両神山登山

2022年05月29日、日本百名山である両神山を登ってきました。奥秩父山塊の北側にあり、自宅のある川崎からのアクセスは、なかなか大変です。一応始発に乗れば、ぎりぎり日帰り登山できるのですが、電車だけで3時間30分掛かり、さらにバスで1時間ほど掛かります。バスの本数も多くないので、どこかで遅延が起きたら、リカバリが効かず、即アクセス不可能となってしまいます。さすがにリスクを許容しきれないので、近場で前泊することにしました。距離と宿の数を考えれば西武秩父駅周辺が良いのですが、ヤマノススメ聖地巡礼を併せることにしたため、飯能で前泊しました。

6時4分に飯能駅を出発し、西武秩父線で西武秩父駅に向かいます。自宅からだと、始発でもこの電車には乗れません。西武秩父駅に着いたら、歩いて秩父鉄道の御花畑駅に移動します。秩父鉄道に20分ほど揺られて、終点の三峰口駅に到着です。電車はいずれも空いていました。

三峰口駅からは、小鹿野町営バスに乗って、日向大谷登山口を目指します。直通の便もありますが、今回乗った便は、薬師の湯バスターミナルで乗り換えが必要になります。西武秩父方面のバスとは、ここで乗り継ぎが出来ます。こちらの温泉、登山後に寄りたいのですが、バスの本数が多くないので、断念。

1時間ほどで日向大谷登山口に着きました。舗装路を歩いていき、両神山荘の近くまでやって来ます。公衆トイレがあったので、100円払って済ませておきます。山行中は他にトイレに行くことはありませんでした。両神山荘脇の道を通って進んでいくと、登山口に出ます。登山届を記入する台があるので、投函しました。ちなみに今回の山行は、先日新しく購入した登山用靴下のデビュー日です。一方で、暑い日なのにペットボトルホルダーを忘れてしまいました。

ではさっそく登山開始です。しばらくは平坦な道が続いて、森林トレッキング感覚です。少し尾根が細いところがありますが、概ね安全です。たまに岩混じりの上りがありますが、全体としては下り基調になります。信仰の山らしく、石碑や鳥居があります。30分ほど歩くと、会所に着きました。

会所のあたりで、表参道と七滝沢道に分かれていますが、七滝沢道は現在通行止めなので、表参道一択となります。ここから本格的な上りとなり、登山本番といった感じです。薄川に沿って徐々に標高を上げていきます。途中何回か沢を渡ります。この日は結構暑かったのですが、沢沿いのおかげで、標高が低い箇所でもわりと涼しいです。前述の通り信仰の山なので、不動明王の石像などがあったりします。新緑も気持ちいいですね。

急登ではないものの、長い間上りが続くので、地味に疲れてきます。時々ザレ場もあるので、足元にも注意が必要です。会所から40分ほど歩いて、八海山に着きました。”山”とはつくものの、特にピークではなく、そのまま上りが続きます。

八海山から20分ほど歩いて、弘法之井戸に着きました。水場になっており、給水可能です。途中盛大になぎ倒された木々があり、令和元年の台風の影響だと登山者の方から聞きました。そこから10分ほど歩くと清滝小屋に到着します。小屋の手前には、ヒメレンゲが咲いていました。表参道では前半が早かった分、後半でペースがやや落ちています。

清滝小屋では小休止。こちらは避難小屋ですが、元山小屋ということもあり、なかなか立派な施設になっています。ただ虻が多くて、少し落ち着かないですね。一応虫避けシートで顔や首を拭いていますが、開封してからそこそこ時間が経っていることもあってか、効果のほどは定かではありません。今のが切れたら、ディート成分強めのスプレータイプを買ってみようかな、と考えています。

休憩を終えたら、登山再開です。鈴ヶ坂をトラバースしながら上へ進みます。木々の密度が高くないので、林の中の見通しが良いです。そして新緑の季節なので、明るい緑の葉っぱが鮮やかです。

この区間を終えると産泰尾根に入り、やがて岩混じりの登山道になってきます。途中何箇所か鎖場も出てきますが、岩登り自体は三点支持で登れば大して難しくはありません。少し難しそうな岩場には、親切にも鉄製の階段が設置されています。ここは急登区間ですが、さほど距離は長くありません。横岩に着いたら、樹林帯の中をゆったり登っていき、10分ほどで両神神社に到着しました。

