富山と伊予ヶ岳縦走登山

2025年12月23日、年休を取得して千葉県の富山と伊予ヶ岳に登ってきました。元々北関東方面の山を考えていたのですが、平日の朝に都心を通りたくないと考え直して、房総半島の関東百名山を登ることにしました。

川崎から高速バスでアクアラインを渡り、木更津駅まで移動します。定刻だと乗り継ぎまで10分しかなく、バスが遅れそうな気がして危ないかな、と思いましたが、前の便だと40分間空いてしまい待ちすぎなので、7時10分発に乗りました。結果、20分の遅れで見事に乗り遅れです。

とりあえず9時手前に君津駅まで移動し、お腹が痛かったのでここでトイレに籠りました。9時30分ごろ、君津駅を出発して内房線で岩井駅まで向かいます。

10時20分すぎ、岩井駅に着きました。当初はここからバスに乗って伊予ヶ岳方面へ移動したかったのですが、前述の通り電車に乗り遅れたため、接続するバスがありません。バスを待つと山行開始まで1時間以上掛かるので、予定を変えて富山から登ることにしました。帰りの時刻がバスに縛られますが、出発前に待たされるよりは良いとの判断です。

駅を出たら自販機で水を購入して南へ進みます。駅のすぐ近くに伏姫公園があるので寄り道します。ベンチと芝生のある小さな広場で、伏姫と八房の像があります。

それから踏み切りを渡って線路の向こう側へ移動したら、道なりに進みます。正面にはこれから登る山塊が見えます。やがて富山表登山道の石碑が見えてきたら、路地に入ります。福満寺の前を通って登山道に入っていきます。

しばらくは舗装された急坂が続きます。段々と土や落葉が増えて舗装状態が分からなくなり、いつの間にか山道に入っていました。樹林帯が続きますが晴れていることもあり、それなりに明るいです。そして最初はフリースを着ていましたが、行動していると暑くなってきたので脱ぎました。

それから緩やかに山道を登っていきます。一合目、二合目と石碑が建っているので行程の目安になって助かります。樹林帯なので眺望はほとんど望めませんが、時折少し展望が得られる場所があります。幾つか見落として気づいたら七合目を過ぎていました。

平坦な道になったら山頂エリアです。富山は双耳峰なので山頂が2つあります。まずは手前にある南峰に登ります。急な石階段を登っていくと、観音堂がある山頂に着きました。周囲は木々に囲われて、草も生い茂っており、山名板もありません。一通り見学を終えたら下りました。

続いて北峰へ向かいます。途中伏姫籠穴へ続くルートへの分岐があります。こちらも興味があったのですが、表登山道からでは行けなかったのですね。途中里見八犬士終焉の地を通っていきます。ここからの展望も良いです。

平坦な道を歩いていくと、展望台のある広場が見えてきました。山頂標は広場手前の脇道に入った場所にあります。

さっそく展望台に登って東京湾や対岸の眺望を楽しみます。標高は300メートル台ですが、見下ろす先は海抜0メートルなので見事な展望です。対岸に神奈川や館山などの陸地が見える様子は、房総半島の山地ならではの光景です。富士山は残念ながらほとんど見えませんでした。かろうじて頭だけ見えますが、うっすら過ぎて写真に収めると埋もれてしまいます。

他に広場にあるモニュメントとして、天皇陛下御夫妻が皇太子時代に登山で来訪されたことを記念する石碑が建っています。

広場には多くのベンチとテーブルがあるので、ここで大休止とします。さっそく持参した赤飯のフリーズドライをいただきます。それからコーヒー豆を挽いてドリップコーヒーを淹れて山コーヒーを楽しみます。いやー、やってみたかったんですよね。ボトルで持参したお湯なので湯温は若干下がりますが、十分楽しめました。

続いて伊予ヶ岳を目指します。里見八犬士終焉の地がある東屋まで戻ったら、車道を下っていきます。車道があるということは、富山は車で山頂まで上ることも可能なのです。樹林帯が続いて鬱蒼とした雰囲気ですが、時折日が差している場所もあります。

