今年はレモン彗星(C/2025 A6)が話題なので狙ってみました。明け方に見える時期を既に過ぎてしまっていたので、夕方チャレンジとなります。この条件がなかなか厳しくて、平日で夕方に在宅していることは無理なので、週末などの休日しか使える日がありません。用事のない休日にチャレンジを試みますが、天気が悪い日が多くてなかなか撮影機会に恵まれません。
そんな中11月最初の三連休の最終日に雲がない好天となりました。反対側の東の空には満月に近い月が昇っているので絶好の条件ではありませんが、彗星自体の明るさはちょうど見頃です。なのでポタ赤も持ち出して気合い十分で挑みましたが、結果は不発でした。敗因はいきなりマイクロフォーサーズの75-300mm望遠ズームレンズで臨んだことですね。35mm判換算で広角端150mmとなり、夜空の広さに対してあまりに狭すぎました。以前ZTF彗星を75mmから導入できた経験から今回もいけるかと思いましたが、薄明で目印となる明るい星が肉眼で全く見えない状況でしたので、想像以上に手探りでした。
というわけで絶好の機会を逃してしまい、以降はどんどん撮影条件が悪くなっていきます。それでも諦めきれず、晴れていた11月07日の夕方に職場を少し抜け出してスマホで狙いますが、西空に雲が出ていたのかスマホでは厳しいのか、さっぱりでした。11月10日も夕方に外へ出られる用事があったので狙いましたが、建物が近くて低空が隠れてしまい、失敗です。
そして最後の観測チャンスとなりそうな11月15日と16日、日中は快晴でしたがSCWを見ると夕方にかけて少し雲が広がりそうな予測になっています。ラストチャンスなので祈りながら夕暮れを待ちます。すると予測通り雲が出てきました。西の低空以外は快晴なんですけどね。
前回の反省を活かして、レンズは12-100mmの悪魔のレンズです。日没後40分くらいでまだ市民薄明ですが、既にだいぶ彗星の高度が低いのでこの時間から狙います。この明るさだとカメラのライブモニタでは全く星が見えませんね。そこでStarWalk2のARを活用してみました。これだと高度が分かりやすくて良いです。アプリで大まかな位置を捉えて、カメラの広角端で撮影し、拡大再生しながらレモン彗星を探します。するとそれらしき淡い光を捉えることができました。出来れば周囲の星の並びで確実に照合したかったのですが、如何せん空が明るすぎて駄目です。
まるで染みのような映りですが、これまでの彗星撮影の経験から、街中においてこの程度の装備で映せる姿はこんなものだと理解しています。いつかもっと良い撮影条件の下で彗星を狙ってみたいですね。
翌日は雲の多い予報で、実際全天に雲が点在していましたが、青空も見えていたのでワンチャンあったかもしれません。ただ撮れたとしても前日と大して変わらない内容だろうと考え、止めておきました。


