シェムリアップとハノイの旅~4日目

4日目の朝。いつも通りの朝食ビュッフェ。一番のお気に入りは、ジャスミンライス。さて、この日はとうとうカンボジア最後の日です。連日の遺跡めぐりですが、この日は行きません。遺跡パスは3日間なので、若干もったいない気もしますが、1日くらい遺跡めぐりではない観光をしたいです。ちなみに、フライトを少々遅くしてしまったので、若干時間を持て余しそうです。

まず午前中は、ホテルのプールでひと泳ぎ。せっかくリゾートホテルに泊まったのですから、これはやりたかったのです。プールで泳ぐなんて、相当久しぶりですね。数十年ぶりかもしれません。浅いところが1メートルくらいで、深いところは2メートルくらいあります。人もあまりおらず、そこそこの広さなので、気持ちよく泳げました。

空を見上げると、前2日間とは異なり、雲が一面に広がっています。この日が遺跡観光に被らなかったのは、天候に恵まれていたんだろうなあ、と思いました。やはり遺跡は青空のもとで、一層映えて見えますので、この天気だったら残念です。

ひと泳ぎ終えたら、ホテルをチェックアウト。荷物は預かってもらいます。さっそく向かった先は、ロイヤル・インディペンデンス・ガーデン。芝生や木々が並ぶ広めの公園です。あまり人はいません。オオコウモリの鳴き声を聞きつつ、ぼけ~っと散策していると、前から近づいてくる人影がありました。学校のための寄付を募っているという青年です。寄付した人の署名を見せて、寄付を募ってきますが、丁重にお断りしたら、あっさり引き下がりました。何となくパリの署名詐欺を思い出したので警戒したのですが、ちゃんとした活動なのかもしれませんね。

その後は、アンコール国立博物館へ向かいます。いろいろ遺跡を見てきましたが、その背景にある歴史や宗教の知識はほとんどないので、博物館の内容は楽しみです。ガイドブックによると、受付でカメラを預けるという記述がありましたが、特に必要ありませんでした。念のため確認しましたが、預けなくてよいけど展示室の撮影は駄目と言われました。

というわけで、見学開始です。が、実はいきなり順路を間違えて、中盤の展示室から入ってしまいました。いまさら引き返すのも何なので、そのまま進みます。内部は石像の展示やスクリーンシアターによる多言語紹介など、かなり充実しています。先進国の博物館と変わらぬクオリティで、見応えありますね。遺跡めぐりのさいには、建物全体に対する視点が多く、個々の石像への着目は少なかったので、博物館で個々のオブジェをじっくり眺めるのは新鮮でした。薄そうに見える彫刻も、側面から見るとかなり分厚かったりといった、驚きがあります。

途中、係員が親切に説明してくれたり、かなりゆっくりと鑑賞しました。それから、カフェコーナーにて、ホットエスプレッソで一服。飲み終えたあとに、空いたカップを持って行ったら、怪訝な顔をされました。確かに、あれはその場に置いておくのが自然でしたね。余計な気遣いをしちゃいました。

少々財布が心許なくなってきたので、博物館内にあるATMで補充します。それから、ホテルの近くまで行って、前日までお世話になっていたトゥクトゥクで、空港まで向かいます。本当は8ドルなのですが、往路のタクシー7ドルを引き合いに出したら、ホテル外で待つから、ホテルコミッション分を差し引いた5ドルということで、契約しました。ちょっとグレーですが、提案したのは彼だから良いでしょう。

10分ほどでシェムリアップ空港に到着です。余ったリエルはこのまま持っていても紙屑になってしまうので、チップとして全部渡しました。空港についてチェックインを済ませたら、カフェコーナーで一服。お昼ごはんを食べていなかったので、ハムチーズのホットサンドとアメリカンコーヒーでひと休み。

シェムリアップ空港からノイバイ空港まで、2時間弱のフライト。到着したら、特に手荷物の受け取りもないので、早々に到着ロビーへ出ました。今思えば、これが良くなかったのかもしれません。特に送迎は頼んでいないので、タクシーを利用するつもりで、エアポートタクシーを探しました。すると、手招きをするタクシーのドライバーが。何か嫌な感じを覚えつつも、他に乗り場らしき場所は見当たらず、そこへ向かいます。で、エアポートタクシーと書かれた車体や料金表を説明し、乗車して出発。

すると、男が一人乗り込んできました。最初は普通に話していましたが、怪しすぎます。とりあえずタクシーはハノイ方面に向かっているようですが、不安しかありません。最初はツアーとかの押し売りかと思いましたが、違いました。ドルしか持ってないと言うと、ドンで支払ってくれ、と言われます。言われるがままに、ATMでキャッシング。そのとき同行した男が、明らかに数桁多い金額を勝手に指定しました。その後車内でドンをその男に一瞬手渡した隙に、だいぶ抜かれました。明らかに薄くなってます。その後もドルを見せろとか日本円を見せろとか言ってきますが、様子を見ながら断固拒否。一応繁華街に入っているため、手荒な真似はできないはずなので。

その後ホテルに着いたというので、降車。降りた途端、さっきまで恫喝してた男が笑顔になるのが腹立たしいです。自分の泊まるホテルは市内に複数のホテルを持つグループホテルなのですが、予想通り別のホテルへ運ばれていました。ホテルの人がタクシーを手配してくれて、正しいホテルへ案内してくれました。

ウェルカムドリンクをいただいて、チェックイン手続き。さっきまで怖い目に合っていたので、ほっと落ち着きます。部屋に着いたら、まずは被害額の確定をします。桁をよく把握していなかったので、数万円なのか、数十万円なのか、よく分からないのです。カード会社に電話して、キャッシング記録を確認してもらったところ、4万円程度の被害額でした。手痛い金額ですが、それでも数十万円の被害額とならず、安心しました。ものは考えようですが、それでも怪我をすることなく、数万円の被害で済んだことは、不幸中の幸いだったと思います。

ただ、そこへ追い打ちをかけるように、お腹の調子が芳しくありません。思い当たるのが、前日に飲んだフルーツシェイクの氷です。何か菌を取り込んでしまったかなあ……。色々と残念な気持ちを抱えつつ、ハノイ初日の夜は更けていきました。

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