電脳コイル~中盤まで見た感想

今見ているアニメ作品で一番続きが気になる作品、それが電脳コイルです。電脳メガネを初めとした近未来的な要素と、どこかノスタルジーを感じさせる光景が織り交じった不思議な世界観です。

最初から謎だらけなのですが、序盤ではあまりそこにフォーカスせず、電脳メガネを使った生活を楽しく描いていました。小学校でドンパチやっているシーンは、自分もやってみたいなあ、楽しいなあ、といった感じでした。また、ヒゲの話は、人類有史以来の歩みを見事に体現した傑作だと思います。ドラえもんあたりで出てきそうな話ですね。

中盤あたりから、謎が解けると思いきや、謎が何重にも張り巡らされており、むしろ謎の解決が謎を呼んでいる状態に。ここまで伏線を張って処理しきれるのだろうか、と不安を感じていたところで、ようやく一気に謎が解け始めてきたところです。

ただ、人の死が大きく絡んでいることもあり、前半に比べて雰囲気が重くなってしまっているのが、ちょっとなあ。夕焼けのなかで鳴り響く横断歩道のチャイムは、えも言わぬ怖さを感じます。

さて、こういう作品はリアルタイムで見ているからこそ、謎解きに挑戦したいものです。というわけで、以下勝手に謎解き推測です。まず、4423という数字、これが本当にイサコの兄の病室の番号だとしたら、ヤサコが4423に会ったのはあっちの世界ということになります。病室に入っている状態ならば、イサコの兄があっちの世界に行ってしまった後である考えるのが、自然だと思うからです。また、ヤサコの記憶にある4423との出会いは、夕焼けのなかでしたので、そこがあっちの世界である可能性は高くなります。ただ、そうなるとあの鍵穴から逃げるようなシーンがあったことが、説明つかなくなります。鍵穴へ向かったのなら、それが現実世界へ戻ってきたこととなり、つじつまが合うのですが…

煮詰まったところで、あっちの世界とこっちの世界の境目とは何なのか、考えてみたいと思います。あっちの世界に行くと電脳の体と現実の体が分離することから、あっちの世界は現実には存在しない電脳だけの空間ということになります。では、電脳空間とは何なのか。これは、イサコやハラケンが、メガネの使用に伴う心臓への負担や頭痛を訴えていることから、高度に仮想的な情報が、人体に直接的に作用して生み出される幻覚のようなものだと思います。この情報と人体の結びつきにより、本来は仮想であるはずのものが、現実の体に影響を及ぼしているのだと。いわゆる電脳の体とは、人間の意識そのものではないかと。

実際には、もっとたくさんの要素が存在し、複雑です。上記の限定的な推測も、その他の要因により、矛盾が生じるかと思います。そもそもカンナの死も、本当に交通事故なのか、ハラケンの言うように、あっちの世界に行ってしまったせいなのかも、うまくぼかされていて、よくわかりません。

そんな感じで、番組を見ていない人にはさっぱりわからないことを、長々と書いてみました。でも、こうやってあれこれ推測することができる楽しい作品です。これはリアルタイムならではの楽しみなので、未見の人は今からでも見ることを、強くお勧めします。

謎解きの結果が、エヴァのような形になることだけは、避けて欲しいと切に願っています^-^;

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする