組か会いました。どういう山行なんだろう、北温泉方面へ抜けるのかな。

峰の茶屋跡に着いたら、後は山麓駅に向けて下るだけです。バスの時間てきにはだいぶ余裕があるのでひと安心。曇天の夕暮れなので、ちょっぴり薄暗い山道を下っていきます。左手には山肌を望むことができます。暗くなってしまいましたが、紅葉がきれいです。

最後、神社を抜けると駐車場に出ますので、そこから石畳の道を通ってロープウェイ山麓駅まで抜けます。ひたすら下り続けてきた後でこの石畳は地味に堪えますね。駐車場に出た時点でストックをしまってしまったのは失敗でした。

それから16時30分発のバスに乗り、那須塩原駅まで移動します。那須高原の色々な建物のライトがかなり濃い黄色をしていたのが印象的でした。景観を揃えるようにしているのですかね。

那須塩原駅に着いたら、夕食へ。駅前から少し歩いて、東のこうじに入店します。まずは喉を潤すために生ビール。それから長芋のユッケ、栃尾のあぶらげを注文します。栃木の「栃」の字に釣られましたが、栃尾は栃木県ではないことに後で気づきました。そして那須に来たからには茄子を食べようということで、茄子のユーリンチーをいただきます。茄子なので汁をよく吸って美味です。ただ一人だとちょっと量が多いですね。それから肉を食べたくてメンチカツを頼み、鮭茶漬けで〆です。お酒は冒頭のビール以外に、地酒である天鷹をいただきました。結構辛めです。お会計は4,500円程度。

満腹になったところで、那須塩原駅へ移動。帰りは贅沢にグリーン車です。さすがにグランクラスまでは奮発できません。山行帰りは足が疲れているので、足元が広いのは嬉しいですね。

今回の登山データは以下の通りです。

距離12.44km
山行時間06:15:44
移動時間03:26:49
高度上昇766m
高度下降1,040m

スタートはロープウェイで高度を稼いで、茶臼岳、朝日岳、三本槍岳と縦走しました。帰りは峰の茶屋跡まではピストンで、そこからロープウェイを使わずに下山しました。

縦走はしていますが、全体的に高低差はそれほど大きくありません。こうして時間ベースで見ると、最初の茶臼岳登頂までが一番早いペースで高度上昇していたようです。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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