両神神社で注目すべきは、狛犬です。一般的な神社で見かける獅子に似た狛犬ではなく、二ホンオオカミがモデルになっています。正面顔が可愛かったりします。登山の無事を祈願して参拝しました。少し離れたところにもう1つお社がありますが、それぞれの由来などは調べていません。

小休止した後、山頂を目指して進みます。両神神社以降は、アップダウンはあるものの、基本的に緩やかな道となります。木々越しですが、少しずつ展望も開けています。アカヤシオのピークは過ぎてしまいましたが、僅かに花を残している木があるので楽しめました。

20分ほど歩いて山頂に到着しました。山頂部分は岩場になっており、平らな場所は少ないです。とりあえず山頂看板のある場所へ移動して、写真を撮影しました。近くの岩場の上に三角点があります。さらに周辺には、御嶽座生大権現のお社があります。何枚か山頂からの写真を撮影したら、来た道を戻り、岩場の隙間で大休止を取ります。

絶景を見ながら昼食パンを頬張ります。多少虻などは気になりますが、樹林帯ほどではないです。食事を終えたら岩場の空いたスペースに移動して、再び写真撮影。日本観光地百選入選記念の石碑もあります。地平線に目を遣れば、冠雪した南アルプスや山々の稜線の奥で圧倒的な存在感を放つ富士山などを望むことができます。快晴の下、この絶景を見ることができて、良かったです。

帰りは同じ道を下山するピストン行程です。八丁峠コースを通る気合はないです。バスの時間に向けて、思いの外時間がなかったので、多少ペースを上げて下山します。

清滝小屋で小休止したら、表参道コースを下っていきます。少しペースを上げて進んできたせいか、次第に足が重くなってきました。下り用の筋力がだいぶ売り切れ状態です。むしろ軽い上り坂の方が足が楽という状況になりました。

そしてそのせいか分かりませんが、沢渡りの際に足を踏み外して、沢の中に思いきり突っ込んでしまいました。ハイカットの高さよりも深く踏み込んでしまったので、いかに防水仕様といえども水浸しです。とはいえ、速乾性靴下とゴアテックス加工登山靴の効果で、蒸れは早々に解消されました。ただし、帰宅後に確認したら、濡れた方の靴が少し臭くなっています。脱臭せねば……

あとは、下り途中の斜面で足を滑らせて、横に倒れる事案が1件発生しました。ちょうど道が折れている箇所でしたので、滑る距離が長ければ谷に掛かってしまうリスクがあり、ヒヤリ案件です。

結構汗をかいてきたので、沢の水で顔を洗ったりしつつ、会所まで下山しました。この時点でバスの時間まで残り35分程度。うーん、余裕がないので休憩もそこそこに歩き始めます。基本緩やかな上り坂なので、前の人を抜いた後に、ペースアップしました。

結果、15時10分発のバスに、乗車できました。車内はなかなかの乗車率です。往路はだいぶ空いていたのに皆さんどこから来たのでしょう。往路で1本後のバスで来た人だとこの時間に下山するのは難しいでしょうし、一方で1本前のバスはありません。別の場所から縦走した方々ですかねえ。帰りは往路と同じく三峰口駅経由にしました。

三峰口駅からは、飯能駅まで直通の電車に乗りました。始発なので座れます。さらに飯能駅からの西武池袋線急行への乗り継ぎでも、予想外に座ることができました。池袋駅に到着後は山手線外回りで田端駅まで行き、京浜東北線に乗り換えます。山手線はさすがに無理でしたが、京浜東北線では座ることができました。登山で結構疲れていたので、大半を立たずに済んで良かったです。

今回の山行データは、以下の通りです。

距離13.09km
山行時間5:32:47
経過時間6:11:29
高度上昇1316m

ピストンなので地図で見てもあまり面白味はありません。登山道自体はジグザグとしますが、全体を見ると山頂までわりと一直線でしたね。

わりと一定のペースで登れていたようです。下りは清滝小屋での休憩が思った以上に目立ちます。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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