2025年10月10日に公開されたアイカツ!とプリパラのコラボ映画である「アイカツ!×プリパラ THE MOVIE -出会いのキセキ!- 」を鑑賞してきました。もう期待していた通りで、こういうのが見たかったんですよ!という感想です。ただ期待の範疇に収まったわけではなく、え、こういうのもやってくれるんだ、という想像を超えたコラボもあって、大満足でした。
ネタバレ解禁日も過ぎたので、以下ネタバレ全開で感想を書いていきます。
時空の歪み的な感じで並行世界が繋がる導入はアイカツオンパレードを彷彿とさせますね。プリパラだったらもっと強引に設定しそうですが、このあたりはアイカツ!に寄せた印象です。
そして最初のライブが、あかりさんとらぁらさんによる「START DASH SENSATION」といういきなりテンションマックス!な流れです。ライブ後のみれぃさんのツッコミもキマッてます。双方のキャラクターがそれぞれのキャラを崩すことなく会話している様子が良かったです。
2つの世界が交わったことにより新たに誕生したエリアは、何と元の世界といつでも行き来が可能という神設定です。2つの世界が恒久的に繋がっちゃう?!せっかく出会ったんだから、とこのまま合同ライブフェスを開催する流れとなりました。
続いては、みれぃさんとひなきさんによるポップ系デュオで「ま~ぶるMake up a-ha-ha」です。ポップ系なので確かにその通りなのですが、何となく並び順の組み合わせのイメージがあるので、みれぃさんスミレさんかと思っていて、あ、そりゃそうか、と1人頷いていました。
次は前段の流れからスミレさんとそふぃさんのデュオかな、と思っていたらあろまさんも加わる流れになっての「チュチュ・バレリーナ」、早くも予想を超えてきます。
そしてドロシーさんと対峙できるアイカツ!勢っていたかな、と思っていたら、そう、ここねさんがいました。改めて振り返ると、アイカツ!勢で我の強いキャラって珍しいですよね。
次は、ここねさん、ニーナさん、みかんさん、ガァルルさんによる「恋するみたいなキャラメリゼ」です。この組み合わせは完全に予想外でした。
続いて「コノウタトマレイヒ」を披露したふわりさんとののリサも、なるほど納得の組み合わせです。背景がパルプスとジャガイモになっているところも愛を感じます。
そしてひびきさんは誰と絡むのかと思っていたら珠璃さんでした。なるほど、確かにあかジェネだとそうなるのかな、思いました。初代まで含むなら美月さんしかいないと思います。デュオ用にアレンジされた「純・アモーレ・愛」の振り付け、かっこ良かったです。ところで舞台挨拶会場、毎回語尾のくだりで笑いが起きるのだけど何故ここだけ……。他にも笑いポイントは結構あるはずなのに。
続いて剣技繋がりで、シオンさんとまどかさんと凛さんによる「Chica×Chica」です。何か3人の身長差が妙に刺さりました。
一旦ここで合同ライブフェス1日目が終了です。結局何だかんだでライブやる気満々なのにライブさせてもらえなかったドロシーさんの扱いも最高にドロシーさんを活かしていますね。
プリパラのシステムが採用されているため、18時になったらみんな元の世界へ戻ります。ところが元の世界はあかりちゃんちが平屋になっていたり、マスコットたちがリアル動物になっていたり、のんさんがのん助になっていたり、様々な異変が起きていました。そしてこの新たな空間はワープを繰り返しており、次のワープ先は1億年後だと判明します。元の世界へ戻れる可能性のあるアイドルのパワーによるワームホール生成に賭けることとなります。この辺はいかにもプリパラ的な世界の危機的展開です。
2日目は満を持して、1日目で温まりまくったドロシーさんが一番手で登場しました。組むのはレオナさん、そして1日目の最初で絡みを見せていたののリサで、曲は「lucky train!」です。上がりますねえ。あかジェネ最後のED曲で合同ライブフェス2日目が開幕です。
この後もここまでの流れと同様にアイカツ!メンバーとプリパラメンバーでユニットを組んでいくのかと思っていたら、まどかさんと凛さんによる「でび&えん☆Reversible-Ring」が来ました!キャラクターを介さずに楽曲だけを通してのコラボという形もあるんですね。あろみかの関係性にまどりんの関係性を重ねてくることで、両作品が見事に浮かび上がります。
