岩手山登山

2022年08月29日、岩手県最高峰の岩手山に登ってきました。1週間くらい前の天気予報では曇りや雨でしたが、数日前に予報が晴れに転じました。この月に登った蔵王山、北岳、八幡平は、いずれも晴れ間のない登山でしたので、久しぶりに青空の下の登山を堪能しました。やっぱり晴れているほうが良いです。

登山口は一番メジャーなルートである馬返し登山口を使います。以前はバスで行ける登山口があったのですが、路線廃止に伴い、バスでのアクセスは不可能となりました。というわけで、いわて銀河鉄道で滝沢駅まで向かい、そこからタクシーを呼んで移動します。時間は20分程度で、料金は3,500円程度です。

登山口に着いたら、登山ポストに登山届を投函します。そして東屋に積まれている薪を1本ザックに詰め込みます。これは八合目避難小屋への荷上げボランティアとなります。重量はさほどないのですが、大きさが嵩張るので、1本だけにしました。

準備が整ったら、登山開始です。最初は、ゆるやかにアップダウンする樹林帯の中を歩きます。途中に自衛隊の演習場の示す看板がありました。やがて少しずつ上り調子になっていきます。30分ほど歩いて、0.5合目に到着です。

0.5合目から、旧道と新道の二手に道が分かれます。とりあえず往路は眺望の良さそうな旧道を選びました。ここからは上り一辺倒となります。基本は樹林帯の中ですが、左手が開けているので、眺めは良いです。10分ほど歩いて、1合目に着きました。

1合目から先は、木々が低くなり、徐々に展望が開けてきます。階段を登りきると、だんだんと道がザレ場っぽくなります。そこそこ斜度があるので、直登はせずにトラバースしながら登っていきます。

2.5合目まで来ると、再び旧道と新道の分岐になります。ここから合流地点までは結構な距離がありますが、旧道と新道の連絡通路が途中に数か所ありますので、移動は可能です。往路は先ほどと同じく旧道を歩きます。展望は完全に開けており、正面には広い空が見えて、振り向けば北上盆地が広がります。道はザレ場や一部ガレ場が続いており、結構斜度があるので九十九折に登っていきます。ザレ場の道は目視で何となくわかり、ガレ場ではペンキを頼りに登っていけば、特段迷うことはありません。道幅はそこそこあるので、適度にルーティングを楽しめます。ただ上りは良いけど、下りは怖そうですね。

花の百名山らしく、道中では、アキノキリンソウ、ハクサンシャジン、クサボタンなど、多くの草花を見られます。トンボやバッタなどの昆虫類も目にすることができました。そして標高が上がるにつれて、だんだんと雲が目線と同じ高さになり、やがて目線の下側へ移動していきます。

5合目を越えると、地面が濃い茶色に変わり、火山を感じさせる光景になります。青空とのコントラストが良いです。時折雲が山肌を駆け上がっていき、結構高いところまで来たことを感じます。

7合目で新道と合流します。この先はしばらく緩やかな道が続きます。右手には山頂のあるお鉢が見えます。青空を背景に撮りたいのですが、北西側は少し雲が多くなってきました。このあたりの道は平坦で楽ですが、幅が狭いのですれ違いは譲り合いが必要です。程なくして、八合目避難小屋に着きました。

まずは小屋の管理人の方に挨拶して、持ってきた薪を渡します。小屋の前は広場になっており、椅子やテーブルもあるので、休憩に良いです。とはいえ、まだ先があるので、休憩は軽めで切り上げます。

しばらくは平坦な道が続きます。左手の奥の方には巨大な岩が幾つかそびえている光景が印象的です。やがて不動平に着いたら、お鉢の上への上り道が始まります。

滑りやすいザレ場の道が続きますが、眼下に広がる高原やさらに遠くに広がる北上盆地の雄大な景色のおかげで、頑張れます。15分ほどでお鉢の上に出ました。

ここから岩手山の山頂である薬師岳を目指して歩きます。信仰の山らしく、祠や石碑が随所に並んでいます。それらを見ながら、緩やかな上り基調の道を進みます。一方で道の外に目を遣ると、山の稜線や積雲が眼下に見えます。こうした光景を見ると、天空に来たことを実感しますね。20分ほど歩いて、薬師岳に着きました。

というわけで、ついに岩手山山頂に到着です。山頂看板は裏表両面ありますので、片側が曇天でも反対側が晴れていれば、青空バックで写真が撮れます。こちらで大休止して、雄大な景色を眺めながら昼食パンをいただきます。最初は自分ひとりでしたが、時間が経つにつれて人が増えてきました。とはいえ、平日ということもあり、10人にも満たない人数です。

休憩を終えたら、山行を再開します。せっかくなのでお鉢回りをしようと思います。山頂からの下り道がやや急ですが、そこを越えたら後は軽いアップダウンのみです。途中の岩場には、イワブクロやイワギキョウが花を咲かせていました。お鉢の中にはお椀をひっくり返したような妙高岳がそびえています。何となく登れそうな感じでしたが、下山時間を考えて眺めるだけにしました。

八合目避難小屋まで下りてきたら、トイレに寄ります。何となく往路では寄らなかったけれど、山頂での行程はそれなりに時間があるので、寄っておいた方が安心だったと思いました。それからお成り清水をペットボトルに汲みます。ひんやり冷たくて美味しいです。

往路は旧道経由でしたので、復路は新道経由とします。展望が開けていた旧道に対して、新道は基本的に樹林帯となります。ただし標高が高いところは木々の背丈も低く、時々展望が開ける場所がありますので、景色も楽しめます。

全般的にやや急な部分が多く、ハシゴも数か所使いながら下っていきます。新道も火山性の砂利で結構滑りやすいです。特に急がずに注意しながら進んでいたつもりでしたが、3回くらい尻餅をついてしまいました。通常の山行では多くても1回程度なので、これは異常です。転倒には至らず、ヒヤッとした場面はもっとあります。一度尻餅をついた後に前へ起き上がろうとしたら、今度は前方向に倒れこんでしまいました。斜面で起き上がる際には、横向きで起き上がるべき、という知見を得ました。他には、滑りかけてストックで体勢を保持したまでは良かったものの、そのときに左手人差し指を軽く突き指してしまったようです。

0.5合目まで来たら、タクシー会社に電話をして、20分ほどで下山完了しました。少し待つ想定でしたが、既にタクシーが到着してくれていたので、そのまま滝沢駅へ向かって登山終了です。

今回の山行データは、以下の通りです。

距離13.44km
山行時間7:36:08
経過時間8:14:31
高度上昇1,396m

同じ登山口へ戻ってくるピストン山行ですが、旧道と新道の分岐やお鉢回りによって、色々な景色を楽しめました。時間に余裕があったので、あまり急がない山行でしたが、8時間弱はなかなかのボリュームでした。高度グラフを見ると、上りと下り共にほぼ一定のペースで進めたようです。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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