北岳登山

2022年08月15日から16日にかけて、北岳登山してきました。初めての南アルプスです。甲府を早朝発なので、08月14日に甲府で前泊しました。初日、甲府駅前から4時35分発の広河原行きのバスに乗車します。2台編成で席は若干空席がありました。6時20分ごろ、広河原に着きました。準備をして、広河原インフォメーションセンターで登山届を提出しました。内容はチェックされます。

7時ごろ、広河原橋で野呂川を渡り、登山開始です。しばらくは緩やかな樹林帯を登っていきます。この時点では時折薄い日差しもありました。白根御池分岐の少し手前から、勾配が急になります。道は狭くはないけど広くもないので、少しだけペースの遅い人が前にいると、なかなか追い越しづらいです。樹林帯ですが、ときどき片側の視界が開けて、鳳凰三山などを望むことができます。

8時40分ごろ、白根御池小屋に着きました。名前の通り、白根御池という池があります。この池の周りがテント場になっているようで、10張弱のテントが見られました。空はすっかり曇天であり、山の上の方はすっかり雲に覆われています。予報どおり、眺望は期待できなさそうです。白根御池では少し休憩して、おにぎり1個を食べます。さすがに4時台に朝食を食べたきりなので、お腹が空きました。

さて、お腹を満たしたら、草すべりを登ります。ザレ場のつづら折りの急坂ですが、登山道の脇はお花畑となっており、白根御池方面に向かって展望も開けているので、楽しみながら登れます。ハンゴンソウ、ハクサンフウロ、トリカブト、センジュガンピ、タカネナデシコなどの草花を愛でます。ただ、上に登るにつれ、ガスが濃くなっていきます。

つづら折りの区間が終わると、少し木々が増えてきます。コウメバチソウやイブキトラノオを楽しみつつ、二俣との分岐を通過します。

10時45分ごろ、周りが開けた場所に出ます。周囲にはハイマツ帯が広がり、いよいよ高山ぽくなってきました。ここで少しだけ休憩。ガスがなければ眺望を楽しめるんだろうなあ。さらに進んで小太郎山分岐点を越えると、稜線付近に出ます。

ここから一気に風が強くなります。風は山肌を伝って谷側から吹き上げてくるので、谷側へ滑落する怖さはありませんが、それでも歩きにくさを感じるほどの強風です。ガスで眺望はまったくありませんが、足元を見れば岩場にヒメコゴメグサ、シラネヒゴタイ、トウヤクリンドウなどの花々が咲き誇る様子を楽しめます。

やがて平たい場所に出て、もうすぐ肩の小屋らしい看板を見つけました。ただしガスで視界不良のため、どれが正しいルートなのか少し不安になりました。

11時50分、ついに北岳の肩に着きました。5時間弱での到着です。富士山を望めるはずですが、真っ白で10メートル先までしか見えません。さっそく肩の小屋のチェックイン手続きを済ませます。寝床は頭の付近だけアクリル板で仕切られているスタイルです。道中で雨は降っていませんでしたが、ガスがすごいせいか、ザックが湿っていました。

時間的には、今日北岳山頂へアタックしても良いのですが、ガスが晴れそうにないので、一分の望みを賭けて明日アタックすることにします。天気予報は明日の方が悪いですが……。イワヒバリを見つけて撮影を楽しんだ後は、食堂でカレーライスを食べてお腹を満たします。座るときに天井の梁に思いきり頭をぶつけてしまいました。

さて、既に夕ご飯まで暇モードになってしまいました。高山病を避けるために、あまりすぐに横になりたくないのでウロウロしますが、如何せん展望が悪く強風なので、あまりお散歩意欲も湧かず。外で意味もなくぼーっとしていました。途中で寝床に戻ってゴロゴロ。

17時手前、夕食の時間です。名物の肩ロースステーキをいただきました。ごはんと味噌汁を軽くお代わりしました。それから就寝前、別館のトイレへ行くために外へ出たら、あまりの寒さに震えました。昼間長いこと動かず外にいたのが良くなかったかなあ。20時ごろには就寝しました。そして山小屋泊あるあるで、熟睡は出来ていませんが、横になって身体を休めておきます。

2日目、4時30分ごろ起床。5時すぎに朝食をいただきます。まだ胃が目覚めきっていないようで、なかなか食べ物が入りませんでした。

6時15分ごろ、肩の小屋を出発します。予報通り一面真っ白で風も強いですね。この時点で雨は降っていませんが、いつ降り始めるか分かりませんし、防寒の意味もこめて、レインウェアを着ます。他の人たちもレインウェア装備でした。

昨日と同様に展望はありませんが、シラネヒゴタイやトウヤクリンドウなど、足元に咲く草花を楽しみます。15分ほど岩交じりの登山道を登っていくと、岩稜地帯の稜線に出ます。

稜線に出ると、とにかく風が強烈です。加えて小雨が舞ってきました。岩場の上を渡っていく場面も多くなるので、風でバランスを崩して転倒すると、致命傷になりかねません。岩も湿っていてあまりコンディションは良くないですし、ここはヘルメットを持ってくるべきでしたね。勾配は緩いですが、もうすぐ山頂だと思っているだけに、なかなか山頂に着かないなあ、という感じでした。そんな岩稜地帯にも、ミネウスユキソウやイブキジャコウソウなどの草花が咲いており、登山を励ましてくれます。

7時すぎ、北岳山頂に着きました。日本第2位の高峰です。山頂はそこそこの広さがあります。稜線は風が強いですが、不思議と山頂部分は風が弱くなっています。辺り一面ガスなので間ノ岳は見えません。当初は間ノ岳も含めた縦走を考えていましたが、北岳山荘を拠点にしないと一泊二日は厳しいので、諦めました。北岳山荘は、今年度は建替え工事のため営業休止です。ただ結果的に、この天候なら縦走はしなくて良かったかな、と思います。

山頂にも色々花が咲いており、チシマギキョウやタカネヤハズハハコなどを愛でます。花を撮影しながら、一瞬でも晴れてくれないかなあ、と思って50分ほど滞在しましたが、状況は変わりません。というわけで下山を始めます。岩稜地帯、一箇所往路とは違うルートを通ったら、途中でペンキを見失って道迷いしました。幸い、他の登山者が歩いてきてくれたおかげで、正しいルートに戻れました。明瞭な登山道がなくなる岩稜地帯且つ、ガスで視界が利かない状態なので、要注意ですね。

岩稜地帯を抜けたら、急勾配の登山道を滑らないように下りていきます。ここまで霧雨や小雨程度でしたが、ついに本降りに当たってしまいました。レインウェア装備で正解でした。8時30分ごろ、肩の小屋に着きました。そのまま下山を続けます。稜線傍を抜けると風が弱くなります。次第にガスも薄くなってきました。

9時45分、二俣との分岐を越えたあたりに、ちょっとした広場があるので、そちらでお弁当をいただきます。朝食から5時間弱経っているので、お腹が空きました。魚は甘露煮で、肉のほうも甘めの味付けでした。

草すべりを下りていき、11時すぎ、白根御池に着きました。下りは下りで疲れますが、それでも上りよりは速いですね。白根御池小屋でコカコーラを買って一服します。山行時のコーラは清涼剤です。

休憩を終えたら、下山を再開します。14時のバスに乗りたいので、その時間を意識しつつ下ります。そこまで急ぐ必要はないので、ほどほどのペースで下っていましたが、一度足を滑らせて尻餅をつきました。うーん、最近下山時に一度は転んでしまうことが多いです。

白根御池分岐を過ぎたら、勾配は緩くなります。時間的にもバスに間に合いそうでひと安心。野呂川に出たら、広河原橋を渡っていざバス停へ。切符はインフォメーションセンターであらかじめ買っておきました。バスは座れましたが、芦安駐車場まで結構混んでいました。自分はそのまま甲府駅まで向かいます。これで今回の山行は終了です。

今回の山行データは、以下の通りです。

距離15.64km
山行時間10:17:56
経過時間30:45:16
高度上昇1,703m

大樺沢は通行止めのため、往復とも同じルートのピストンでした。ルートは他にもあり、バリエーションを持たせることは可能でしたが、初めての南アルプスで距離もそれなりに長かったので、安全側に倒して往復とも同じルートにしました。お花畑に励まされたためか、急登である草すべりの箇所も、あまりきつさは感じませんでした。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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