稚内と利尻島旅行

2024年7月26日から28日にかけて、稚内と利尻島を旅行してきました。一番の目的は利尻山登山です。そこに日本本土最北端である宗谷岬などの観光を組み合わせました。

初日、9時45分ごろ羽田空港に到着しました。稚内行きですのでANA利用となります。JALの場合はくるぶしを覆う靴(登山靴、スノーブーツ含)は検査時に脱ぐように言われますが、ANAの場合は安全靴以外は脱がなくてもよいそうです。

機体は沖止めなのでバスで移動しました。それから2時間ほどのフライトで稚内まで向かいます。稚内空港への降下時に海上に浮かぶ利尻山が見えます。圧倒的な存在感ですね。至近の最高峰が島というのは、不思議な感じです。

13時ごろ、稚内空港に着きました。気温が東京より10度ほど低いので、半袖だと風が吹いた時に少し肌寒さを感じるほどです。荷物を回収したらバスで市街地へ向かいます。副港市場に寄りたかったので港一丁目で下車しました。他にももう少し降りる人がいるかと思いきや、他には1名だけでした。

バス停から少し歩くと、稚内地名発祥の地の案内があります。奥には寺社らしき建物があり気になりましたが、時間にさほど余裕もないので、通り過ぎました。5分ほど歩いて副港市場に到着です。

まずは腹ごしらえを済ませます。向かった先は市場に入って左奥にあるてっぺん食堂です。ほたて塩ラーメン大盛と利尻昆布焼酎を注文しました。ラーメンは結構大きな器で出されて迫力満点です。麺はたまご麵です。大ぶりのほたての身や貝柱も美味しくいただきました。

その後は外を軽く回って、港に停泊している船舶やにしん街道の看板などを見ました。にしん街道はここから松前まで続きます。

それから再び副港市場に戻って、建屋内にある樺太記念館を訪れます。樺太の詳細な史料を見る機会はなかなかないので、興味深く見学しました。なおこちらではマンホールカードを貰えます。

続いてヤムワッカナイ温泉の港のゆにて、温泉に浸かります。褐色でヌルヌルした肌触りで、いかにも温泉といった感じです。内湯と露天とサウナを満喫しました。特に露天は青空を眺めつつ、涼しい外気を浴びられるので、気持ち良かったです。湯上り後はコーヒー牛乳で一服しました。

その後はフェリーターミナルまで急いで歩きます。時間に余裕はありませんでしたが、日本最北の駅である稚内駅と北防波堤ドームを見ておきたかったので、急ぎ足で寄り道しました。

フェリーターミナルに着いたら、窓口で乗船券を購入します。出港時間を20分早いと勘違いして、無駄に急いでしまいました。フェリーに乗船したら、1時間30分ほどの船旅です。宗谷丘陵の風車群を見送りながら利尻島へ向かいます。室内にいてもつまらないので、甲板の椅子席で過ごしました。

やがて平たい礼文島の島影が進行方向の右手に見えてきます。それから正面に利尻島が迫ってきます。船の正面には出られませんが、左舷に回ると利尻島の全景を概ね見ることができます。

鴛泊港に着岸しました。正面の山肌に「ようこそ利尻島へ」の看板が掲げられています。船の後方からは、特徴的な形をしたペシ岬を望めます。下船後は歩いてセイコーマートまで向かいます。ここで夕食と明日の山行用の食料を調達します。しかし時間帯が遅かったためか、惣菜類はほとんど売り切れでした。というわけで、夕飯はインスタント食品のカレーメシになりました。

セイコーマートから来た道を戻って、宿泊先であるかむいりしりにチェックインをします。風呂トイレは共用となります。給湯器は共用部にあるので、そこでカレーメシにお湯を注ぎました。窓の外を見ると見事な夕焼けです。7月下旬ですが高緯度帯で日が長いので、19時すぎに日没となります。明日が早朝出発なので21時には就寝しましたが、この日の朝は特に早起きでもなかったので、なかなか寝付けませんでした。

2日目、3時すぎに起床して4時すぎに山行へ出発しました。海岸で朝焼けを望んで、そこから利尻山に登頂し、利尻富士温泉まで下山しました。登山の様子は、「利尻山登山」の記事をご覧ください。

利尻富士温泉では登山の疲れを癒します。泉質は塩化炭酸泉となります。内湯、露天、サウナと一通り楽しみました。夏場ですが外気は比較的ひんやりとしているので、気化熱で涼しくなれます。湯上り後はファンタオレンジで喉を潤し、マッサージチェアで疲れを癒しました。そしてこのタイミングで夕食のお店を予約しておきました。お店の数が限られる離島では、当日でも予約を入れておいた方がいいですね。

それから隣にあるカルチャーセンター&りっぷ館を見学しました。両館は同じ建屋で繋がっています。カルチャーセンターでは利尻島の分かや歴史が展示されており、りっぷ館では、利尻島の遺跡や発掘品が展示されています。旅先の博物館では、その土地視点の歴史を見られるので、興味深いですね。

その後は市街地へ向かって歩きます。途中にある高山植物園に立ち寄って、高山植物を観賞します。山行中に出合えなかった花を見られるかな、と思いましたが、標高が違うので花期も違っており、思っていた花は見られませんでした。

そしてこの日もセイコーマートへ行き、翌日の朝食等を買い出します。それから宿へ戻る途中、乗用車とバイクの接触事故を目撃しました。一応事故の目撃者なので警察がきて現場検証をする中でも残っていたのですが、防犯カメラがあったので特に証言はなくても良いとのことでしたので、宿へ戻りました。宿へ戻ってアイスを食べたら、予約していた店へお出かけします。

