サンフェスのアイカツスターズ!上映回で薦められ、上映開始に鑑賞した方々も評判も良さそうなので、2021年12月15日にチネチッタで鑑賞してきました。
ストーリーは王道なので、安心して楽しめます。同期5人が最悪のデビューから親交を重ねて少しずつ成長していく姿が描かれています。各キャラクターを中心とした細かなエピソードが積み重ねられていくので、見ていて飽きません。5人ぞれぞれ成長をしていくのですが、特に蘭子さんとしおんさんは、外面も明らかに変わっていくので、その変化が楽しいです。
フラ・フラダンスの”フラフラ”は、最初は日羽さんがレッスンでフラフラになる際に口から出ますが、終盤で人生を形容する際にも現れます。5人がフラフラとしながらも着実に前へと進んでいく様子が全編を通して描かれているので、楽しい気分になれる映画です。
一方で東日本大震災後の福島を舞台にしているので、暗い影もあります。しかし映画の中では徹底してそれらに直接言及する演出はありませんでした。あくまで間接的に描いています。日羽さんの姉の月命日が2月11日であるとか、そういった描き方です。
フラダンスシーンは、アイカツ!のライブシーンと同様に3DCGで描かれています。実際にフラダンスのダンサーによるモーションキャプチャを行なっているそうです。終盤に行なわれるステージは選曲や衣装もあって、アイカツ!といっても違わないような状況になっていました。
青春の1ページを切り取ったような映画でしたが、特徴的なのが新社会人を描いているところです。学生の場合は卒業という明確な区切りがあるので話を締めやすいですが、新社会人の場合そうした明確な区切りがありません。最後どうやって締めるのかな、と思っていましたが、なるほどそう締めましたか、という感じでした。最初に起こった不思議なことを回収して、そのままエンディングへ向かいます。あれは日羽さんの中で何かを受け容れたのか、区切りをつけたのか、正直掴みきれませんでした。
というわけで、ラストは個人的に少し分からない感じがありましたが、映画全体は楽しい内容でした。興行成績が苦戦気味なのは、歯がゆいですね。なお特典はクリアファイルでした。次の週末から星宮いちごさんとのコラボ色紙も配布だったようです。