2025年06月29日、巻機山に登ってきました。登山者向けの夜行バスは運行していないので、登山口のある清水の集落にて前泊します。

5時15分、宿に登山口まで送迎いただき、桜坂第一駐車場からスタートです。40分ほど短縮できるのでありがたいです。なお、登山届が第二駐車場にしかないと思って一旦第二駐車場まで戻ってしまいましたが、第一駐車場にも設置されていました。
帰りは14時40分発のバスに乗る必要があるため、その時間までに下山できるコースを設定します。山と高原の地図のコースタイムを見ると、牛ヶ岳往復は10時間近く掛かってしまいアウトですが、ヤマップなどのログを見ると8時間程度で行けそうです。経験上どちらに転ぶこともありうるので、より厳しい方をベースに考えます。とりあえず巻機山最高点をゴールとして、ここに10時以前に到着できたら牛ヶ岳まで回ることにしました。

駐車場から登山口方面へ進むと、ヌクビ沢天狗尾根コースとの分岐点に出合います。こちらは上級者コースなので向かわず、井戸尾根コースに向かいます。ちなみにこの日の天気予報は快晴で、てんくらの登山指数もAで絶好の登山日和です。車が通れる道幅が終わると、登山道が始まります。

まずは樹林帯の中を進んで行きます。しばらくは岩がちょこちょこあって歩きにくいです。3合目に着くと道が左へ直角に曲がります。新緑を楽しみながら緩やかに登っていくと、5合目の焼松に着きました。

焼松に出ると展望が少し開けます。ちょうど太陽の向きと重なるので写真はきれいに撮れませんでした。ここから先は木々の丈が少し低くなります。このまま高山っぽくなるのかな、と思っていたら、再び樹林帯に入ります。


3合目から5合目までは比較的間隔が短かったのですが、5合目以降は間隔が開きます。登山道にはイワカガミを多く見られます。30分ほど歩くと、6合目の展望台に出ます。残雪をたたえたヌクビ沢や麓の様子を見渡すことが出来ます。


展望を楽しんだら、先へ進みます。登山道の脇には、イワカガミやヤブデマリ、アカモノなどが咲いていました。しばらく緩やかに登っていると、ザレ場に出ました。同時に展望も一気に開けます。ザレ場ですが特段登りづらくはありません。


そしてこの先は井戸の壁と呼ばれる九十九折の急登が続きます。息は上がりますが絶景を望めるので頑張れます。ツマトリソウやウラジロヨウラクなどの花も楽しめます。

井戸の壁を登りきると8合目に到着です。草原が広がりまさに高原といった景色です。足元にはリンドウの花が目立つようになってきました。しかしここから階段が続きます。地味に堪えますね。ここを乗り越えると前巻機山へ続く稜線歩きとなります。

右手にはようやく巻機山の姿を望めます。残雪と緑のコラボレーションが美しいです。時折冷たい風が吹きますが、この標高まで上がってきても日差しが暑いです。景色を楽しみながら歩いていくと、前巻機山に到着しました。

山頂はあまり広くないですが、多少寛げるスペースはあります。山頂標はニセ巻機山となっています。何だかこの山域周辺は、ニセと付く山名が多い気がします。山頂近くには、ハクサンシャクナゲも咲いていました。

前巻機山から木道を下っていくと、巻機山避難小屋に出合います。こちらはトイレを利用することも出来て、テーブルやベンチもあるので、休んでいる人達を見かけました。

そんな休憩する人達を横目に粛々と進みます。避難小屋から緩やかに登っていくと、湿原歩きとなります。数は少ないですが、幾つか池塘を楽しめます。巻機山は虫が多いとの情報を得ていたので、虫除けネットを装備したのですが、だいぶ快適ですね。視界が若干悪くなったり、汗を拭えなかったりというデメリットもありますが、それ以上に虫が顔に纏わりつかない快適さが勝ります。虫が多いのは主に樹林帯かと思っていましたが、むしろ森林限界を超えてからの方が多かったです。最後にひと頑張りして登ると御機屋に到着です。

御機屋は山頂付近一帯を表す言葉であり、巻機山の最高点は別の場所にありますが、山頂標高柱はこちらにあります。役行者碑もあって信仰の歴史を感じさせます。比較的広くて座るための場所もあるので、少しだけ寛いでから巻機山最高点を目指して進みます。

ここから先は、勾配はあるものの稜線歩きなのでご褒美タイムです。高層湿原の木道をてくてくと歩きます。池塘や高山植物、遠くの山々の稜線を楽しみます。10分ほどで巻機山最高点に着きました。山頂標などは特になく、ケルンがあるだけです。


計画に対して十分に余裕がある状態ですので、さらに歩みを進めて牛ヶ岳を目指します。緩やかな木道歩きが続きます。山肌の雪渓を楽しみながら牛ヶ岳に向かいます。ワタスゲの群生している場所があってきれいでした。ニッコウキスゲはまだ蕾が多く、高原に咲き乱れる様子を見られるのはもう少し先になりそうです。それでも幾つか気の早い個体は咲いていたので楽しめました。最後にひと登りしたら牛ヶ岳に到着です。


牛ヶ岳に山頂標はなく、三角点は少し手前の場所にあります。あまり広くはないですが、360度の展望が楽しめます。ここから裏巻機渓谷へ繋がる道が伸びていますが土砂崩れのため通行止めとなっていました。こちらで大休止して食事をいただきます。宿で作ってもらったお弁当でボリュームたっぷりです。中身は梅干しおにぎり2個、ゆで玉子、漬物、トマトです。


帰りはピストンで、来た道を戻ります。さすがに割引岳まで回る時間の余裕はありません。帰り道では、往路では気づかなかった草花を見つけて楽しみます。イワイチョウやハクサンフウロ、ハクサンコザクラなどが登山道を賑わせてくれます。御機屋まで戻ったら小休止してプロテインを補給しました。

余裕をもって下っておきたいので、休憩はそこそこに再び進みます。日が高くなり気温も上がってきたので、暑さが堪えます。下りなのに往路と同じくらいに汗が吹き出して、水の消費量もぐっと増えました。

5合目を過ぎると樹林帯に入って日差しを凌げるので、幾分かマシになりました。粛々と下っていき3合目まで来たらもう一息です。そして登山口に出て駐車場まで戻ったら下山完了、とはならず、清水の集落まで歩いて下らなくてはなりません。往路は宿に送っていただきましたが、復路は自力で下山です。駐車場には洗い場がありますので、登山靴などを軽く洗ったら集落へ向けて進みます。

約2.2kmの舗装路を下ります。駐車場では日差しがきつかったですが、林道は比較的日陰が多くて助かりました。途中の自販機でコーラを買って、渇いた喉を潤します。集落まで下りた後は宿泊した宿に立ち寄り、風呂を浴びて寛がせていただきました。
今回の山行データは以下の通りです。
日程 | 2025/06/29 |
距離 | 15.66km |
歩行時間 | 6:48:26 |
経過時間 | 7:41:55 |
高度上昇 | 1,363m |
高度下降 | 1,492m |
平均心拍数 | 147bpm |
桜坂駐車場から井戸尾根コースを登り、巻機山最高点を経て牛ヶ岳までのピストン山行です。帰りは清水の集落まで歩いて下りました。快晴で風もなかったのですが、暑さがきつかったです。特に日が昇った後の標高が低い場所では水分をしっかり取る必要があります。それほど急いだ区間はないつもりですが、心拍数が高めになっているのは、暑さのせいだと思います。
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