山道を下り終えると、里に出合います。ここからしばらく山里歩きとなります。適度に勾配があり、長閑な雰囲気の中、野良猫たちや、紅葉、スイセンなど花木を楽しめました。

やがて伊予ヶ岳の六地蔵登山口に出合います。太陽光パネルのある広場を通って樹林帯の中へ入っていきます。房総のマッターホルンの異名を持つ伊予ヶ岳ですが、その名に違わぬ迫力ある岩峰が正面に見えます。徐々に雲が増えてきて青空バックは叶いませんでした。

伊予ヶ岳は富山と違い地面が粘土質で結構滑りやすいので、注意が必要です。粛々と登っていくと東屋が見えてきました。ここは展望が良くて、里の様子を見下ろすことができます。

ここから先が伊予ヶ岳の核心となる鎖場ゾーンです。滑落死亡事故を伝える警告板が建っています。実際、距離は短いもののがっつりとした鎖場です。基本3点支持で進みましたが、1箇所鎖に体重を預けざるを得なかった箇所があり、スタンスもそれほど自明で簡単ではなかったです。初心者向け鎖場として案内されていますが、鎖がなくても登れてしまうタイプのものではなく、ここの難易度感を取り違えると危ないなあ、と思いました。

山頂に着いたら岩峰の先端まで歩いてみます。正面の景色は逆光の時間帯となって白飛びしてしまい、残念です。伊予ヶ岳から登り始めるルートが定番なのは、ここも理由だったりするのかもしれません。ただ鎖があるとはいえ、三方を断崖絶壁に囲われた岩峰の先端は、なかなか高度感があって楽しかったです。真下にある紅葉を覗き込んだ時は少し怖さを覚えました。

そして伊予ヶ岳の山頂でもコーヒーを淹れていただきました。ちょうどお湯を使いきりです。誰も来ない山頂を独り占めして、景色を楽しみながらいただくコーヒーは最高でした。

伊予ヶ岳も双耳峰なので北峰を目指して進みます。南峰から歩いて約5分ほどで到着です。こちらに三角点があります。景色は南峰と大きく変わりませんが、南峰の岩峰を真横から眺めることができます。

山頂を堪能したら下山を開始します。粘土質で滑りやすい急坂が続いて結構きついです。しかしコブ付きのロープが整備されているので助かります。このロープがなかったら、ストックがあっても転んでいたと思います。

急坂を終えたら平坦な道をアップダウンしつつ先へ進みます。山の東斜面に当たるので、この時間は陰になってしまい、どんよりした雰囲気です。やがて桜広場が見えてきました。こちらは河津桜が植えられているようで、早春に訪れるときれいそうですね。

桜広場を過ぎてしばらく歩くと、往路で通った東屋が見えてきました。ここから往路と同じ道を下ります。日も差すようになって登山道が明るくなりました。途中、鳥たちがたくさんいる箇所があったので撮影を頑張ってみました。木陰で光が上手く当たらないのでなかなか色が上手く出せませんが、一応収めることが出来ました。

その後は分岐路を天神社方面へ進み、伊予ヶ岳登山口に下山しました。下山後は天神社に参拝します。それから平群の集落を歩いて、国保病院まで向かいます。30分ほどバスの待ち時間があったので、ベンチに座ってゲームをしつつ待ちました。ベンチがあるのはありがたいですが、建屋がないので日が暮れると寒かったです。

バスで岩井駅まで戻ったら、伏姫公園のイルミネーションを楽しみ、内房線で木更津駅まで向かいました。電車は意外と混んでいますね。木更津駅に着いたらコンビニで小腹を満たして、高速バスで川崎まで帰りました。

今回の山行データは以下の通りです。

日程2025/12/23
距離12.98km
歩行時間4:24:36
経過時間5:49:38
高度上昇822m
高度下降746m
平均心拍数102bpm

岩井駅からスタートして富山に登り、そこから人里を通り抜け、伊予ヶ岳を六地蔵登山口から登って、天神社に下山するルートです。昼すぎまで青空が広がる好天でしたが、それ以降は少し雲の量が増えてきてしまいました。ただ概ね晴れていたので気温は暖かく、冬場ですが標高が低いこともあって行動中は基本アウターなしで大丈夫です。最初着ていたフリースは脱ぎ、非行動中で寒さを覚えた時はソフトシェルを着ていました。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする