雲取山登山

2021年9月11日から12日にかけて、雲取山を登山してきました。山行自体は日帰りも可能な距離ですが、我が家からだと電車とバスの都合で前泊が必要となります。どうせ泊まるなら山小屋に泊まろうと思い、雲取山荘に一泊する計画を立てました。当日の天気予報は芳しくありませんでしたが、荒天ではないので決行しました。

初日、6時45分ごろ家を出て、南武線と青梅線で奥多摩駅まで向かいます。ホリデー快速おくたま号に乗ったので、普通電車より多少早く着きます。9時30分、バスで奥多摩駅を出発して、10時ごろ鴨沢バス停に到着しました。山梨県内に入ったところで、鬼滅の刃コラボで鬼頭明里さんによるアナウンスが流れますが、鴨沢下車だと一瞬でした。

バス停の傍にある登山ポストに登山届を投函して、登山開始です。鬼滅の刃コラボな幟が並ぶ坂道を登っていきます。生活道路になっているので、車が通るときは上手く避ける必要があります。舗装路ですが勾配がなかなか急なので、いきなり疲れます。山道に入ったら林の中を10分ほど登ります。

山道が終わり、駐車場前に出ます。ここから一般道路を少し歩いて、雲取山登山口に入ります。勾配はあまりなく、緩やかに登っていく感じのコースになります。廃屋があったり、水場があったり、祠があったり、平将門迷走ルートがあったりしますが、基本的に林の中を淡々と登っていくので、あまり変わり映えしません。しかし、後半になると徐々に傾斜が増していき、じりじりと体力が削られます。

ちなみに、今回は熊鈴デビューです。ちゃんと音が鳴るようにするには、ザックのどこに付けるか、結構重要ですね。自分の動きと共にチャリンチャリン鳴るのは、それだけで何となく楽しいです。あと、熊と同時に登山者に自分の存在を知らせる点でも役に立つなあ、と思いました。鈴の音は、かなり離れていても届きます。

2時間ほど歩いて、分岐点に着きました。左に行くとブナ坂、右に行くと七ツ石山です。往路で七ツ石山に寄りたいので、右に進みます。少し登ると七ツ石小屋に出ます。こちらの広場を借りて、持参したパンとおにぎりを食べました。こちらは小屋泊はできませんが、テント泊ができるようです。

休憩を終えたら先へ進みます。少しガスが出てきました。うっすら白く幻想的な中を進んでいきます。先の分岐点で、このあたりは分岐が多いので道迷い注意との警告がありましたが、標識が親切なのできちんと確認していれば大丈夫だと思います。30分ほど歩いて七ツ石神社に着きました。短い階段ですが、そこを登る気力はなく、階段下からお参りしました。さらに5分ほど進むと、七ツ石山の山頂です。

ガスっているので、残念ながら眺望はありません。それでも周囲が開けているので、気持ちいいです。もう最盛期は過ぎている感じですが、黄色いマルバダケブキの花がきれいでした。それから七ツ石山を下って先へ進みます。10分ほどでブナ坂との合流地点に着きました。

ここから先は、稜線歩きになります。向かって左手に眺望が開けているのですが、先述の通りガスっているので、ちょっと残念な状況。

時々急なアップダウンがありますが、全体としては長い距離を緩やかに登っていきます。途中、ヘリポートのある大きな広場に出ました。雲取山は全体的に携帯電話の電波が入りづらいですが、このヘリポート周辺は電波状態が良いです。

さらに進んでいくと、小雲取山の山頂に着きます。特に山名を示す看板はないので、気づかずに通り過ぎてしまうかもしれません。一旦下って再び登っていきます。道中、オトギリソウなどの花を見かけましたが、全体的に花の最盛期は過ぎてしまった感じで、あまり数は多くありません。やがて雲取避難小屋が見えてきます。

雲取山の看板もあり、ここが山頂のように思えますが、山頂はここを右手にもう少し進んだ場所にあります。移動中、ふと左を見ると、鹿2匹が目の前にいました。さすがに目の前すぎて思わず後ずさったら、音に驚いて逃げてしまいました。ということで写真撮り損ねです。