続いてトリコロールによる「Passion flower」になります。再びひびきさんが珠璃さんの曲をカバーする形でコラボしているのが印象的でした。
そして関西チームとガァルマゲドンによる関マゲドンによる「Realize!」です。6人が動き回るステージは圧巻ですね。「Make it!」以外のオープニング曲を持ってきてくれたことも嬉しいです。
それからあかりさんとらぁらさんによる「Make it!」です。今度はあかりさんがプリパラ側の曲を歌う流れです。合同ライブフェスの始まりと終わりを飾っているのは、この2人の出会いがキセキの始まりなのだと改めて感じさせます。インタビュー記事で下地さんが話されていた「サイリウムチェーンジ!」もばっちり聞きました。
ここまで2日間ライブを続けてきましたが、元の世界へ戻るためのワームホールは開ききりませんでした。最後は一点集中ということで、ルミナスとそらみスマイルによる合同ユニット、そらみルミナスによるライブで事態の打開を目指します。このステージに向けた過程で、キャラクター同士の交流やお互いの世界の訪問が実現します。プリパラ外でのらぁらさん、そしてみれぃさんの姿に驚くルミナスの反応、見たかったものを見せていただきありがとうございますの気持ちです。しかしプリパラの世界でも崖を登るとは思いませんでした。
ジョニー先生とめがブラザーもといめが兄ぃの絡みも良かったす。「Yes…」とジョニー先生の口癖が移ってしまうめが兄ぃがツボでした。また本人が出演していないのに圧倒的な存在感を残していくあじみ先生、さすがです。
そして元の世界へ戻る最後のチャンスとなるラストライブ、そらみルミナスによるステージは、新曲「ハッピーチューニング」です。ステージ衣装は瀬名さんとコスモさんが担当しました。メインテーマなので早い段階で聴けるものだと思い込んでいましたが、随分焦らされましたね。アイカツ!にもプリパラにも寄りすぎず、それでいて双方のらしさを感じられる楽曲でした。
その後無事ワームホールが開いて元の分岐点にワープし、元の世界に帰れることになりました。その際にあかりさんのアイカツカードに何とトモチケが生えてきました!それをパキりあってそのまま間髪いれず元の世界へ戻りました。出会った記憶を失ったような、残ったような、解釈の分かれる描写を挟んでエンディングへ。
エンディング曲は「プリティー×アクティビティ」で、上手いタイトルですね。「笑っちゃうくらい近くにいたね」が作品外の世界にも重なってきて、熱いです。自分はアニメは両作品全て見てますけど筐体はアイカツ!だけだったので、近くにあったけど交わらなかった世界をそこに感じました。
ここから全体の感想です。そらみルミナスを除くキャラクター毎のステージ登壇数は1~2回と多少差がありましたが、無理に公平にすることなく、ステージ外の掛け合いなどで補完していた印象です。
75分という短い尺でライブ満載なので、ストーリーを描く余白はあまりないのですが、限られた時間の中で骨太なストーリーが展開されていました。初回は特に涙腺が緩むこともなかったのですが、2回目以降は皆で立ち直るシーンで謎の感動が押し寄せるようになりました。
ライブをたくさん見られるし、お互いの世界の訪問もあるし、中立的な新舞台もあるし、メインストーリーもあるし、欲しい要素をぎゅっと75分にバランスよく詰め込んでくれた映画でした。期待の方向そのままに、期待を超えてきてくれた内容です。
エンディングでは後日譚を中心としたような遊び心溢れる面白いカットをたくさん見られて眼福ものでした。パパの中華からのチャイナコーデなノンシュガーや、天使な凛さんと悪魔なまどかさんとか、良い……。そしてめが兄ぃのPOW!は一体何だったのでしょうか。設定上は元の世界に戻ったら出会った以降の記憶はなくなってしまうとのことでしたが、あの後日譚を見る限り思いきり記憶残ってますよね。パラレルワールド的な扱いなのかな。ただ本編の中でも手の中にあるお互いのトモチケを見て、あかりさんとらぁらさんがそれぞれ記憶を取り戻したような描写もありましたし、もしかしたら……!このはっきりと描かないところに解釈の余白が生まれてよいなと思いました。
何度か舞台挨拶に出かけたり、グッズ等も買っていますが、感想だけで長文になってしまったので、それらは別記事にまとめたいと思います。ところでしまっている10年前のアイカツカード、もしかしたらトモチケが生えてるかもしれません……!要チェックです。