3日目、この日もホテルで朝食ビュッフェをいただきます。それほどメニュー数があるわけではないので、だいたい前日と同じようなメニューとなりました。
さて、この日も遺跡観光です。特に不満もなく、良い感じだったので、昨日と同じトゥクトゥクで出発です。今日の目玉は、バンテアイ・スレイ。前日までに見てきた遺跡は灰色でしたが、こちらの遺跡は赤茶色。日の当たる午前中が見頃です。場所はシェムリアップから40kmほどの距離にあり、トゥクトゥクで1時間くらいの移動になります。
最初は、ちょっとした幹線道路っぽいところを走って行きます。周りにはほとんど建物は見えません。真新しい数階建てのビルが1軒見えましたが、どこかの援助で建てられたのでしょうね。大きめの道を抜けたら、ローカルっぽい道に入ります。すると、たくさんの出店が軒を連ねる通りに出ました。どちらかというと、観光客向けっぽい感じです。特に観光スポットはない様子ですけど、郊外の遺跡に向かう人たちが、立ち寄って買うのでしょうか。
さらに進んで行くと、完全にローカルな地元の集落っぽいところを通ります。住居はとても簡素な小屋がほとんどで、各家の前には石のかまどがありました。クーラーやコンロと言ったものはないのでしょうね。そんな中時折ちょっと豪華な一軒家が見えたりして、貧富の差が垣間見えます。アジア最貧国と言われるカンボジアですが、言葉で聞くより、こうした集落を目にすることで、深く実感しました。しかし、小さな子供たちは裸で楽しそうに遊んでいるし、諸々の活気はあるように思います。
最後、上り坂を少々進んだところで、バンテアイ・スレイに到着です。人気の遺跡だけあって、ビジターセンターはかなり近代的です。郊外の遺跡ですが、こちらは遺跡パスで入場できます。入場するとしばらく道なりに歩いていくのですが、ここでは高校生くらいの少年が、ガイドブックを1ドルで売ってきます。年齢のいった分、これまでの小学生くらいの子供たちとは違って、売り込みがしつこいですね。少し語気を強めにはっきり断ると、微妙に悪態をつくので、ちょっとイラッときます。でも、断らずに相手にしてない風の青年は、ずっと横に付かれていました。
彼らを振り切り、進んだ先に見えてきたのが、赤茶色の遺跡。ちょうど太陽の光が当たって、いっそうその色合いを引き立たせています。門をくぐり参道を進んで行くと、回廊が見えてきました。中央祠堂の付近は立ち入り禁止になっています。経蔵を含め、とても装飾の彫が深くて細かく、美しいのですが、間近で見ることはできません。ちなみに、東洋のモナリザと呼ばれる美しいデバター像があるはずですが、結局どれがそうなのか、よくわかりませんでした。特に標識で案内が出ているわけでもなく、皆が群がっている場所があるわけでもなく。しかし、太陽に染まる赤茶色の美しい遺跡は、それだけで見に来た甲斐がありました。
帰り際、欧米系の女性3人組に写真を頼まれて撮影。それから出口に向かうのですが、土産物通りを通らないと抜けられない作りになっています。こういうのは正直面倒くさいなあ、と思います。
バンテアイ・スレイの見学を終えたあとは、シェムリアップ方面に戻ります。ちょうど小学校の下校時間のようで、制服を着た子供たちがたくさん道路にいます。小学校らしき建物も見えました。
次に向かった遺跡は、プレ・ループ。遺跡の石の隙間から、ところどころ草花が咲いており、きれいです。色鮮やかな花は、荒涼とした遺跡に、文字通り花を添えますね。こちらの遺跡はたくさんの経蔵があり、上から見下ろすとなかなか壮観です。地上正面には、他の遺跡では見かけなかった石槽があったりして、興味深かったです。ちなみに、ここには本を売る子供がいました。一定範囲を越えると付いてこないので、ゾーンみたいのがあるのでしょうか。
昼ごはんは、再びドライバーの案内で、どこかの食堂へ。昨日の食堂とは違い、席数も少なく静かな雰囲気。いただいたのは、クメールカリースープ(ポーク)とフルーツシェイク。日本でお馴染みのカレーとはちょっと違い、上手く表現できませんが、東南アジアてきな味です。それなりに辛くて、汗をかきながら食べました。そしてフルーツシェイクはおいしかったのですが、氷が入っていたので、お腹を壊さないか少し不安です。自分はわりとお腹弱いほうなので。
