実家の本棚を眺めていたら、ブックカバー越しにタイトルが見えたので、手に取ってみました。若い頃、1年くらい技術マーケティング関連の部署に在籍したことがあり、その期間にマーケティングについて少し勉強しました。この本はその時に読んだものです。たぶん2006年から2007年くらいに読んだのではないかと思われます。
当然ながら(?)内容はほとんど覚えていないので、改めてざっと流し読みをしてみました。自分のブログ等を見て書評が残っていないことが気になりましたが、栞の挟まっていた位置から考えると、もしかしたら最後まで読む前に止まってしまったのかもしれません。
本書は、コトラーのマーケティングに関する内容を、俯瞰的に伝えています。ページの大部分を割いているのは第3章ですが、ここはマーケティングで提唱されている戦略の概要を個別に紹介しています。すなわちツールボックス的な部分です。第3章を除いた部分であれば、1日で読みきることも難しくないと思います。
久しぶりに読んで改めて肝に銘じたいと感じた内容は以下の部分。後者の方は、ニーズを満たすものに対して欲求が湧いている、という話です。つまりニーズを満たすものであれば、別の製品にも欲求は発生するので、本当のニーズを見誤らないようにすることが肝要です。
マーケティングは、売り込もうとするのではなく、売れていくようにすることだ
マーケティングを学ぶ人のためのコトラー入門 P.20
売り手はニーズと欲求を混同してはならない
マーケティングを学ぶ人のためのコトラー入門 P.22
以下はざっくりのメモと感想です。
- 序章:マーケティングとコトラー
- 7ページごとで、コトラーの提唱するマーケティングについて紹介している
- 第1章:コトラーのハイライト
- ニーズ、欲求、需要などのキーワードを説明しながら、コトラーの提唱している内容の概観を紹介している
- 第2章:マーケティングの基本
- 市場セグメンテーション、ターゲティング、マーケティング・ミックスなど、マーケティング戦略の流れの基本的な部分を説明している
- 第3章:マーケティングの戦略
- 具体的な戦略の概要を説明している。全部で約20個の項目に各々4~6ページほど費やしている。
- 基本的に独立している項目なので、ツールボックス的に必要な部分や興味のある部分をピックアップする読み方でも良い気がする
- ポジショニング戦略は応用しやすいと思う
- 第4章:ソーシャル・マーケティング
- 企業の製品主体であったマーケティングを、社会活動にまで広げていこうと、コトラーによって提唱された概念。
- 自分は企業としてのマーケティングを学びたい対象にしていたので、当時ここはあまり興味なかったと思う
- 終章:進化するコトラー
- デジタルエコノミーなどについて触れられている。本書は2003年に初版が出ており、6ページほどの内容だが、まさにその通りになっている