2日目、5時すぎに起床。電車の混雑を避けるために、朝一で万里の長城へ向かおうと考えましたが、乗り継ぎの待ち時間とか諸々を考えた結果、止めました。朝の通勤ラッシュを避けるため、しばらくのんびりして、8時30分すぎにホテルを出発しました。
地下鉄のラッシュタイムは過ぎたようで、それほどの混雑はなく、西直門駅に着きました。西直門駅から北京北駅は、屋内通路で繋がっています。さっそく北京北駅へ向かうと、柵の外側から激しい呼び込み。たぶん万里の長城のツアー勧誘なのだと思います。柵があるので入ってくることは出来ません。切符売場は何やら閉まっていましたが、一卡通があるので大丈夫です。
電車の時間まで余裕があるので、周辺を散策します。少し歩くと小川があったので、それに沿ってお散歩。途中、中国っぽさを感じさせる集合住宅が立ち並んでいました。少し歩いただけで、様々な街の姿が見られて面白いです。
その後は戻ってきて、凱徳モールの中を歩き回ります。水槽で魚の展示がされており、ついつい見入ってしまいました。中国原産の魚も何種かいたようでした。
そろそろ電車が入線しているだろうと、北京北駅に向かいます。朝ご飯をまだ食べていなかったので、途中にあった吉野家にていただきました。日本では見ないメニューが色々あります。選んだのは、茹で野菜がトッピングされた牛丼。セットでポテトサラダとコーラが付いてきました。ファーストフード方式で、カウンターで注文したら、自分で席まで持って行きます。箸とかは自分で取っていかないといけません。
食事を終えたら、北京北駅の構内へ。パスポートの提示が必要なはずでしたが、大してチェックもされず、荷物のX線検査をしたら中へ入れました。最初、電光掲示板のS209の表示に、S2線はどこだろうと迷っていましたが、S2線の09番目の電車という意味でした。というわけで、長城和楷号に乗車です。出発30分前でしたが、車内はかなり混雑。座るのはとても無理そうなので、余裕のあるデッキに立つことにしました。それでも出発が近づくにつれ、デッキエリアも混雑してきました。
ここから1時間30分弱の電車の旅です。車内はとにかくうるさいですね。でも全員が全員うるさいので、環境音のようになってしまい、それほど気になりません。言葉が分からない、という点も大きいのかもしれませんが。
車窓からの眺めは、都市、郊外、山間といったふうに、変遷していきます。郊外では、乾燥した地に木が点在している光景が見られ、何となくカンボジアの地を思い出しました。中心部から少し離れただけで、生活の雰囲気は変わりますね。
そうこうしているうちに、八達嶺駅に着きました。道はよく分かりませんが、みんなの後に付いていけば大丈夫だろうということで、人波に沿って進みます。緩やかな上り坂を進んでいくと、広場が見えてきました。食事処や売店、そして切符売場があります。さっそく入場券を購入しました。このとき、長城の入場証明書も受け取ります。こっちはチケットじゃないから、と教えてもらいました。あと、水ペットボトルも補給しておきます。トイレもあるので、必要なら済ませることが出来ます。
さて、長城まではもう少し歩く必要があります。再び上り坂を進んでいくと、遠くにトンネルのようなものが見えました。これが万里の長城です。ここを潜って左右にある階段を登ると、万里の長城の上に出られます。
男坂と女坂、どちらに行くか迷いましたが、明らかに女坂のほうが混んでいるので、男坂を選びました。時折すごく急なところがありますが、女坂もそれなりに急な部分はあるので、路面状況が悪くなければ、空いているだろう男坂のほうが良いと思います。
てくてくと長城を登っていくと、目の前や眼下には、一面の緑が広がります。新緑の明るい緑が気持ちいいですね。空も真っ青で、北京中心部とはやはり空気が違います。途中幾つかの楼を通りつつ、ひたすら長城を進みます。特に各ポイントで大きな見どころはないので、ひたすら雄大な長城からの景色を楽しむハイキングといった感覚です。一方、長城自体に目を遣ると、落書き禁止の標識がありますが、その周りすら落書きだらけなのはご愛嬌。こちらは、ちょっと残念な光景です。
長城を進んでいくと、水などを扱っている露店の物売りもいます。ケーブルカーの到着地点付近や男坂の終点部分には、日本語で話してくる土産売りがいますが、買う気がなければ買う気を見せずに、適当にあしらってしまうのが良いでしょう。こうして、1時間30分弱で、男坂の終点に着きました。長城自体はまだ続いていますが、これより先に進むことは出来ません。
帰り道、往路で気になったけど寄らなかった脇道へ寄り道します。石碑と屋根がありましたが、何の石碑かはよく分かりませんでした。ここからは、長城を外から眺めることが出来て、なかなか良かったです。ただ、蜂がぶんぶん飛んでいるので、ちょっと落ち着きません。
