高千穂・宮崎の旅~初日

初日、ソラシドエアで羽田空港から宮崎空港へ向かいます。途中、雲海からちょこっと顔を出した富士山を見ることが出来ました。飛行機でも新幹線でも、富士山を見られると、何だかうれしくなっちゃいます。

空港からは、特急にちりん号に乗って高千穂を目指しますが、特急の発車時刻まで余裕があったので、空港内にあった宮崎ラーメン店である響にて、昼食にしました。たっぷりと乗ったシャキシャキのもやしがいいですね。餃子とライスも付けて、満腹です。

12時20分、にちりん号に乗って、延岡に向かいます。空港から直接電車に乗れるのはありがたいですね。車内は空いており、ゆったりと車窓からの景色を楽しみます。電車は海沿いを走っているので、時折海も見えて、楽しいです。

延岡駅に着くと、あいにくの天気で、小雨が降り始めました。いそいそと駅から1分ほど歩いたところにあるバスターミナルへ行き、切符を購入。窓口で買うものかと思って聞いたら、すぐ横に券売機がありました。高千穂行きのバスが来るまで待ちます。

しばらく待つと、バスがやって来ました。普通の路線バスが来るのかと思っていたら、15席程度の小型のバス。乗り切れるのかなあ、と心配しましたが、高千穂まで行く人はあまりいないので、のんびりとバスの旅を楽しみました。バスは山間の街を走り続け、ところどころ紅葉した山肌を見ることが出来ます。また、延岡を発った時はいまいちだった天気ですが、時折晴れ間も覗けるようになり、明日の天気に期待が掛かります。

延岡からバスに揺られること1時間、ようやく高千穂のバスターミナルに着きました。アクセスが少々不便ですが、そのおかげで遠くに来たんだな、という実感が湧き、素朴な街の風景と相まって、旅情を感じさせてくれます。

喉が渇いていたので、自販機でローカルっぽい飲料で一服し、それからホテルのある方向を目指して歩きます。道中、神楽にちなんだ石像が置かれて、神話の里の気分を盛り上げてくれます。まっすぐ伸びる長い下り坂を進むと、右手に大きな鳥居が見えてきます。これが高千穂神社です。

チェックイン予定まで時間もあるので、参拝していくことにしました。境内に入ると、鮮やかに色づいた紅葉が入口で迎えてくれます。そこから階段を上り、拝殿前に行くと、秩父杉やしめ縄を携えた夫婦杉が立派な姿で佇んでいます。お参りを済ませたあとは、境内を散策します。黄色く色づいた銀杏の落葉が、砂利や拝殿の屋根に積もって、絵になります。人は絶えずやって来ますが、騒々しいほどにはならず、基本的に落ち着いていて、良い雰囲気です。

その後は、裏手の道を進みます。案内板を見ると、高千穂峡へ続いているようです。夕刻なので、とりあえず行けるところまで行ってみることにしました。すると、「分け入っても分け入っても青い山」という種田山頭火の歌碑が現れます。この地で詠まれた歌とのことですが、見渡す限りに山の広がる光景を見ると、納得してしまいます。そんな山の中の道を進むと、渓谷へ降りると思われる急階段が続いており、一瞬進むのを躊躇ってしまいます。それでも進んでいくと、谷の底のほうから、水の流れる音が聞こえてきました。足元には、先刻の雨によってしっとりとした落ち葉の絨毯が、足元に広がります。この落ち着いた色の濃さは、雨の日ならではですね。

渓谷美の入口を堪能したら、適当なところで折り返し、ホテルへ向かいます。今回お世話になるのは、国民宿舎ホテル高千穂。3階建ての建屋で、ロビー部分は吹き抜けになっており、開放的です。さっそくチェックイン手続きを済ませます。高千穂神社へのシャトルバスが出ているとの話なので、利用することにしました。

とりあえず食事まで時間があるので、部屋でまったりと休憩です。窓から外を眺めると、山の向こう側がうっすらと夕焼け色に染まっていました。明日晴れるといいなあ、と思いました。

そして夕食はホテルでいただきます。まぐろの山かけに八寸、天ぷらや角煮、焼き物など、多彩な味を楽しめる贅沢っていいですね。日本の旅って感じがします。若い頃は、全てを白飯のおかずにして食べたいと思いましたが、最近は一品ごとに味わって食べることが、楽しいです。お酒は、地酒の千徳をいただきました。すっと飲みやすいさっぱりとした口当たりでした。

食後は少しのんびりして、19時30分に高千穂神社に向けて、出発です。シャトルバスに乗って1~2分程度、歩いて行ける距離ですが、冷え込むのでシャトルバスはありがたいですね。神楽殿に向かい、チケットを購入して、着席。既にたくさんの人たちがいました。真ん中あたりに着席して、開演を待ちます。

そして開演です。高千穂神楽は、三十三番のうち四つの舞を抜粋して、上演されます。手刀雄の舞、鈿女の舞、戸取の舞、御神体の舞。最初の三つは日本神話でお馴染みの天照大御神を天岩戸から出て来させるお話です。神話の後の時代に、舞という形で代々受け継がれていたと思うと、壮大な気持ちになりますね。最後の御神体の舞は、伊邪那岐命と伊邪那美命による国造りの舞です。時折テレビでも取り上げられていますが、この神々が性行為をする様子を舞として表現しています。観光用の神楽なので、それほど露骨な表現はありませんでした。最後は、二神が壇上から降りてきて会場を歩き回ります。まさに、神が降臨でした。

神楽を鑑賞し終えたら、シャトルバスでホテルに戻ります。参道を照らす松明の明かりが幻想的で美しかったです。

21時ごろ、ホテルに戻った後は、大浴場に行って入浴。広いお風呂は気持ちいいですね。あまり他の客もいなくて、ゆったり出来ました。そして、23時ごろ、就寝です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする