由布岳登山

2022年11月06日、由布岳に登ってきました。もともとこの日は登山の予定はなかったのですが、復路便を翌朝の便にしたことでお尻に余裕があり、宿泊している湯布院からも比較的近いことから、計画に組み入れました。

バスターミナルからおよそ10分程度で由布岳正面登山口に到着します。道中にトイレはないので、ここで済ませておきます。準備を終えたらいざ出発。

しばらくは平坦な道を歩きます。周りには草原が広がっており、正面にはこんもりお椀型の飯盛ヶ城と雄々しい由布岳の姿が見えます。季節柄、花はもう楽しめないかと思っていましたが、足元にはリンドウなど幾つかの可憐な花々を見ることができました。とにかくこの辺りは眺めが良くて、つい写真を撮ってしまいます。しかし、少し経つと雲が出てきて、日が陰ってしまいました。

草原のエリアが終わると、本格的に登山が始まります。紅葉した樹林帯の中を緩やかに登っていきます。木の根が出ていたり、岩が出ていたりしますが、基本的に歩きやすい登山道です。ただ登り始めなので、体が慣れるまではペースを調整しないと、息が上がります。そんな中、同じく登っている方とお話ししました。ただ自分は写真を撮ったりしながら好きなペースで登りたいので、徐々にペースをずらしました。

30分弱で合野越に着きました。ちょっとした広場になっており、休憩している人たちがいます。ちょうどこの辺りで日が差してきました。周りには紅葉している木々もあってきれいです。

まだそれほど疲れてもいなかったので、休止はせずに先へ進みます。ここからは山頂に向けて九十九折の道が続きます。地図で見た時は急登なのかと思っていましたが、全体的に緩やかな道でした。低いところでは紅葉を楽しめます。椛など赤い色が目立っていた気がします。

中腹を越えると、展望が開けてきて、飯盛ヶ城を見下ろせます。少し先には湯布院の街並みも見えます。

概ね歩きやすい道が続きますが、終盤になると岩場が出現し始めます。それほど難しくないですが、場所によっては手も使って登ります。九十九折の区間が終わると、岩場を直登してマタエに到着しました。

マタエからは、それぞれ左右に西峰、東峰へと続く道があります。あまり詳しく下調べはしておらず、西峰の方が険しいということを知っているくらいです。片方の峰だけにした方が時間的には良いですが、せっかくなので両方の峰に登ることにしました。

まずは険しいとされる西峰へ登ります。するといきなり岩登り。最初の取りつきのところが少し迷いましたが、他は特に難しくありません。そこから少し歩くと、最初の鎖場が登場します。足場もしっかりしていますし、だいぶ前に倒れているので、特に難しくありません。続いて2つ目の鎖場が登場しますが、こちらも同様で特に難しくありません。最後登りきるところで、前半分を岩で囲われた感じになるので、そこから空を見上げると新天地に行くようで楽しいです。

2つ目の鎖場を過ぎて少し下り、先へ進むと、核心部といえる3つ目の鎖場が登場します。ここは、障子戸と呼ばれています。これまでの前方向に倒れた岩場と違い、かなり垂壁に近いです。そして垂直に登った後、左へトラバースする必要があります。トラバースのための鎖は右方向にも少し出ているため、最初勘違いして右側に進み、行き止まりに突き当たっていました。そして高度感もそれなりにあり、結構怖いです。滑落したら即墜落死とはならなくても、大怪我必至ですね。ザックの重みで背中側が引っ張られる感覚は、ヒヤッとしました。今振り返れば戸隠山のほうが遥かにヒヤヒヤでしたが、今回は特段の覚悟がなかったために、何で登ってしまったんだろ……という後悔の念を岩壁の上で感じていました。

ここを越えたら、あとは多少のアップダウンを挟みつつ、西峰山頂へ向かいます。まあ、この道も周りが切れ落ちているところは、怖さはありますね。

そしてついに西峰山頂に着きました。道中の緊張のためか、結構長く感じました。ほっとひと息ついて、山頂からの景色を堪能します。別府湾などを望むことができます。そして東峰の様子も伺うことができます。西峰は先行者2名がいただけで後続の人は誰も来ませんでしたが、東峰には結構人がいました。

ここから東峰に向かうには、今来た道を戻る以外に、お鉢回りというルートがあります。しかしここから眺める限り、両脇が切れ落ちた登山道を進む必要がありそうで、なかなか厳しそうです。お鉢回りに入るルートも草が茂っており、破線ルート感がビンビンします。

というわけで、来た道を折り返してマタエに戻ります。往路ではミラーレス一眼を首から掛けていましたが、さすがに障子戸は少し怖かったので、余計な荷物は全て収納します。基本的に下りる方が怖いと思いますが、一度登ってきているルートの場合は勝手が分かっている分、気は楽でした。一箇所、ルートを誤りそうになったので要注意。見た目傾斜が緩やかな岩場方向に進みたくなるのですが、実際には傾斜が厳しい方に鎖場があるので、そちらに進むのが正解です。見た目緩やかな方は途中から厳しくなってくるので、進んでしまうと詰みます。

マタエまで戻ったら、東峰に登ります。こちらは岩があったり、急勾配だったり、マタエ以前の登山道に比べたら大変ですが、一般的な登山道です。特に鎖場もないので気楽に登れました。10分ほどで、東峰山頂に到着です。

東峰の山頂付近は岩場となっており休憩しづらいので、少し手前にある広場で休憩します。西峰では晴れていたのですが、東峰ではすっかりガスってしまいました。できれば晴れた状態を堪能したかったのですが、晴れそうな気配がないので諦めます。ここで昼食用に持ってきたパンを食べました。

この後は往路と同じ道を通って下山します。西峰と東峰の両方に登ったら、想定よりも時間が押してしまったので、急ぎ足で下ります。大分空港方面直通のバスに乗りたいのが理由です。マタエを過ぎて九十九折の道に入ったらとても歩きやすいので、かなり早歩きで進みました。途中鹿に遭いつつ、1時間ちょいで下山完了しました。

下山後はタクシーで由布院駅前バスセンターに移動し、ぎりぎり大分空港行きのバスに乗れました。まあ、乗れなくても何とかなる旅程でしたので、両方の峰を攻めてみましたが、ちょっと時間の見積もりが甘かったな、と反省しました。

今回の山行データは以下の通りです。

距離8.58km
山行時間3:45:12
経過時間4:32:43
高度上昇737m

西峰からマタエへ戻るまでの区間は測定ボタンを押し忘れていたので、抜けています。なので実際の距離と山行時間は、もう少し長いです。高度グラフの垂直に落ちている部分が該当箇所です。そして下山は急いでいたこともあり、上りの倍くらいのペースとなりました。

最初は平坦な草原歩き、その後は歩きやすい登山道、マタエ直前で岩場が出てきて、東峰は本格的な登山道、西峰は高度感のある鎖場といった感じで、同一コース内で難易度のバリエーションが豊富な山だな、という印象を受けました。由布院の街から近いこともあり、とてもカジュアルな装備で登っている人たちも見かけますが、西峰に行って大丈夫かな、とは思いました。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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