続いて向かった先は、バンテアイ・クディ。入口の係員と、日本人か?的な感じで軽く会話しました。遺跡自体はわりと小さめ。ナーガの欄干を抜けたあとは、ちょっと入り組んだ迷路みたいになっていて、面白かったです。上智大学による発掘調査の標識などもありました。それから、中国語を話すバックパッカー風の女性に写真を頼まれて撮影したりしました。ちなみにこの遺跡、久しぶりに勝手ガイドに会いました。あちこちにいるのかと思いきや、意外と会わないものですね。特にガイドしてもらう気もないので、ノーセンキュー。帰り道、ガイド料を要求する勝手ガイドと、笑いながらオークン!オークン!(クメール語でありがとうの意)を小走りに去る二人組の欧米系の男性旅行者がいました。欧米っぽい!となぜか感心しました。
続いては、スラ・スランへ。向かう途中、少女からブレスレットの売り込み。いらないと言っても、ただで良いよと、言って肩に乗せてきます。振り払ったら地面に落ちちゃって、何でそんなことするのー、と言われちゃいました。拾って少女の手に戻してあげて、さよならしました。最後は普通にあいさつしてくれました。でも、ただほど怖いものはありません。
スラ・スランから見渡す池は絶景でしたね。池を囲む一面のジャングルと、水面に映る青空と雲が、まるで巨大な鏡を見ているようで、良かったです。
その後は再びアンコール・ワットへ。もう一度じっくり見たいなあ、と思ったのです。やはりアンコール・ワットは、アンコール遺跡群の中でも、特別なオーラを感じます。2回目は裏参道から入ります。1回目とは違う眺めが新鮮です。人の流れも少なく、落ち着いた空気が良いですね。ちなみに、ここの入場ゲートでも日本人か?てきな会話を交わしました。似たようなことは続きますね。
第1回廊と第2回廊を中心に、のんびりと回りました。2回目ということもあり、あれこれ見て回るより、アンコール・ワットの空気を感じるようにしました。というわけで、1時間をわりとぼーっとして過ごしました。世界の多くの寺院や教会を訪ねてきましたが、不思議とどこも心の安らぎを得られます。この辺は、人類共通の感覚のようなものが、あるのでしょうね。
この2回目のアンコール・ワット見学をもって、本日の遺跡見学は、終了です。16時すぎにホテルに戻って料金の精算。昨日の分はホテルチャージにしましたが、今日の分は現金支払いにしました。25ドルとチップ3ドル。25ドルにはホテル側のコミッションが入っています。ホテルでの休憩時は、NHKワールドプレミアムでおかいつとかを見ていました。
18時すぎ、パブストリートを目指して出発です。ホテルからパブストリートまでは、1.5kmくらいで、そこそこの距離があります。とはいえ、トゥクトゥクを使うほどでもないので、歩いて行きました。道は、シヴォタ通りをひたすら南に進みます。途中、トゥクトゥクのドライバーに声を掛けられますが、それほどしつこくありません。
そして歩行事情ですが、シヴォタ通りはだいたい信号があるので、それに従って渡って行けば良いです。少し大きめの交差点などタイミングが分かりにくい場合は、周りの様子や車の様子を見てたら、何となくわかると思います。信号がない場所を渡りたいときは、往来する車両を見ながら、ゆっくりと渡ります。ホーチミンなどと同じ感覚です。交通量はこちらのほうが少ないので、ホーチミンやハノイでの横断経験があれば、問題なく渡れます。そうして、シェムリアップ州病院まで来たら、左に行きます。
だんだんパブストリートが近づいてきます。雰囲気もツーリスティックになってきました。地元の人より、観光客の数のほうが多いです。そしてついにパブストリートの看板が登場。さっそく向かった先は、チャンペイ。カンボジア料理が食べられる、現地価格に対して少しお高めのレストランです。注文したのは、シュリンプケーキとアモック。シュリンプケーキは海老のすり身を唐揚げにしたもので、普通においしかったです。一方アモックは、想像した味と違い、かなり油っこいです。ちょっと自分の口には合わなかったですね。後で調べたところ、このアモックという料理は、中に入れる具材など店によって味付けがかなり異なるそうです。さっぱり系のアモックもあるそうで、そちらでしたらイケたかもしれません。ビールは、Angkorを2杯。最初スペルが似ているAnchorを頼みそうになりました。18ドルでTIP1ドル。
食事を終えたら、ぶらぶらと散策。オールド・マーケットの軒先を軽く眺めます。とはいえ、特に買い物をする気はなかったので、早めに切り上げました。帰ろうと思ったら間違えてシェムリアップ川を渡ってしまい、センターナイトマーケットに出てしまったりとハプニングはありましたが、21時ごろ無事ホテルに戻りました。
ビール2杯でほろ酔いだったので、明日の予定を立てつつ、23時ごろには就寝しました。