悪沢岳登山

2026年08月11日から12日にかけて悪沢岳に登ってきました。予定では赤石岳まで縦走でしたが、台風15号の接近に伴い悪沢岳のピストンに変更しました。

今回は椹島ロッジに前泊です。翌朝、6時すぎに出発します。舗装路とは別に山道を登るルートが井川山神社方面にあるので、そちらから登ります。舗装路を歩くよりショートカットできます。この山道を5分ほどで登りきると舗装路に出ます。ちょうど赤石岳方面と千枚岳方面の分岐点です。今回は反時計回りルートなので、千枚岳方面へ歩きます。

滝見橋の傍には笊ヶ岳の登山口があります。それらを見送って先へ進むと、千枚大吊橋が現れました。こちらの吊橋を渡って登山口に向かいます。わりと揺れますし、左右の床から真下の川が見えるので、なかなか怖いです。

山道に入ったらしばらくジグザグに登っていきます。登りが落ち着いてくると平坦な道になります。やがて鉄塔に出合いますので、その下を通過します。この先で道迷いしました。何か怪しいなと思いつつ道らしいところを登っていきましたが、途中で誤りに気づいて下りました。下方に残置物が見えたのでそこまで下ったら、無事復帰できました。迷い込んだ場所とは別の場所に復帰したので、どのように迷い込んだかは不明です。

歩き進めると次の鉄塔が見えてきますが、こちらは近くまで行かずに脇を通過します。その後3つ目の鉄塔が現れます。こちらパッと見ルートが分かりにくいですが、対角線上に繋がっています。

ここまで登り続きでしたが、下り道が始まります。短い距離を下りきるとやがて岩場になります。この岩場を登ると、岩頭見晴しに出合います。樹林帯続きの中で、貴重な展望が得られます。上り下りは大した距離ではありませんが、岩場で全身を使うのでここまでとは少し違う筋肉を使いました。

その後一旦林道に出て再び山道に入ります。樹林帯ですが、ここの区間は比較的明るい森で、木漏れ日が地面に落ちていました。40分弱登ると再び林道に出合います。随分と上の方まで林道が通っているんだな、と思いました。

続いて次の道迷いです。トレースにつられてぬかるんだ斜面の道を真っ直ぐ進んでしまいました。行き止まりで気づいて無事復帰です。正しいルートは真っ直ぐではなく右後方へのヘアピンカーブでした。先ほどの道迷いと言い、踏み跡に惑わされていますね。先の林道から1時間半ほどで蕨段に着きました。

蕨段から10分ほど歩くと、見晴台の看板があります。登山道の脇に上り道がありますので、そちらを進みます。特に立ち寄らずに進んでも良いですが、せっかくなので登ってみます。すると赤石岳方面の展望を得られます。青空が見える晴天ですが、山の高いところはガスっていますね。

千枚岳の登山口から千枚小屋手前まで、7分割で行程を案内してくれる看板があるのですが、ついに7分の6まで来ました。看板に励まされつつ登っていくと、見晴台から1時間ほどで駒鳥池に着きました。

駒鳥池は登山道から木々越しに望めます。池の傍まで近づける道もありましたが、体力を使いたくなかったので、遠くからの観賞に留めました。

景色を楽しんだ後は山行再開です。木馬道起点の跡を過ぎると、登山道脇にマルブタキやトリカブトなど花が目立ち始めます。植生を保護するようなネット柵も現れてきました。足元を見ると「千枚小屋まであと15分」の看板がありました。

7分の7の看板を過ぎたら、まもなく千枚小屋です。小屋の周りにはたくさんの高山植物が花を咲かせていてきれいです。ついつい写真を撮ってしまいました。

小屋のチェックインは12時からなので少し待ちます。雲がだいぶ掛かっていますが、富士山の姿も望めました。そして気になる台風予報ですが、この時点で明日の予報の好転も見られなかったので、予定を切り上げて1日短縮して翌日下山することにしました。東海フォレストの予約センターに連絡して赤石小屋の宿泊をキャンセルし、送迎バスの予約を変更しました。

