安達太良山登山

2023年09月09日、安達太良山を登山してきました。本当は7月に登った磐梯山と併せて登るつもりでしたが、登山口へ向かう路線バスの運行が平日限定なので、途中停留所から登山口まで1時間歩く必要があり、計画から見送りました。その後、路線バスが9月の期間中奥岳便夏山号として土日祝日運行されるという情報を得たので、西吾妻山と併せて登る計画を立てました。

山形新幹線で郡山駅まで行き、そこから東北本線に乗り換えて二本松駅で下車しました。駅前のバス停から路線バスに乗車し、岳温泉を経由して奥岳登山口へ向かいます。

奥岳登山口に到着したら、目の前に鮮やかなヒマワリが広がります。やけに明るい色だと思ったら造花でした。天気予報では昼から回復予定ですが、朝の時点では曇天です。食料の類を買いそびれていたので、売店にて福島牛パウダーのポテチを買いました。本当はパンなどが欲しかったのですが、惣菜類はありませんでした。

ロープウェイ乗り場で片道切符を買い、山頂方面に登っていきます。あわよくば上の方はガスを抜けて晴れててくれたら、と思いましたが、そんなことはなく、ガスは濃くなっていきます。

ロープウェイを降りると、辺りはうっすら白んで小雨が舞っていました。雨足はそこまで強くなく、天気も回復方向との予報を信じて、レインウェアは着込まずにザックカバーとアウターだけで山行開始です。しかしながら、少し歩いたところで雨足が若干強まってきたので、素直にレインウェアを装備しました。

両脇を低木に囲われた遊歩道を歩きます。傾斜は緩やかで歩きやすいです。花もまだ咲いており、特にリンドウが多く目立ちました。「この上の空がほんとの空です」の看板を過ぎると、少し広い場所に出ました。こちらが薬師岳山頂になります。

それから安達太良山山頂を目指して、再び遊歩道を歩きます。雨に濡れたゴマナやキオンなどの花を楽しみつつ、緩やかに登っていきます。空は真っ白なままなので、足元の花を愛でていきたいと思います。

途中から、これまで緩かった勾配が少しきつくなり始めます。その傾斜に沿って、夜のうちに大量に降った雨が登山道を流れてきて、小さな沢のようになっています。ところどころ水溜まりになっているので、足場を上手く探しながら登っていきます。

やがて道幅が広くなり、少し傾斜が緩やかになるとガレ場に出ます。峰ノ辻との分岐点です。ここから安達太良山を見上げることができるのでしょうが、この日は真っ白でかろうじてシルエットが見えるか否かといったところです。

山頂部へ向かって登ると、その先には岩が転がる大きなスペースが広がっています。同時に何も遮るものがないので、強風が吹いています。白いガスがものすごい勢いで目の前を流れていき、このまま全部ガスを流してくれたらと思いつつ、山名看板の前へ行き記念撮影をしました。

しかし本当の山頂はこの先にある岩山の上です。一方通行表示がありますが、ガスで視界が悪いこともあり、正しいルートで登れたのかは若干怪しいです。短いながら梯子もありますので、強風に注意しながら登っていくと、岩場の中に安達太良山山頂の看板がありました。標高1,700メートルの頂です。視界はなく寒いので、早々と下りました。

少しでも風を凌げそうな岩陰で、売店で買った福島牛パウダーのポテチを食べます。時折ガスが少しだけ薄くなるので、晴れてくれるかなあ、と期待しつつ待ちましたが、無理そうなので下山します。

帰りはロープウェイ駅には戻らず、峰ノ辻方向へ下ります。火山らしいザレ場を緩やかに下っていきます。右手が開けており、晴れていたら眺望が素敵そうです。下りが終わると小さな沢を渡って再び少し登ります。そこから歩いていくと、峰ノ辻に到着です。

茶色い土の上に岩が点在している光景は、まるで他の星のようにも見えます。そんな景色を堪能していると、正面にある篭山のシルエットが少しはっきりと見えてきました。さらにガスは晴れてきて、奥にある福島の街並みもよく見えてきました。もう少し山頂で粘れば良かったかなあ、と思いましたが、安達太良山の方を振り返ると、そちらはまだガスの中でした。

ここからくろがね小屋を目指して緩やかに下っていきます。ザレ場で若干滑りやすいので足元に注意しつつ進みます。空を見上げると次第に青空が増えてきて、日が差す時間帯も多くなってきました。くろがね小屋が近づくにつれて、温泉の硫黄臭も強くなってきます。

下り終えると、くろがね小屋に到着です。山中の秘湯として有名なくろがね小屋ですが、建物老朽化のため来年度まで営業休止となっています。

くろがね小屋以降は、非常に緩やかな道がしばらく続きます。ただし、商用電源引込工事で地面を掘り返しているので、登山道の泥濘がひどいことになっています。なるべく泥濘のないところを歩きますが、どこを踏んでも泥濘にハマるような場所も少なくなく、登山靴はすっかり泥まみれです。

途中、大回りだけど緩やかな馬車道と、短いけど急な旧道の分岐があります。せっかくなので旧道を選んでみましたが、雨上がりというコンディションのため足元が滑りやすくて慎重に進む必要があるため、何だかんだで時間が掛かります。途中足を滑らせて尻餅を突きましたが、ザックがクッションになってくれたおかげで、あまりダメージを負わずに済みました。

転んだことで旧道は避け、馬車道に戻りました、さすがにだいぶ歩きやすいです。泥濘のある区間もほとんどなくなっているので、快適です。最後は森林浴を楽しみながら下山口に着きました。

下山後はあだたら山奥岳の湯にて入浴します。泉質は単純酸性温泉で、pH2.5という日本では珍しい強酸性泉となります。山の景色を望める露天風呂が特に心地よく、バスの時間さえなければ時間を気にせず浸かっていたい気分でした。なお外湯より内湯の方が湯温が低く、お湯にずっと使っているなら内湯の方が良いです。普段の土日はもっと混み合うそうですが、この日は天候不良のためか、だいぶ空いていました。

温泉でさっぱりした後は、富士急レストハウスの食堂で昼食をいただきます。注文したのはポークカレーととろんたまです。とろんたまは、岳温泉名物の温泉玉子です。お腹を満たしたところでバス停に向かい、二本松へ向けて帰ります。

今回の山行データは、以下の通りです。

距離9.61km
歩行時間4:25:39
経過時間4:58:21
高度上昇390m
高度下降749m
平均心拍数111bpm

ゴンドラで一気に高度を稼ぎ、薬師岳を経由して安達太良山山頂まで歩いて、そこから峰ノ辻とくろがね小屋を経由して、奥岳登山口まで歩いて戻りました。そのため、下降量の方が350メートルほど多くなっています。中盤すぎまで雨やガスと天気に恵まれない山行でしたが、峰ノ辻あたりから晴れてきて、眺望もそれなりの楽しめたので良かったです。登山道は全般的に歩きやすいです。くろがね小屋へ下るルートは、火山性のザレ場なので多少滑りやすいですが、登山道の踏み跡を辿れば概ね問題ない感じでした。天気の影響もあり、わりと涼しい山行でしたが、日が出てきた後は少し暑かったです。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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