北京旅行~3日目

3日目、6時ごろ起床して、まったりと過ごします。朝食は、ショッピングモールにある李先生にて、いただきました。牛肉麺のセットで、野菜と海藻の付け合わせとドリンクがついてきます。生野菜、という表記だったけれど、茹でてある気がします。あと、本来は紫芋のジュースでしたが、品切れのためホットミルクとなりました。朝からなかなかボリュームがあって、満腹です。ちなみに、セルフサービスのファーストフード店っぽい雰囲気なのですが、実はテーブルオーダー&会計です。これは知らないとちょっと戸惑うかなあ、と思いました。

10時すぎ、故宮に向けて出発です。地下鉄2号線と1号線を乗り継いで、天安門東駅で下車。初日の夕方は普通に地上へ出られた気がしますが、今回は手荷物のX線検査があります。故宮博物院が開館している時間帯は、検査があるのかもしれません。

手荷物検査を終えて地上に出ると、少し先に人の壁が見えます。もしや、と思いましたが、これが故宮博物院への入場列でした。たくさんの人が並んでいたので、1時間以上待つかなあ、と不安になりましたが、見た目以上に列の進みは速く、20分程度で済みました。ここでは再び手荷物検査があります。何か身分証明書っぽいものを提示している僧侶風の人たちがいたので、自分もパスポートを準備したのですが、特に提示は要求されなかったと思います。

こうしてたどり着いたのが、天安門広場。ここから故宮の中へ進みます。まずは天安門を通り抜けると、広場中程に行列がありました。何かと思いましたが、天安門内部へ入るための列のようです。そんな列を横目に、南門を抜けます。

すると、広い空間に出ました。大勢の人が闊歩する長い道が、街路樹を脇に午門へと続いています。周りには、飲み物を売る露店がたくさんありました。向かって左側の建物がチケットブースになっているので、並んで入場券を購入します。そこそこの列になっていますが、窓口も多いので、それほど待つことはありませんでした。

その後、午門で再び並んで、故宮博物院に入場です。灰色の石畳と赤い屋根瓦の光景が、目に飛び込んできます。さすがにスケールが大きいですね。最初に見えるのは、内金水橋と太和門です。中央付近は団体ツアー客を中心に、大勢の人たちで混雑していますが、それ以外の周辺部分は閑散としています。太和殿、中和殿、保和殿は近くで見たいので、人混みの中へ進みます。皇帝が坐した椅子は、ちょこっとだけ見えました。中華世界の中心です。他にも、大石雕などの見事な彫刻を楽しみます。

しかし、故宮の中は、とても広いです。とにかくひとつひとつの建物が大きいので、あまり歩いていないように錯覚してしまうのですが、実際にはかなりの距離を歩いています。そして一面石畳なので、太陽の照り返しもあって、結構暑いです。5月なので、それほど暑さは厳しい時期ではないとたかをくくっていましたが、なかなか厳しい暑さでした。日なたに休憩用のベンチがあったのですが、座っている人はほとんといませんでした。自分も少し座ってみましたが、足は休まっても体力が奪われていく感じです。

さて、乾清門をくぐって、外朝から内廷へ進みます。想像以上に壁が高いですね。内廷には色々な建物があるのですが、ここに来るまでにかなり体力を使ってしまったため、全然見ることが出来ませんでした。涼しい時期に来ないと、全てをじっくり見るのは難しいかも。

というわけで、そのまま御花園に向かってしまいました。ここは、石畳一色の故宮において、草木の置かれた憩いのスペース。緑のありがたみを感じます。これまでのスペースに比べれば、けっして広い場所ではないので、やはり混み合います。園内には面白い形をした木や岩、欽安殿や千秋亭などの建屋があり、それらを楽しみました。

それから、延和門、順貞門、神武門を抜けて、故宮博物院の見学は終了です。喉が渇いたので、出口の広場にあった売店で、水のペットボトルを買いました。

故宮博物院を出ると、いきなり万里の長城ツアーの勧誘を受けました。うーん、すぐに日本人ってバレちゃっているようです。無下に断ったら、バカヤロー!と捨て台詞を吐いて、去って行きました。こんなに短気で商売成り立つのかしら。今回の旅で勧誘にあったのは、ここだけでした。

その後は堀である筒子河沿いを歩いて行きます。ゆったりとした水面の奥に、故宮の城壁が悠然と構えます。北海と中海に掛かった橋を渡りつつ、北海公園を見遣ります。中海方面は政府要人の居住区になっているので、カメラを向けないように気を付けます。

それから、府右街や霊境胡同などを抜けて、霊境胡同駅に着きました。途中、情緒ある胡同の街並みや小さな商店街、近代的な閑静な住宅街など、少しの移動で色々な街の顔を見ることが出来て、良かったです。ちなみに、この辺は若干道に迷いながら歩いていたので、通りの名前とかは間違っているかもしれません。

2号線に乗ったら、そのまま北宮門まで向かいます。さすがに少し距離があるので、ずっと立っていると疲れますね。30分くらいして、駅に着いたと思います。

駅を出て向かった先は、頤和園です。故宮に続いて、本日2つ目の世界遺産訪問です。入口に向かうまでの間に、地図などを売ってくる人たちがたくさんいますが、特に外国人を相手にしている感じではありません。向かう途中で少し道を間違えてしまいましたが、北宮門に無事到着。チケットブースで入場券を購入します。

