2024年11月24日、木曽駒ヶ岳を登ってきました。ロープウェイを使ってお手軽に登山できるのですが、登山口までのアクセスに時間が掛かること、その手軽さ故に人気が高くて混雑していることから、なかなか決行できずにいました。
そこで、何となく空いていそうな、秋山と冬山の間の時期を選んでみました。天候次第で山の様子が変わる難しい時期なので、雪山用アウターシェル、12本爪アイゼン、チェーンスパイクといった雪山装備で臨みます。さすがにピッケルは要らないかな、と思って持っていきません。結果としてはチェーンスパイクで足りるコンディションでした。
駒ヶ根駅前のグリーンホテルに前泊します。冬期はバスの本数が減って8時始発となりますので、朝は余裕があります。チケットはオンラインで購入済みです。バスは駒ヶ根発の時点では空いていますが、菅の台バスセンターに着くと満員になります。何だかんだで3連休ですね。その後は山道を登っていき、1時間ほどでしらび平に着きました。

ここからロープウェイに乗って千畳敷まで一気に上がります。降車したら登山届を提出して、いざ外へ繰り出します。草木や岩は露出していますが、一面雪が積もっています。

さっそく準備をします。いつでもアイゼンを履けるようにゲイターはアイゼン用のものを着けておきます。そして足元はまずはチェーンスパイクを履きます。アイゼンは重くて疲れますし、岩の露出が多そうなのでアイゼンだと歩きにくそうだからです。状況に応じて適切な装備を使っていきたいです。

千畳敷にある信州駒ヶ岳神社で参拝したら、山行開始です。しばらくは平坦な雪上トレッキングです。軽アイゼンなどがあれば、ロープウェイで上がってきた一般観光客も回れるようなコースになっています。天気も良いので、青空と千畳敷カールの絶景を楽しみながら歩きます。そして横を見遣れば、山々の稜線の向こうに富士山の頭が見えます。

平坦な道が終わると、上り坂が始まります。この辺りは所々岩や地面の露出している箇所が多く、アイゼンだと歩きにくそうです。急坂がしばらく続きますが、それほどの距離ではありません。徐々に上がる高度を楽しみながら登ります。稜線に出る手前にそこそこ急な雪斜面があり、今回唯一怖さを感じた箇所です。短いので手を付きながら越えました。

八丁坂を登りきると乗鞍浄土に到着です。稜線に出たら一気に風が強くなります。ここまで日差しもあったことからフリースで来ましたが、さすがに防風しないと耐えられないと思い、上だけアウターシェルを着ました。さすが雪山用だけあって一気に温かくなりました。

誤って別の方向へ行きかけましたが、軌道修正して宝剣山荘の方へ向かいます。宝剣山荘の入口部分は雪がかなり積もってますね。ただ周りを見るとそこまで積もった様子はなく、吹き付けなのですかね。眼前には青空が広がり、上層の方には巻層雲が見られます。

稜線に沿って緩やかに登っていきます。ロープウェイのおかげであまり実感が湧きませんが、既に3,000メートル近い標高で、周囲の山々を見下ろしながら進みます。気持ちの良い景色が広がりますが、木曽駒ヶ岳のある方面から雲が広がってきました。

中岳に着くと、正面に木曽駒ヶ岳の姿を見ることが出来ます。木曽駒ヶ岳の方は曇ってきてしまいましたね。ガスはないので展望は大丈夫ですが、ちょっぴり残念です。

中岳から下っていきます。やや急坂ですが、チェーンスパイクで事足りました。雪面が凍っている箇所もありましたので、コンディション次第ではアイゼンが必要になりそうです。そして、ここが一番風が強かったですね。向かい風が吹き付けてきました。

頂上山荘まで下って鞍部に下りたら、木曽駒ヶ岳に向けて最後のひと登りです。緩やかで標高差もあまりないので、あっという間に到着しました。

山頂には山頂標や三角点、信州駒ヶ岳神社の奥宮などがあり、そこそこスペースがあります。登山者はあまり登って来なかったので、ゆっくりと過ごすことが出来ました。山頂は風も穏やかでしたので、うっすらと雪化粧を纏った中央アルプスの山々の光景を楽しみます。

時間に余裕はあるので晴れるまで粘ろうかと考えましたが、雲が広範囲に広がっていて厳しそうだったので、諦めて下山を開始しました。

帰りは同じルートのピストンです。乗鞍浄土あたりで太陽が顔を出して明るくなる時間帯がありました。山頂でもう少し粘っていれば……!

八丁坂を下りたら、往路とは別ルートで千畳敷駅に向かいます。若干大回りになりますが、違うルートを歩いた方が楽しいので変えてみました。


登山中ではありませんが、しらび平から菅の台バスセンターまで下るバスの車窓から、二ホンカモシカとツキノワグマに出遭いました。サファリパーク状態です。二ホンカモシカはこれまで一度も遭ったことがないので、窓越しですが初めての遭遇となりました。
今回の山行データは以下の通りです。
| 日程 | 2025/11/24 |
| 距離 | 4.62km |
| 歩行時間 | 2:26:47 |
| 経過時間 | 2:42:36 |
| 高度上昇 | 488m |
| 平均心拍数 | 108bpm |
ロープウェイを使って、お手軽な3,000メートル峰体験です。標高差は500メートル程度であり、山行時間も2時間半ほどで、技術的に難しい箇所もないことから、シーズン中の大混雑も納得です。たださすがの3,000メートル峰ということで空気は薄いです。八丁坂の急坂で息が上がった際に感じられると思います。ちなみに高度グラフは標高が上手く取れてないですね。帰宅後マイナス2,500メートルとかになっていました。
当日の天気は、朝方は青空が覗いていたものの、徐々に雲が広がってしまいました。日が出ている時はやや暑いくらいで、フリースのみで問題ありません。ただ乗鞍浄土や中岳から木曽駒ヶ岳への下りなど風が強い区間では、防風できるアウターシェルやグローブがないとかなり寒いです。
雪山シーズンは5時間以上のコースタイムとなるようなので、多少山行時間を気にしていましたが、うっすら積もっている程度の時期なら、夏山シーズンと変わらないようです。始発バスは満員でしたが、千畳敷周辺だけを回る一般観光客も多いので、登山道自体はわりと空いていた印象です。
記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

