
2025年10月19日、雨飾山を登ってきました。雨飾山荘に前泊して、6時ごろ外へ出ます。近頃秋雨が続いていますが、今回の山行も朝方まで雨予報でした。しかし思ったより早く雨が上がり、レインウェアは着用しなくても大丈夫そうな状況です。ただ葉っぱに残った雨露で濡れそうなので、ザックカバーは着けておきました。

登山道に入ってすぐのところに不動明王と薬師如来を祀る祠があります。さらに少し進んだ先には、お地蔵さまが鎮座しています。本道から分岐に入っていくのですが、こちらが登山道かと思って思わぬ行き止まりに当たりました。

樹林帯の中を粛々と登っていきます。程よく急坂で、所々痩せた道があるので注意が必要です。時期的にもう少し寒いかと思っていたのですが、登っている分にはちょうど良くてアウターは着用しないままでした。

急坂を終えると一旦平坦な道になります。灌木となる区間も現れて景色が開けます。ただこの日はガス気味なので、あまり遠くの山肌は見えません。ここで団体1組を追い越しました。

再び登ります。アルミの梯子があり、しっかりとしているのですが、そこそこ長さがあって少し軋むのでちょっと怖かったですね。


一ぷく処を抜けて進んでいくと、再び平坦な区間になります。この辺は泥濘が多くて歩きにくいです。しばらく進むと中ノ池が見えてきました。森の中に現れた池の様子はどことなく神秘的な雰囲気があります。ここで別の団体を追い越しました。

中ノ池を過ぎると再び登りが始まります。何か晴れてきそうな雰囲気もあるのですが、上の方はガスが濃くなっています。うっすら白くなった樹林帯の中を登っていきます。急坂なので振り返ると景色が開けているのですが、残念ながら真っ白です。というわけで道中の近くにある紅葉を楽しみながら進みます。

やがて両脇を背の高い笹に囲われるようになってきたら、笹平に到着です。ここで小谷登山口のコースと合流します。

この先は山頂へ向かうコースに入ります。しばらく緩いアップダウンが続いて、笹の広がる平原越しに山々を見渡せるボーナスタイムです。ガス気味でしたが、時折薄くなったり日が差すタイミングがありました。
山頂直下は、距離は短いものの急坂となります。先に20名くらいのツアー団体がいましたが、追い越ししづらい場所で且つ山頂まで近いのでそのまま後をついていきます。岩場混じりのコースを登っていくとやがて平坦な広場が見えてきました。

ついに山頂に到着です。予想通りガスで真っ白です。雨飾山は双耳峰ですが両峰の距離は非常に近くて30秒程度で行くことができます。まずは手前にある標高の低い方へ向かいました。こちらには石像が並んでいます。


その後はメインの方へ向かい、山頂標と三角点を撮影しておきます。ガスで周囲は真っ白ですが、北アルプス方面を望んでいると、時折ガスの晴れるタイミングがあります。雲海の上に浮かぶ北アルプスの山々の姿は荘厳で、まるで天空に浮かぶ島々のようでした。遠くにあって横に伸びているので写真に収めるとなかなか迫力が伝わらないですね。ガスの中から突如浮かび上がった姿はラピュタを彷彿とさせました。

ひとまず写真を撮り終えたので、座って昼食とします。持ってきた惣菜パン1個を頬張ります。もう少し持ってくれば良かったです。
さて次は反対側にある女神の横顔を見たいのですが、こちらはガスが一向に晴れてくれません。しばらく粘りましたが、空いていた山頂も再び混み始めたので、諦めて下山することにしました。

すると山頂直下を下り始めた直後、ガスが晴れそうな兆しがありました。その後ついに女神の横顔がガスの向こうに姿を現しました。完全にガスが晴れているわけではないですが、十分に見える状態です。ガスが出て薄日も出ている状況なので、女神の視線の先に虹が現れるというオマケ付きでした。最後の最後でようやくその姿を見せてくれる何ともツンデレな女神です。この後は再びガスってしまいましたので、貴重な一瞬となりました。
その後は小谷登山口へ向けて下山します。合流点の案内標が少し分かりづらくて地図で方向を確認します。1本の棒の面に行先が書いてあるのですが、その面がある方向とも読み取れるし、その面を見た際の視線の先の方向とも読み取れるので、困りました。