入場するとさっそく見えてくるのが、蘇州街。川の脇にお店が軒を連ねて、蘇州の街並みを再現しています。橋の上から眺めて、楽しみました。

それから道なりに進むと、松堂が見えて、林の中に入ります。とにかくひどく体力が奪われていたので、日陰で腰掛けて休憩。再び歩いて林の中を抜けると、昆明湖が見えてきました。

臨河殿や岩雲をたどり、石の船として有名な石舫に着きました。こうして見ると、本当に船が停泊しているように見えますね。面白いことを考えたものです。

続いて長廊沿いを歩きます。とにかくこの辺りは人の数が半端なく多いです。故宮でもかなりの人の数でしたが、こちらは幅が狭い分、余白なくみっしり詰まっているので、人酔いしそうな感じです。

それでも、河に柳といった、自分の思い描く中国の光景を楽しめて良かったです。長廊沿いには奇岩のオブジェが並び、昆明湖は悠然を水を称え、上を見遣れば仏香閣が木々の中から顔を覗かせます。

その後、少し丘を登ったところにある建屋に寄ってみましたが、ここが体力の限界なので、帰ることにしました。遅めの時間に行ったので、若干西日が差してしまいましたが、皇帝の夏の離宮の雰囲気を楽しむことが出来ました。

一旦ホテルへ戻って、ベッドで横になります。このまま休んでしまいたい気分でしたが、夜の予定があるので、体力回復に専念です。

18時すぎ、再びホテルを出て、和平門駅に向かいました。向かう先は、京劇鑑賞のための梨園劇場です。ここから南新華街を南へ下って行きます。途中、横を見たら、瑠璃廠がありました。とても雰囲気があって、寄ってみたかったのですが、時間がありません。

さて、どんどん進みます。意外と歩きます。途中、少し大きめの道路を渡る機会がありました。聞いていた通り、信号が赤でも右折車は進んで来ます。これは慣れないと怖いですね。車の方も人を轢く気はないので、ある程度かわそうとしてくれますが、日本のように待つことはありません。渡れる渡れないは、人と車の阿吽の呼吸的な感じだなあ、と思いました。幸い地元の人たちがいたので、その人たちにペースを合わせました。一見滅茶苦茶に思えるこのシステム、車中心に考えた場合は、とても効率が良いシステムなんですよね。視点が変わればアイデアも変わる、ということを感じました。

虎坊路まで抜けて、ようやく会場付近に到着です。しかし、梨園劇場らしき建物が見つかりません。うろちょろしていると、足を負傷した女性がいました。同じグループの人たちが、お前負ぶってやれよ、みたいに囃し立てて、一人の男性が背負いました。見た目結構痛々しそうな怪我だったのに、それでも歩いているシチュエーションが不思議に思えました。

肝心の会場ですが、前門建国飯店の中にありました。独立した建屋だと勝手に思っていたので、見つけるのに苦労しました。チケットは日本で北京散歩さんで手配していたので、現地の日本語係員から受け取って、席まで案内してもらいました。席種は、1階の椅子タイプです。こちらは席は指定されていないので、早く着いた方が良い席を選べます。自分はわりと早めに着いていたので、真ん中の見やすい席に座れました。

前の方のほうは、6人一卓くらいのテーブル席になっており、お茶やお菓子が付きます。ラスベガスでイリュージョンショーを鑑賞したときを思い出しますね。優雅で良いのですが、一人で座るには心地が微妙でしたので、止めました。客層は、欧米人比率が圧倒的に高いです。

開演前にはステージ上で、役者さんがメイクをする様子を見ることができます。そして時間になったら開演です。

全部で三部構成になっていました。1本目が、師弟がよく分からないけど途中から戦い始める内容、2本目が天女の舞、3本目が薬草を取りに行った女性が山の者たちと戦うといったお話でした。前半は台詞があり、英語字幕付きで物語が展開するのですが、後半はほとんど雑技に近い内容になります。外国観光客向けの劇場なので、見た目に楽しめるような演目内容になっているのだと思います。剣の打ち合いや、帯の舞、杖の投げ合いなど、ダイナミックな動きを見られました。

観劇を終えたら、来た道を戻ります。すっかり真っ暗になっているので、少し雰囲気が違いますね。歩道に停まっている車を見ると、東南アジアを思い出します。陸橋の側面には液晶モニタで広告が表示されており、新鮮な光景でした。途中、暗闇に黄色に輝く看板ばかりが並ぶ路地があり、怪しい雰囲気に惹かれました。良く分からないところなので、さすがに入りませんでしたが。

夕食を食べたかったのですが、当てにしていた和平門駅前の多々美は開いている様子がなく、断念。他を探すのも面倒になったので、そのままホテルに戻ることにしました。

ホテルに戻ったあとは、部屋にあるコーヒーや紅茶を飲みながら、最終日の旅程を考えます。行きたいところはほとんど行ったので、基本的にまったりな予定です。しかし、観劇前にはバテバテだったのですが、この時には嘘のように回復していました。日中の熱い中を動き回ったのが、良くなかったのかもしれません。

そして、23時すぎに就寝しました。

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