シェムリアップとハノイの旅~5日目と最終日

5日目、この日はハノイ観光です。朝食はホテルのビュッフェ。メニューの数は少ないですが、とりあえず一通り揃っています。食後は、お腹の調子がまだ復調していないので、部屋でゆっくりと過ごします。チェックアウト期限の1時間ほど前に、手続きを済ませました。この際に、空港への送迎サービスの案内があったので、申込みをしておきます。

ホテルを出たら、少し警戒しながら歩きます。昨晩のこともありますが、2年前のホーチミンではとにかくバイクタクシーに声をかけられて面倒だったので、そのときの記憶からです。ただし道路の横断は、ホーチミンでの経験が生きており、だいたいの渡る速度やバイクとのアイコンタクトなど、わりと自然にこなせました。道を渡れずに困っている様子の観光客もいたので、2年前の経験とは言え、経験があるのとないのでは、大きな違いなのだな、と感じました。

水上人形劇のチケットを買う前に、途中にある玉山祠に寄ります。ホアンキエム湖に浮かぶ小島のお寺で、棲旭橋を渡って入ることができます。橋を渡ると、門が見えて来るので、そこで入場料を払います。中は小さなお寺の周りをぐるっと回るコースになっています。お寺の正面では、休憩スペースがあり、ホアンキエム湖の眺めを楽しむことができます。お寺から漂う香の匂いも、心地よいです。お寺の中には、かつてこの湖で捕獲されたという巨大亀のはく製が展示されています。

それから、水上人形劇の劇場に向かいます。ホアンキエム湖周辺は観光の中心地ということもあり、バイクタクシーやシクロの声掛けが目立ちますですね。日本人とわかると、トーキョー?オーサカ?と聞かれることが多かったです。

そうした声掛けをやり過ごしつつ、窓口でチケット購入です。17時回のつもりでしたが、既にチケットが売り切れており、15時30分回しかないそうです。予定は狂ってしまいますが、水上人形劇は見ておきたかったので、その回のチケットを購入しました。まさかここまで大人気だったとは。

次に目指す先は、ホーチミン廟。だいぶ距離があり、タクシーで行くのが定石なのでしょうが、前日の件もあったりするので、そういう気分になれません。というわけで、歩いて行くことにしました。ハンガイ通りを西へ進み、ディエンビエンフー通りを北西に進みます。途中レーニン像を見学しようとすると、しつこいバイクタクシーに捕まりました。断っても歩道に乗り上げて横を併走してくる、まさにホーチミンのことを思い出します。とにかく語気を強めて、絶対に乗らないことを伝えれば、諦めて去って行きます。中途半端な態度を示すと、相当しつこく付いてきます。ちなみにこうしたバイクタクシーの勧誘は、一日観光を当てにしているので、昼下がりくらいになると、しつこく声掛けされることは少なくなると思います。

かなり長い距離を歩いたため、服の下はビショビショです。海に近いためか、シェムリアップよりもかなり湿度が高い気がします。一度汗をかくと、もう乾かないくらいの勢いです。汗だくになりながら歩いていくと、目の前に大きく開けた芝生の広場が現れました。

観光客は思ったより少ないです。廟の手前には大きなベトナム国旗がはためいています。廟の写真を撮ろうと近づいて行ったら、突然憲兵に怒鳴られました。どうやら気づかぬうちに、侵入禁止線を越えてしまったようです。慌てて戻るもまだ怒鳴られ、さらに戻って、ここでOK?というジェスチャーをしたら、親指を立てて、グッド!というジェスチャーをしてくれました。

すると、同じように憲兵に怒られたというヨーロッパからの観光客たちとベトナム人ガイドに声を掛けられました。やっぱ侵入禁止線が分かりづらいんですよねえ。とはいえ、ホーチミン廟はベトナム人にとって特別な場所であると、ガイドブックにも書いてありました。その一端に触れたような気分でした。

その後は適当に別れて、次の目的地である文廟に向かいます。孔子を祭った学問に所縁のあるお寺ということで、学生らしき姿が多かったです。卒業記念?と思うような人たちもいましたが、時期的には違いますよねえ。境内は手入れされており、池や草木がきれいです。花で文字を描いているのは、面白かったです。日本の寺社ではあまり見かけない光景ですね。他にも亀の台座に石碑が乗っていたり、独特の内容が良かったです。そして、本殿から漂う線香の匂いは、安らぎます。