しばらく笹原の中をアップダウンしながら進みます。その後下りが始まります。少しザレており、人工落石に注意が必要です。ここで先の団体に当たってしばらく渋滞にハマりました。そこそこの時間滞留することになったので、もう少し早く先へ通して欲しかったです。

徐々に樹林帯の中へ入っていきます。曇天ながら日が高くなって明るくなってきたためか、紅葉が映えます。真っ赤な椛があったのですが、ちょうど行き違いで向こうが待ちになっている状態でしたので、撮影するのどうかと思いスルーしちゃいました。逃した紅葉は大きいもので、撮っておけば良かったなーと思っています。

やがて渡渉ポイントに出合います。適度に足場となる石があるので、そこを踏んで渡ります。増水すると少し渡りにくそうですね。

そしてこの辺りは視界が開けて、紅葉に彩られた山肌を望むことが出来ました。まさに錦秋といった光景です。

その後はしばらく登り返しが続きます。小谷登山口の方が標高は高いけれどコース上にアップダウンがあるので、もしかして獲得標高はそんなに違わないんですかね。ブナ平まで下ったら、靴紐を直すために小休止します。その間に山頂でお話しした人に追い越されました。

その後は紅葉を楽しみながら下っていきます。標高が下がってくると紅葉の進みも遅く、紅葉支度の途中のような黄緑色の葉が増えてきました。

最後は平坦な道になり、木道の上など歩きながら登山口を目指して進みます。登山道脇には穏やかな清流があり、ヤマメのような魚が泳いでいました。

登山口まで着いたら洗い場で靴を洗います。雨には降られなかったものの泥濘でだいぶ汚れました。雨飾高原キャンプ場のレストハウスにある生ビールの幟に惹かれますが、ここからしばらく歩きが続くので我慢です。

車があればこのキャンプ場まで車で来られるのですが、自力で歩いて下ります。舗装路を1時間弱歩く形になります。道路脇は藪なので、一応熊鈴は鳴らしながら進みました。つぶれ池や明才堰などを通り過ぎていき、やがて雨飾荘に出合いました。雨飾荘は日帰り入浴は受け付けていないので、少し先まで村営露天風呂で行き、こちらでひと風呂浴びることにします。というわけで、ここで山行終了としました。
今回の山行データは以下の通りです。
| 日程 | 2025/10/19 |
| 距離 | 12.22km |
| 歩行時間 | 5:48:08 |
| 経過時間 | 6:19:32 |
| 高度上昇 | 1,213m |
| 高度下降 | 1,101m |
| 平均心拍数 | 123bpm |
雨飾山荘側の登山口から登って、小谷温泉側の登山口へ下りるコースです。最初は公共交通機関でアクセスできる小谷温泉側の雨飾荘拠点で考えていたのですが、紅葉の時期は結構お値段が張ります。というわけでタクシー代を考慮しても割安になりそうな雨飾山荘を拠点にすることとしました。雨飾山荘側も前週の3連休までは乗合タクシーがあったのですが、当週は終了しているので普通にタクシーを使うこととなり、懐が痛いですね。先週に引き続きのタクシー登山です。
拠点とする雨飾山荘は、あくまでベースは山小屋なのでそれを理解しておく必要があります。豪華な山小屋と捉えておくのが良いかなと思います。雨に降られずに済んだことは幸いでしたが、曇天とガスで好天とはいえない状況です。それでも山頂では雲海に浮かぶ北アルプス、女神の横顔を見られたので満足です。見事な紅葉が有名な雨飾山ですが、錦秋という言葉にふさわしい景色を楽しむことができました。晴れなかったのは残念ですが、曇っていた方が紅葉のグラデーションが捉えやすいという利点もあります。
雨飾山荘側の方が標高が低いので、登りが長く続きます。梯子などもあるので慣れていない人は大変に感じるかもしれません。小谷温泉側は登り返しが多く感じましたが高度グラフで見るとそうでもないですね。まあいずれにせよ全体で6時間程度なので、どちらから登ってもそこまで差はないと思います。
記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

