2026年07月16日、急遽休みを取って前掛山に登ってきました。本当は好天予報である前日が良かったのですが、笠ヶ岳登山の筋肉痛が若干残っていたり、仕事の都合等で見送りました。一方でこの時点では週末の天気予報が悪かったので、間をとって木曜日に決行しました。

東京駅から新幹線あさまに乗って佐久平駅まで移動します。駅に到着後はお腹の調子が悪かったので、浅間口にある公衆トイレに篭りました。バスの乗り継ぎ時間に余裕があって良かったです。それからJRバス関東の高峰高原線に1時間ほど乗って、車坂峠まで移動します。佐久平駅周辺は青空が見えて日差しもありましたが、山に近づくにつれて雲が増えてガスってきました。

高峰高原ホテル前バス停で下りた時には、すっかり真っ白です。昼くらいまでは持ち堪えるかと思っていましたが残念です。と言っても始まらないので、ビジターセンターでトイレを借りて、登山届を提出します。そして黒斑登山口に移動し、山行の準備をします。火口からまだだいぶ距離はありますが、最初からヘルメットを装着しておきます。

トーミの頭へ向かうコースは、表コースと中コースの2つのコースがあります。帰りのバスの時刻を考慮すると時間の余裕はあまりないので、中コースを使って一気に登ります。最初は平坦ですが程なくして階段が現れ、ザレ場区間が登場して急登が続きます。それらが終わると勾配は緩みますが、岩が多く出てきて少し歩きにくいです。迂回路が設けられているので適宜活用すると良いでしょう。

勾配がさらに緩やかになると、やがて第一外輪山の稜線に出ます。ここが表コースとの合流点になります。ガスで真っ白で浅間山の山容はさっぱり見えません。ザレた道を登っていくと正面に岩山が見えてきます。

これがトーミの頭です。正面から岩を登っても良いですが、裏へ回り込んで登った方が簡単です。ここから前掛山へ向かうべく、草すべりコースへ入りますが、ちゃんと調べていなかったので、トーミの頭から分岐しているものだと思い込んでいました。斜面を見ると九十九折のザレた道があるのでここかと思い進みますが、足場がとても滑りやすくて行く先も崖にしか見えません。草すべりという名前から滑るものかと思いましたが、さすがにバリルート級だと思って地図を見直しました。

正しい草すべりコースへの分岐は黒斑山方面へ少し進んだ場所にあります。案内板も出ているので見落とさないでしょう。開けた草原を九十九折に下っていきます。道は細くて足元が少し滑ったり、岩場を下りたりする場所もあります。道中はガスで真っ白でしたが、途中で少し晴れてきてカルデラの様子を見られるようになりました。足元には、イブキジャコウソウやオトギリソウ、カラマツソウなどの高山植物を楽しめます。

カルデラへ降りるにつれて勾配は緩やかになってきます。展望も開けていて晴れていたら気持ちのいい散歩コースのようです。途中左右に開けた場所では、硫黄の臭いを強く感じました。火口近辺よりもこちらでの臭いの方が強かったです。しばらく進むとやがて湯の平分岐に出合います。浅間山荘からのコースとの合流点です。

ここからしばらくほぼ平坦な道を進みます。途中に火口から2kmの看板があり、浅間山の中心へ近づいていることを感じられます。2つの大きなケルンがある広場を越えてしばらく歩くと、賽の河原分岐に出合います。外輪山コースであるJバンドとの合流点であり、前掛山登山口でもあります。

この先は緩やかに上りが始まります。始めは樹林帯ですが、徐々に低木となっていきます。足元も砂礫が目立つようになり、火山らしい風景になっていきます。

そして正面を見遣るとガスがすっかり晴れて青空が広がっています。浅間山の山容もばっちり見えて、粉砂糖のかかっていないガトーショコラを楽しみました。

左を見ると第一外輪山とカルデラが広がる光景を望めます。いやー、ガスが晴れてくれて良かったです。以前黒斑山に登った時はあちらからこちらを眺めていましたが、今回は逆の視点です。

やがて低木の姿も見えなくなり、ほとんど植物がなくなります。徐々に勾配も増していき、足元の悪さも手伝って登りにくくなってきます。さらにカルデラ側からガスも上がってきて、すっかり真っ白になってしまいました。

登り続けていくと、正面に柵が見えてきます。ここで前掛山に向かうべく右手に進路を取ります。ガスで真っ白な中、たくさんの岩が転がる道を進みます。道の先には噴石から身を守るためのシェルターが2基あります。

ここからもうひと登りして前掛山を目指します。山頂は真っ白だと覚悟を決めていたのですが、行く先を見ていると徐々にガスが晴れてきました。中央の火口の様子も見えます。この機を逃がさずに山頂まで行きたいと思い、気持ち急ぎ足で進みます。

そしてついに前掛山山頂へ着きました。前掛山は浅間山の第二外輪山に当たりますが、第一外輪山と比べてかなり中心に近いです。ガスはすっかり晴れて浅間山の荒涼とした景色を堪能できます。雲は残っているため青空バックにはなりませんが、真っ白かと思っていたので十分に満足です。火口にズームで寄ってみると、縁の様子を見ることができます。観測用の機材なのか、ソーラーパネルらしきものが見られました。

第一外輪山の方面はガスが少し残っていますが、概観が掴める程度には見えています。山頂標は両面に山名が記されているので、火口バックと第一外輪山バックの両方を写真に収めました。

帰りのバスの時刻が気になるので、13時すぎに下山開始です。前掛山はガスが晴れていましたが、シェルター付近に戻ると再びガスの中です。下りは足場もザレており特に最初は傾斜も強いので、足を滑らせないよう小刻みにターンをしながら下りていきます。ある程度下ると傾斜も緩くなってくるので、テンポよく進めます。

低木が生えるところまで戻ってくると、ぽつぽつ降っていた雨が本降りになってきました。何となく直に止みそうな感じでしたが、以前の皇海山で止むまで粘ろうとしたらビショビショになった経験から、今回は早めにレインウェアを着ます。ところがザックからレインウェアを出して着たところで、雨足が一気に弱くなりました。というわけでレインウェアは再びザックに収納します。ただザックカバーはそのまま着けておきます。

賽の河原、湯の平を進んでいき、草すべりコースまでやって来ました。ここの登り返しが堪えましたね。それほど長い距離ではありませんが、かと言って短くもなく、上部へ行くほど勾配も増してくるので、きつかったです。

草すべりコースを登りきったら、トーミの頭を通って表コースに入ります。ところが槍が鞘に向けて上り道に入った時に、もう登りたくないと思って、中コースに引き返しました。中コースは登り返しはなく下り一辺倒だからです。変に疲れてバスに遅れるリスクを回避したい意図もあります。というか本来表コースで登って中コースで下りるのが定番なのですよね。

中コースを快適に下っていきます。そしてザレ場の開けたところへ出る際に、森の奥のほうから獣が立ち去っていくような物音が聞こえました。音のした方向を見ましたが、姿は捉えられていません。カモシカの可能性もありますが、熊の可能性もあるので、あまり留まらずに早々にその場を立ち去りました。

16時ごろ、下山完了しました。ストック等を片付けたら、ビジターセンターにあるカフェにて、かもしかソフトをいただきます。できたら温泉も行きたいと考えていましたが、間に合いませんでした。
16時25分、JRバス関東に乗って佐久平駅に移動します。ちょうど良い新幹線が17時32分発で、バスの到着予定時刻が17時20分なので、ちょっとヒリヒリしますが17時32分発の指定席を買いました。席の空き状況から、1本後の便ではなくこの便が良いのです。はくたか号は混んでいて中央席が僅かに残っているだけなので避けました。結果として、ギリギリ新幹線に間に合って、乗車することができました。
今回の山行データは以下の通りです。
| 日程 | 2026/07/16 |
| 距離 | 13.45km |
| 歩行時間 | 5:46:44 |
| 経過時間 | 5:55:02 |
| 高度上昇 | 1,112m |
| 平均心拍数 | 154bpm |
車坂峠から入り、トーミの頭を経由して草すべりコースを下り、湯の平と賽の河原を経由して、前掛山をピストンするルートです。公共交通機関利用時の最短ルートかと思います。車坂峠から入る場合は、第一外輪山との縦走コースを併せるのがメインみたいですが、バスの時間を考慮すると間に合わないので、最短ルートのピストンにしています。
最初は、浅間山荘のある浅間登山口から登ることを考えていました。浅間登山口バス停が登山口至近だと勘違いしていたためです。実際にはバス停から登山口まで70分ほど林道を歩かなくてはなりません。その誤りに前日に気づいて、慌てて車坂峠からの入山に切り替えました。コースタイムが伸びて、一方で使える時間は減るので、巻き気味に進む必要が出てきました。平均心拍数は154bpmであり、全体的にペースアップして進んだためか、高山病に罹ったようで、下山時は疲労感を覚え頭痛がしました。
高度グラフは見事に「山」の形になっています。スタート地点の標高が高い車坂峠ですが、第一外輪山を登った後カルデラに下りる必要があるので、獲得標高は減らせません。
ところで浅間山の最高峰は釜山ですが、こちらは自分が生まれる以前の1972年から入山規制が継続しているので、前掛山登頂を以て浅間山登頂とします。百名山の登頂は結局のところ自己満足の世界なので、登頂の基準は自己で決めれば良いと思います。
記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