こうして男坂のハイキングを終えたら、女坂へ向かいます。でも、だいぶ疲れが溜まっていたので、ちょっと登ったところで折り返して、まったり。
16時すぎ、八達嶺駅に着くと、駅の入場口には長い行列がありました。壁には、一卡通に所定の残金がないと改札を通れないという注意書きが、表示されています。それを見た中国観光客が切符売場でチャージ等していました。やはりちょっと特殊なルールなんですね。少し経つと、前のほうの人たちだけ駅のホームに通します。そして次はなかなか通してくれません。え、これ乗れないのかな、と焦っていると、電車が入線したら、入場できました。先頭の人たちを優先的に電車へ乗車させるための措置のようです。席を探すのが面倒だったので、帰りもデッキで過ごしました。
17時45分ごろ、北京北駅に着きました。セブンイレブンで燕京啤酒を購入したら、しばらく駅前でまったり。金曜の夕方なので、待合せをしているっぽい人たちがたくさん。見知らぬ街でのこうした光景、結構好きです。
それから地下鉄に乗って、夜の王府井へ。地下のショッピングモール経由で出たので、地上へ抜けるまでちょっと迷ってしまいました。しかしこのショッピングモールの中は、日本や外資系のチェーン店や高級そうなショップがずらりと並び、日本のどこかのデパートと言われても気づかない雰囲気です。中国感はほとんど感じられません。そんな中見つけた面白いショップが、溥儀眼鏡。あのラストエンペラー溥儀の丸縁眼鏡をモデルにした眼鏡ショップのようです。ちょっと興味がありましたが、さすがに旅先で眼鏡を作るのは、躊躇しました。
さて、どうにかして地上に出たら、無事王府井の通りの前でした。昨日より少し遅い時間帯になります。ちょうど夕日が沈むタイミングで、向かい側のビルに反射していました。辺りがオレンジ色に染まり、きれいです。日が落ちた後は、夜の帳が下りるのは早く、すぐに暗くなります。通りは、昨日より少し賑やかな感じ。光る輪を投げている露天商の人とかいて、パリのルーブル美術館前を思い出しました。向こうでは、よくアフリカ系の人たちが売っていましたね。あと、腹這い四足歩行のままものすごいスピードでやってきて、寄付を求める子供の姿もあります。その異様な光景に思わず身を引いてしまいます。身体の不自由さをアピールしているのですが、演技だという事前情報があるので、関わりません。王府井にはそこかしこに公安警察の車があるので、治安は良いはずです。実際特にトラブルや危険を感じることはありませんでした。
二度目の王府井ですが、何となく人間観察していて気づいたことを書いてみます。まず、日本に比べて、圧倒的に煙草を吸う人が多いです。そして吸っている煙草がかなり強いので、煙も鼻にきます。これは嫌煙者にはつらい環境ですね。あと、ガタイの良いちょっと悪そうな人たちが、何故か大抵色黒だったりします。何ででしょうね。
そんなことを思いつつ、王府井の由来の元になった井戸の跡を見たり、屋台の並ぶ王府井小吃街に行ったりしました。サソリの串刺しなど、いわゆるゲテモノ串に興味があったのですが、いかんせん混雑しすぎており、食欲も湧いてこなくなったので、結局買わずじまいです。混雑した中には、浮浪者も何人か歩いており、ゴミ箱に捨てられた食べ残しを拾って食べていました。それを見た女の子が目をまん丸くして、母親に報告しに行った姿が印象的でした。浮浪者の方も、目があった女の子を顔を強い眼差しで見返していました。海外のこうした人たちは、基本的に堂々としているのが、日本との違いとして、毎回感じます。
さて、大通りへ戻りたいので、ひとつ隣の通りを進みます。こちらも食べ物の屋台がありますが、それほど混雑していません。途中噴水広場が現れ、この辺りから土産物街に変わります。とは言え、とくに欲しいものはないので、そのまま抜けました。
ゲテモノ串は食べなかったけれど、王府井でどうしても食べておきたいものがあります。それは、サンザシの飴がけ。途中の稲香村の店頭て売っているのを見たので、そこで購入。飴の甘さとサンザシの瑞々しさが、染み渡ります。種があるので、ちょっと食べにくいですけど。一応種は袋に入れて持って帰りました。みんなどうしているんだろう。
ひとしきり夜の王府井を楽しんだので、地下鉄に乗ってホテルに帰りました。21時30分ごろ、部屋に着いて、その後は買っておいた燕京啤酒で晩酌。あまり強くなくて、飲みやすいです。窓の外を見ると、北京駅が前日より華やかにライトアップされています。週末だからでしょうか。
そして、23時すぎには就寝しました。この日はだいぶ歩き回ったので疲れました。