その後チェックインを済ませたら、惣菜パンを食べて、悪沢岳に向けて山行再開です。できれば12時すぎに出たかったのですが、30分以上遅れてしまったので、あまり余裕はない行程です。最初から30分ほどは樹林帯の中を登っていきます。

やがて樹林帯を抜けて稜線に出ます。少し風が強くなりますね。天気は方向によってガスっていたり、青空が見えていたりです。日差しがあると結構暑いですね。ザレ場を登っていきますが、登山道に沿っていれば足元も滑りにくく、登りやすいです。足元に高山植物などを楽しみつつ登っていくと、20分ほどで千枚岳の山頂に着きました。

山頂標や三角点を写真に収めたら、塩見岳のある北を望んでみたりしました。そして西を望むと、丸山や悪沢岳が見えます。悪沢岳はガスを被っていることが多いですが、時折晴れてその山容を見せてくれました。登山者の数は少なめです。この時間帯、自分みたいに千枚小屋から悪沢岳をピストンしている人はほとんどいないでしょう。時計回りルートの縦走者か、これから荒川小屋へ向かう縦走者のいずれかでした。

休憩を終えたら先へ進みます。途中で、千枚岳山頂にFenix 5Xを置き忘れたことに気づいて、慌てて戻りました。比較的手前で気づけて良かった~。ただ無駄な体力を使ってしまいましたね。日焼け止めを塗り直した際に腕から外して、そのまま置きっぱなしでした。登山道は技術的に難しい箇所はありませんが、そこそこ痩せた箇所の通過や、長い梯子を下る部分もあります。

鞍部まで下ったら再び登ります。丸山の文字通り丸い山容が目の前に迫ってきました。坂も比較的緩やかですが、標高が高いので息が早く上がってしまい、なかなか思うペースで登れません。途中小休止してプロテインバーを補給しました。それからもうひと踏ん張りして登りきると、丸山山頂に到着です。

丸山山頂の少し手前から風が強くなり、日が陰ってきたこともあって、寒さを強く感じるようになりました。そこでウインドブレーカーを着用しました。これでほぼ寒さを感じなくなりました。やはり風による冷えには、ウインドブレーカーが効きますね。

丸山から少し進むと、岩登りが始まり、やがて岩稜帯となります。自分は千枚岳を過ぎたところで既にヘルメットを装着していましたが、この先は確実に着けておいた方がいいですね。岩の上を点々と歩いていき、段々と悪沢岳の頂へ近づいていきます。ガスはどんどん濃くなっていき、晴れる気配はほぼゼロになったので観念しました。

15時15分、ついに悪沢岳に登頂しました。百名山としては悪沢岳の方が通りが良いですが、地図に記載されているのは荒川東岳です。そんな標高3,141メートルからの眺めは、一面真っ白です。時間の余裕もなく景色も望めないので、早々と下山します。

丸山手前では小雨が舞ってきて、天気持たなかったか~、と思っていましたが、丸山まで戻ってくるとガスも晴れてきました。それでも往路よりは曇天気味で、日が差す時間帯は少なかったです。千枚岳に16時30分ごろ到着し、千枚小屋には16時50分に着きました。

というわけで、ぎりぎり夕食の時間に間に合いました。夕食はハンバーグです。山行直後なのでお代わりは控えておきました。その後は外へ出て景色を眺めます。日が落ちると外はだいぶ冷えますね。寝床に戻ったら隣の人と談笑しつつ、19時30分ごろには就寝しました。

翌朝、4時30分ごろ起床しました。軽く高山病のようで、熟睡することはできませんでした。はっきり入眠した記憶はないですが、断片的に記憶が飛んでいるので、多少は眠ったようです。朝食は弁当形式ですが、外は雨なので食堂にていただきました。ある程度行動後に食べる想定なので、寝起き直後にはボリューミーです。

6時すぎ、レインウェアを着込んで出発です。台風の影響が懸念されましたが、風はほとんど吹いておらず、雨もそれほど強くありません。登山者の姿はほとんどなく、静かな山の中を下っていきます。水溜まりなどは出来ていましたが、沢のような状態にはなっておらず良かったです。

