火打山妙高山縦走~初日(火打山)

2023年08月15日、前泊していた囲炉裏の宿ヴィーケンから、笹ヶ峰登山口まで送ってもらいます。登山口にはゲートがあり、管理の方がいます。ここで任意の協力金500円の支払いを行ないます。登山届や携帯トイレの自販機などの設備もあります。前日に山小屋から、渇水のため小屋のトイレが使えないという連絡を受けていたため、こちらで携帯トイレを4個ほど買っていきました。

さっそく登山開始です。早朝で薄暗い樹林帯を緩やかに上っていきます。道中には火打山山頂までの距離を9分割で示した標識があり、良い目安になります。そこそこ標高があり、且つ早朝ですが、既に暑いです。ここのところフェーン現象により、新潟県の気温は異常に高くなっており、山の中も例外ではありません。

40分ほど歩くと黒沢橋に出合いました。川の流れのおかげで辺りの空気がひんやりしており、気持ちが良いです。黒沢橋を過ぎると少し急な登りになり、再び汗が噴き出します。ここまで曇天でしたが、周りの葉が雨を受ける音が聞こえ始めました。小雨であり、且つ樹林帯ということで、レインウェアを着るほどではありません。空を見上げると青空も一部見えるので、また持ち直しそうです。

20分ほど歩くと、十二曲りに出ました。その名前の通り、12回のカーブが続く九十九折の上り道になります。1個ずつのカーブ間の距離はそれほどないので、気づいたら登り終えている感じです。

その後は再び緩やかに上っていきます。途中、携帯トイレブースのテントが登山道脇にありました。自分が気づいたのはこの1箇所だけです。1時間ほど歩いて富士見平に到着です。

まず火打山方面に向かうので、左側へ進みます。ここから高谷池ヒュッテまでは高低差も少なく、景色を望みながら歩けます。ややガス気味なので、遠くの山々の稜線などは楽しめませんが、花が賑やかな季節なので色とりどりな足元を楽しみました。

9時手前に高谷池ヒュッテに着きました。本日の宿泊先ですが、さすがにチェックインには早すぎるので、そのまま火打山へ向かいます。渇水の影響で高谷池もだいぶ小さくなっています。

しばらくは木道を歩きます。火打山方面と黒沢池方面の分岐を左へ進み、高谷池の周りをぐるっと歩いていきます。途中から上りとなり、後ろを振り返ると高谷池の全貌を望むことができます。目線が低いと良く分かりませんでしたが、幾つかの池塘が点在しています。

そこから緩やかに上った後、再び下ります。ここ一帯に広がっている湿原が、天狗の庭となります。池塘が点在していて、とても気持ちの良い景色が広がります。曇天なのが残念ですが、一瞬日が差したりもしました。台風の影響もあってか、風がかなり強くて、池の水面の波立ちが印象的でした。この先標高が上がると風の影響がさらに大きくなりそうで、不安です。

天狗の庭を抜けたら再び登っていきます。右手を望むと、日本海がうっすら見えます。やがて岩場が現れて、そこを少し登ると、ライチョウ平に出ました。ライチョウという名前が付いている通り、以前はここでライチョウをよく見かけたそうですが、現在ではほとんど見られないとのことです。この先で、目の前に少し大きめの鳥が歩いていたのでライチョウか?!と思ったら、ホシガラスでした。

しばらく歩くと、山頂直下の急登が始まります。ただ登りよりも何よりも、強風がきついです。ガスも濃くなり辺りは真っ白で、眺望もありません。時折体を持っていかれそうになるので、風を受けないように低い姿勢で進みました。このあたりは天候的にもライチョウチャンスだったのかもしれませんが、風がきつすぎて探している余裕はありませんでした。

風を耐え忍びながら登り続けて、ついに山頂に到着です。標高2,461メートルになります。途中の上り道に比べると、風は多少弱くて助かります。周囲はガスで真っ白ですが、上の方は時折日も差すので明るいです。山頂看板の撮影を済ませた後は、宿で作ってもらったおにぎりをいただきます。

少し粘りましたがガスは晴れそうにないので、下山することにしました。真っ白で強風の吹く中下山していると、急にガスが晴れ始めました。上の方は真っ白ですが、下の方は天狗の庭あたりまで見渡せます。振り返ると青空まで見えており、もしかしたら山頂も晴れたのかもしれません。もう少し粘っていればと悔やまれますが、場所や時間の少しの違いで様子も変わるので、何ともいえません。戻れない距離ではないですが、面倒なので戻りません。

強風は相変わらずですが、景色が良いと印象もだいぶ変わります。レンズキャップが飛ばされないように注意しながら、何枚もシャッターを切りました。日本海の海岸線もだいぶ鮮明に望めるようになりました。

ライチョウには出合えませんでしたが、カヤクグリなどを撮影しつつ、下山を楽しみます。レンズ交換なしに35mm判換算で望遠200mm相当まで寄れるのは、野鳥のお手軽撮影ではありがたいです。火打山はとにかく景色が良いのが印象的でした。下山時には部分的にでも晴れてくれて良かったです。

12時30分すぎに高谷池ヒュッテに戻りました。チェックインを済ませて自分のスペースに荷物を置きます。どうやら一番乗りのようでした。山小屋泊では疲労か空気の薄さからか、軽い頭痛を覚えることが多いのですが、この日はそうした症状がまったくなくて快適でした。

書籍などの時間潰しを持ってきておらず、携帯の電波もピンポイントでしか入らないので、高谷池前の広場でぼけ~っと過ごします。小屋で買ったコーラを飲みつつ、何もしない贅沢を堪能します。気が向いたら花を見たり、池を見たり、雲を見たり、界王星のような暮らしです。天気は曇天メインで時折日が差す感じでしたが、全体として徐々に下り坂でした。明日の妙高山の天気は芳しくなさそうですね。

やがて夕食の時間となりました。夕食はカレーライスとハヤシライスを選べます。お代わりをして両方味わいました。そしてせっかくなので缶ビールもいただきました。宿泊者は合わせて4名であり、お盆休みの時期としてはとても空いています。その理由は台風です。台風の進路である関西方面はもちろん、関東方面の客も早い段階でキャンセルする人が多かったそうです。実際元々の予報では関東寄りのコースでしたが、そこから大きく西に逸れた格好です。

食後は、玄関ロビーで火打山を紹介するビデオ上映があり、その後NHKの天気予報が放送されました。やはり少なくとも明日の午前中は雨のようです。

なお、当初使用不可の案内を受けたトイレについては、使用可能となっていました。ひと安心です。そして20時すぎに就寝しました。前述の通り頭痛等もなく、わりとよく眠れました。

山行データは翌日の妙高山とまとめていますので、こちらでは割愛します。記事に載せきれなかった写真は、以下をご覧ください。

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