ついに雲取山山頂に着きました。東京都最高峰です。他の人はいなくて独り占めです。南の方に青空が見えますが、全体的に曇天であまり眺望はありません。もう少しのんびりしたいところですが、15時30分を過ぎているので、雲取山荘に向けて進みます。

ここの下り道が、これまでの上り道と比べて、結構急勾配です。あと日が当たりにくいのか、ぬかるんでいる箇所も結構ありました。でもそのおかげで、苔が美しかったです。10分ほどで雲取山荘に着きました。

チェックイン手続きを済ませたら、部屋でゴロゴロ。小屋泊は自分を含めて2名だけなので、個室を独り占めです。携帯はドコモですが、電波は繋がったり繋がらなかったりと不安定ですね。

夕食はハンバーグ。ご飯もお代わりして、しっかりといただきました。食後は自販機で買った缶ビールを外のテーブルでいただきます。埼玉県のコロナ対策により、屋内ではアルコールを飲めないからです。思ったより寒かったので、部屋に戻ってダウンジャケットを着込んできました。その後、20時30分ごろ、就寝です。

翌朝、4時50分ごろ、起床。窓から外を眺めると、朝焼けの様子がほのかに分かります。太陽のある方角は木々の陰となってしまうため、朝日は拝めません。朝食をいただいたら、荷支度を済ませて、6時すぎにチェックアウト。

復路は往路と同じピストン山行です。なので、まずは再び雲取山の山頂を目指します。朝の山は特に気持ちがいいですね。この日は基本下り道なので、数少ない上り区間となります。ちなみに山荘のすぐ傍に、田部重治氏のレリーフがあります。

30分ほどで山頂に着きました。天気は曇りですが、昨夕に比べるとガスが出ておらず、西方に富士山のシルエットを望むことができました。日本百名山の看板と共に写真へ収めてみました。

ところで雲取山の山頂には、三角点が2つあります。ひとつは良く見る一等三角点なのですが、もうひとつは明治時代に内務省地理局によって設置された、原三角測點です。現存しているのは、雲取山のものを含めて3つだけというレアものです。

さて、下りとはいえ、道は長いので、先へ進みます。昨夕と比べてガスがないので、その分展望がきいて気持ちの良い景色が広がります。雲取山はかなり山深い場所にあるので、周りを見渡せば様々な山の稜線を楽しめます。

ブナ坂と七ツ石山の分岐点に着いたら、ブナ坂の方へ進みます。七ツ石山方面はアップダウンコースでしたが、こちらは緩やかにトラバースしながら下っていきます。ただし、片側が切れ落ちており、一部に結構痩せた場所があったりするので、それなりに神経を使いました。途中小さな滝も楽しめますが、水しぶき不可避です。

再び鴨沢方面への道が合流したら、後はひたすら林の中を下ります。全体的に急勾配はないので、膝への下山ダメージはあまり来ないのですが、距離が長いのでジワジワと積み上がっていきます。似たような景色が続くので、距離感が掴みにくく、体感よりも時間が掛かりました。写真は、往路であまり撮らなかった花などを撮りました。

鴨沢バス停に着いたのは、10時48分ごろ。バスの出発時刻が10時52分なので、かなりギリギリでした。

今回の山行データは、以下の通りです。

距離26.25km
山行時間9:58:22
移動時間7:34:16
経過時間24:29:05
高度上昇1,936m
高度下降1,958m

七ツ石山とブナ坂のあたりで、往路復路のルートが変わっていますが、それ以外の大部分はピストン山行となります。ちょうど県境の破線がいくつか見えていますが、最初は山梨県側から入っていき、雲取山山頂付近で東京都と埼玉県の境界になります。その後は東京と埼玉を行ったりきたりして、雲取山荘はかろうじて埼玉側になります。

往路は七ツ石山経由で若干アップダウンが増えています。復路はそれなりのペースで下り続けましたが、バスの時刻ギリギリでした。獲得標高だけ見たら、先日の槍ヶ岳山行を上回っていますが、登山道はかなり歩きやすいので、登山後の疲労感は雲取山の方が十分に軽いです。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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