雨はレインウェアの内側が蒸して不快ですが、森が活き活きする点は良いなあ、と感じます。特に苔の生えているエリアは、雨が降ると特に映えますね。雨はそれほど強くなかったので、レインウェアの胸元を開けて湿気を除きます。

ある程度下っていくと、先行している下山者を追い抜いたり、今朝登ってくる登山者とすれ違ったりするようになります。そんな中、一箇所道迷いしました。岩場を下った先で道がなくなりますが、よく見ると下の方にピンクテープがあります。ただどう見てもルートがないんですよね。後ろから来た人が同じように迷い込んできましたが、そのまま戻ってこなかったので強硬突破したのだと思います。自分はピストンで来ているので、往路にこんな道はなかったことから別の道があると判断できますが、縦走で初見の人はそういう判断ができないですね。正しいルートは少し戻ったところにあるロープで囲われた道を通ります。ロープがあるから、そちらは入ってはいけないと思ってしまったのが、道迷いの原因でした。

その後も粛々と下っていき、10時10分ごろ椹島ロッジに着きました。シャワーを浴びてコーラで一服します。雨は徐々に止んでくる予報でしたが、昼すぎまで降り続いていました。

今回の山行データは以下の通りです。

日程2026/08/11-2026/08/12
距離27.57km
歩行時間13:11:33
経過時間28:06:26
高度上昇2,459m
平均心拍数123bpm

今回は椹島ロッジから千枚小屋経由で悪沢岳まで行き、千枚小屋で泊まって翌日下山するルートでした。台風による赤石岳との縦走断念した結果のルートですが、元々悪沢岳の単独ピークハントとして想定はしていたルートです。ルート上は急登がなく、全体的になだらかで登りやすく下りやすいです。ただ少し道迷いしやすいと感じました。そこまでわかりにくいわけではないですが、注意力が散漫になってしまうと迷いやすい部分があります。自分は往復で3回迷いました。

高度グラフについては、Fenix 5Xの測定値が1,000メートルほど本来の標高より低く記録されていたので、さすがに数値標高モデルデータを高度ソースに差し替えました。千枚岳から悪沢岳の間は縦走でアップダウンがあったものの、全体で見るとほとんど目立たないですね。

そして、今回は台風予報による登山行程の変更がありました。結果だけ見ると、台風が予報ほど強くなかったこともあり、縦走を強行できたかもしれませんが、前日昼すぎのリスク判断としては妥当だったかと思います。ギリギリまで判断を保留する方法もありますが、判断が遅れるほど代替手段の確保も難しくなります。それに縦走できてもメインディッシュである悪沢岳と赤石岳の稜線歩きが悪天候となるのはもったいないですしね。

加えて3,000m級の稜線歩きを10時間というのは、今回が初めてです。皇海山で14時間山行は経験していますが、空気の薄くなる3,000m級はまた別物だと思います。間ノ岳と北岳の縦走ではペースが上がらず疲弊したことから、なかなか厳しい行程を予想していました。もともとは荒川小屋に泊まって稜線歩きを刻み、代わりに赤石岳から一気に下るつもりでしたが、荒川小屋の予約が取れずに千枚小屋から赤石小屋まで一気に歩く予定となりました。

縦走中の小屋間の移動時間が5時間程度だと、昼頃に小屋に着いてしまい時間を持て余すので、どうしてももう少し長い時間を歩きたくなりますが、今回のような天候不順など想定外の事態への対応が厳しくなりますね。連日縦走すれば疲れも溜まりますし、宿泊日を増やして行程を細かく刻む計画を積極的に考えてもいいかな、というのが今回の計画時点での反省点です。ただ南アルプス南部、小屋の予約がすぐに埋まってしまうので宿泊日数が増えると予約の難易度が上がります。各小屋は個別にしか予約できないので、どこかの小屋が取れなかったら全部やり直しになります。ん~、来年の計画が悩ましいですね。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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