この日の夕食は、和洋創咲いろはにていただきます。18時に着いたら、予約で満席との貼り紙がありましたので、やはり予約しておいて正解でした。まずは登山の喉の渇きを潤すという名目で、生ビール中ジョッキをいただきます。お通しの三品を摘まみながら、味わいます。さらにベラ子の醤油漬けと、たちかま刺を注文しました。たちかまは真鱈白子を用いたかまぼこであり、一般的なかまぼこと比べて、ぷにゅぷにゅ感が強い不思議な食感です。そしてお酒は店名の入った、いろはの芋をロックでいただきます。お酒の進む肴が揃っているので、どんどんいってしまいますね。

そして利尻富士栄泉1合を注文しました。こちらはかつて利尻島にあった酒蔵で造られていたものの復刻版となります。すっきりとして飲みやすいです。先に注文して焼き上がった大きなほっけの開きと共に味わいます。いや~、贅沢な時間ですね。最後は鮭のお茶漬けで締めました。

20時すぎに宿へ戻り、動けるうちに入浴を済ませます。そしてそのまま就寝しました。さすがに飲み過ぎたので、1~2時間おきに目が覚めます。

最終日、6時すぎに起床します。山行の疲れと酒の飲みすぎで体が重いです。支度を済ませたらフェリーターミナルへ向かい、乗船券を購入して乗船しました。すると船上で、前日の交通事故の場に居合わせた関係者の方たちとお会いしました。いやあ、島は狭いですね。

船が出港し、利尻島が遠く離れていきますが、この日はすっぽり雲が覆いかぶさっています。山行の日程が1日ズレていたらかなり危うかったです。前述の通りこの日は朝から疲れており、席でうとうとしていたら、1時間30分の船旅はあっという間でした。

稚内港に着いたら、観光タクシーで稚内市内を回ります。最初はバスで宗谷岬まで行くつもりでしたが、バスの便が少なくフェリーの時刻と組み合わせると、どうやっても不可能でした。それても稚内に来たなら宗谷岬は行きたいと思い、観光タクシーを利用することにしました。

飛行機の出発時刻まで余裕があったので、そこそこ色々な箇所を巡るコースを選びました。最初に向かった先は稚内公園です。船上からも見えた開基百年記念塔まで車で登りました。高台にあるので平地から歩いて登るのはそこそこ大変です。この日は開基百年記念塔の入場料が無料でした。1階部分には展示コーナーがあり、遺跡の出土品や史料、動物のはく製などが展示されています。その後はエレベーターで展望台まで昇り、稚内市内や海の向こうの景色を楽しみました。雲が多い天気でしたが、何とかうっすらとサハリンを望むことができました。

それから公園内の南極観測樺太犬訓練記念碑や氷雪の門に立ち寄りました。それぞれの背景を案内板を見て学びます。

次に向かう先は、ノシャップ岬です。こちらは稚内市街地の延長線上にあり、そこまで最果て感はありません。とは言え、ここから真北にはもう日本がないと思うと、特別な感じがします。広場の中央にあるイルカのオブジェが印象的でした。

続いて稚内港北防波堤ドームに立ち寄ります。神殿のような柱が特徴的です。側面から見ると、ドーム状になっている様子が分かります。こちらは汽車から樺太行きの船に乗り換える際に、高波にさらわれる事故が多かったため、その対策として建てられたものだそうです。当時の船の出港場所は、このドームの先にあったそうです。

次は宗谷岬を目指して移動します。これまで青空が見えて日も差していたのですが、次第に雲が優勢となって、すっかり一面の曇天となってしまいました。宗谷岬へはぐるっと回りこんで移動するので、そこそこ時間が掛かります。宗谷岬方面へ進むにつれて、だんだんと建物の数が減ってきて、最果て感を強く感じてきます。途中、間宮林蔵渡樺出港の地に立ち寄りました。

そして、ついに日本本土最北端の地である宗谷岬に着きました。晴れていたらもっと映えるのでしょうが、曇天もそれはそれで最果て感が増して良いかな、と思います。オブジェの前で記念撮影した後は、高台へ向かいます。こちらには十数匹のエゾシカが草を食んでいます。まるで奈良公園の鹿を見ているような感覚になります。こちらの広場には、旧海軍望楼やあけぼの像、大韓航空機撃墜事故慰霊の祈りの塔など、様々なモニュメントがあります。

その後は帆立の殻で作られた白い道へ立ち寄ります。道中の波打つような宗谷丘陵の景色も印象的でした。「出川哲郎の充電させてもらえませんか」でも登場していた白い道ですが、晴天だと一層見応えがあったんだろうなあ、と思います。

これで一通りの観光スポットは巡ったので、稚内空港へ向かいます。観光タクシーは効率よく色々な場所を巡れますし、各スポットの解説等も聞けますので、いいなと思いました。

稚内空港に着いたら、荷物を預けてチェックインを済ませます。それからエアポートレストランにて昼食をいただきました。食事は、宗谷の塩ラーメンとミニカレーのセットを注文しました。そしてメニューを見て気になってしまい、男山の最北航路ラベルの300mlボトルを注文しました。前2日でお酒が続いていたので、この日は抑えようと思っていたのですが……。枝豆と一緒に旅の締めくくりを堪能しました。しっかりと辛口ですね。食後は、ANAショップで利尻昆布ワッフルクッキーと焼きとうきびのおかきをお土産に買いました。

15時30分手前、羽田空港に向けて離陸しました。機材トラベルで機内WiFiが使えませんでしたが、お酒で頭があまり回らなかったので、特に問題ありませんでした。到着はサテライトでしたので、バスでターミナルまで移動します。サテライト到着は初めてかもしれません。これで今回の旅行はお終いです。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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