廟内には、売店や土産物店が軒を連ねています。とにかく喉が渇いていたので、ペットボトル水を買いました。そしてベンチに座ってしばし休憩。それから廟内の有料トイレへ。ここへ入る自体入場料を払っていますが、トイレはまた別料金のようです。

文廟の見学を終えたら、次は美術博物館に行きます。1階は、仏像など様々な木像や石像の展示です。まあ、わりと普通な感じですね。面白かったのは、2階、3階の展示です。展示されているのは、近現代のベトナム絵画です。原風景が南国のジャングルになるので、西洋絵画とは違った趣になってきます。その辺が新鮮に映りますね。そして、金色とか赤色を多用するなあ、とも思いました。あとは、日本人女性を描いた絵画も数点あって、興味深かったです。

その後は、水上人形劇に向かうのですが、道を間違えて、しばらく反対方向に歩いていました。ソイタイ通りまで来て間違いに気づき、慌てて引き返します。汗だくになりながら、何とか5分前に着きました。2階に上がって改札を済ませてから、着席します。

満員の劇場で、劇が開始します。ステージに向かって左手に、演奏する人と語り部のような人がいて、簡単に劇の内容を説明します。ただ、ベトナム語なので、話の内容はよくわかりません。のんびりとした音楽に乗せて、5分ほどの短い劇を、十数本上演します。コミカルな人形たちが水上を動き回り、時には水を巧みに使った演出があります。とはいえ、劇の内容は、派手な動きや演出もなく、全体的に単調です。エンターテインメント性を求めるより、伝統芸能を鑑賞するという文化的側面に比重を置いたほうが、楽しめると思います。あの人形を操演していること自体が面白いです。劇は、だいたい1時間ほどで終演です。

劇場をあとにしたら、あまりに喉が渇いていたので、売店で2Lのペットボトル水を購入。このときペットボトルに付いていた指フックがなかなか便利。指に引っ掛ければ、わざわざペットボトルの口部分を手で持たなくても良いのです。思いがけないアイディアグッズとの出合いに感動しつつ、一旦ホテルに戻ります。水上人形劇の予定が1時間30分ほど早まったために、やることがありません。そこで、送迎タクシーの時間を早めてもらうことにしました。結局空港で待つことになりますが、早めに空港に着いていたほうが安心できます。

その後は、旧市街を軽く散策。それからGreen Mangoに行って夕食をいただきます。前菜として出てきた、パンをトマトのディップに浸して食べるのが、なかなかおいしいです。最初はえっ?と思ったのですが、サンドイッチにトマトを挟みますし、見事にマッチしました。メイン料理は、クミンスチームダック。外皮はパリッとなかはジューシーでおいしいです。ハノイビールと合いますね。いい気分になってきたので、もう1本追加で2本呑みました。その後デザートを注文したら、別のウエイターさんがこれはサービスといって、もう1本くれました。さすがに3本目はん~っと思ったのですが、せっかくなのでいただくことにしました。ちなみにデザートは、バナナを揚げたものと、アイスクリームのセットです。温冷それぞれの甘さが口のなかで心地よいです。

そこそこ酔いが回った状態で、ホテルへ向かいます。既にタクシーが待機していましたが、先ほどのビールによる尿意が既に来ていたので、トイレを借りてから出発。やはり空港の送迎は、多少値が張っても、ホテル経由でお願いしたほうが安心できますね。それでも絶対はありませんが。

ノイバイ空港に着いたら、ドライバーにドンでチップを渡しました。残りのドンは、再両替するほどでもないので、売店等で使いきろうと思います。しかし、空港の出発ロビーはものすごい人の数ですね。国際線というより、国内線の人の数が多い印象でした。実際搭乗待合室に行ったら、混雑しているものの、出発ロビーほどではありませんでした。

とりあえず水を買ったりしつつ、iPodを聴きながら時間を潰しました。予定より早く入ったこともあり、かなりの時間を待機で過ごしています。ただ、大量のお酒のせいで気持ち悪くなり、臥せっていたせいか、それほど待ち時間を長く感じませんでした。そして0時30分すぎ、ようやくノイバイ空港を出発です。

機内では、さすがにうつらうつら。成田空港には7時30分に到着しました。こうして今回の旅は、終了です。

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