2024年05月25日、八丈島にある八丈富士に登ってきました。しま山100選の一座です。一般的には7合目登山口から登りますが、今回は空港から直登しました。空港を出て即登山が可能な山は多くありませんので、試してみようと思いました。
車で登る富士展望の路を歩いても良いですが、空港から多少距離があります。そこで八丈町クリーンセンター傍にある林道富士縦断線から登ることにしました。空港ターミナルを出てすぐ右手の階段を登り、北へ進みます。車道は行き止まりになっていますが、その先へ林道が続いています。八丈富士を眺めつつ、道端の草花を楽しみながら、歩きます。天気は良いですが、八丈富士の上の方はガスが掛かっていますね。梅雨が近い時期は、このようにガスってしまうことが多いそうです。遠くを見渡すと、島全体がうっすらガスっている感じです。
林道富士縦断線に入ります。舗装はされていますが、草や石などが目立って山道です。時折日が差す区間もありますが、基本的には木陰が続きます。標高が低い地点で涼しく過ごせるのはありがたいです。5月とはいえ、軽く汗ばむ程度には暑いです。一方で日が当たらないため、路面が湿っており、苔などが生えている箇所は滑りやすいので、足元に注意が必要です。
やがて正面に柵が現れ、この先オフロード車専用の標示がありました。ここを起点に道が荒れます。基本轍に沿って歩く形になります。足元も歩きにくいですし、低木の枝などが邪魔をするシーンも出てきます。後は人があまり通っていないようで、道中に蜘蛛の巣が多いのが、地味に鬱陶しかったです。ただ勾配は全体的に緩やかですので、登るのが難しいほどの悪路ではありません。
やがて富士展望の路に合流します。ここから舗装路を登っていくと、富士登山口とふれあい牧場の分岐に出合いますので、右に進みます。舗装路へ出て少ししてから曇り気味になり、7合目登山口へ着く頃にはすっかりガスに包まれました。登ってくる途中で、一瞬山頂が晴れたタイミングがあったので好転を期待しましたが、駄目でした。
登山口に案内のある登山届のQRコードは、自分のスマホでは未対応形式で読み取れなかったので、メールで提出しました。ここからお鉢回りの分岐点まで、1280段の階段を延々と登ります。階段の脇にはコンクリートの側道があり、階段よりも楽な場面がありますが、勾配のきつい箇所では踏ん張るために筋力を使いますので却って疲れる印象でした。
保護柵を越えてしばらく歩くと、階段の中間地点の案内標に出合います。お鉢回り分岐点が近づいてくると勾配が緩やかになってきます。大体30分くらいで到着しました。
お鉢回りはここまでの登山道と違って風が強いです。さすがに半袖だと寒さを感じたので、ウインドブレーカーを着ました。身体を持っていかれそうな強風が吹くこともありますので、耐風姿勢などに注意をして進みます。周りは一面真っ白ですが、火山らしい黒色の地面とそこに生える緑色の草原が印象的です。特に火口側は鋭く切れ落ちていて、ガスで底が見えない分、余計に恐ろしさを感じます。道は基本的に歩きやすいですが、普通に山道ですので、登山靴があった方が安心です。
まずは標高854メートルにある山頂標まで歩いて記念撮影をしました。晴れていたら、島や海が見渡せて絶景だったのでしょうが、今回は完全に白背景です。この際に強風でカメラケースが飛んでいってしまい見失ってしまったのですが、居合わせた山行者に教えていただき、助かりました。この先も含めて、何度かお話しさせていただきました。カメラケースは本体ストラップに留めて対処しました。
強風で眺望もないしお鉢回りで1周するか迷いましたが、時間もありますし、もしかしたら途中で晴れるかもしれない、という期待も込めて、1周することにしました。まあ、結局晴れなかったのですが。なおお鉢回りのルートには、ルートを示す案内標があります。あれ、遠回りでは?と思うこともありますが、逆のルートを選ぶと行き止まりになっているので、素直に従った方が良いです。
お鉢回りを終えたら、次は火口内部へ下ります。途中で二手に分かれますので、まずは右手に進んで浅間神社に向かいます。木道などがあって歩きやすい道です。10分ほどで浅間神社に着きました。ドラえもんやドラミちゃんなどを模したカラフルな石が供えられています。
参拝を済ませたら、奥にあるスペースから火口内部を見下ろします。しばらくはガスで真っ白で全貌が掴めなかったのですが、徐々にガスが晴れて内部を見渡せるようになりました。底には森が広がっており、落ちたら戻ってくるのは大変そうです。
その後はもう一方の分岐先である中央火口丘へ向かいます。こちらは入口に、悪路や遭難注意などの文言が並んでいて、圧をかけてきます。実際の難易度としては、普段から山に登っている人でしたら特に問題のないレベルです。ただし、浅間神社までの道と比べたら、泥濘も多くて道も歩きにくいです。道も迷いそうな箇所がありますが、こちらはピンクテープや立ち入り防止ロープなどがあるので、大きく問題にはならないと思います。
中央火口丘自体は森の中に地点標があるだけですが、そこから道なりに進んでいくと、池に出合います。最後低木が茂る道を抜けていきますが、池側から見ると帰り道は結構分かりにくいので、大体の場所を覚えておくことが大切です。また池の周りの地面は水気が多くてブヨブヨしています。足を取られないように注意が必要です。
その後はお鉢回り分岐点まで戻り、7合目登山口まで下山します。階段部分を歩くと膝にダメージが入り、今回はストックを持ってこなかったこともあって、階段脇の斜面を下っていました。ところが結構急だったこともあり、前方に右膝を突くような形で転んでしまいました。コンクリート上を擦るような形で滑り落ちたため、登山ズボンは破けて膝下は流血状態です。とりあえず手持ちの絆創膏を傷口に当てましたが、範囲が広くて少量の手持ちでは間に合いませんでした。浅くはない擦り傷ですが、血が止まらないような状況ではなかったため、しばらく安静にして血が止まるのを待ちます。打ち身はなかったことが不幸中の幸いです。これを契機にファーストエイドキットの見直しが必要ですね。
7合目登山口に下りたあとは、ふれあい牧場に立ち寄ります。牛たちがのんびり草を食んでいる光景は癒されますね。ここまで下りてくると、白んではいますが島や海の様子を見渡せます。昼食をとっておらず小腹が空いたので、自販機でSOYJOYを買いました。
その後は富士展望の路をひたすら下っていきます。膝下の負傷を鑑みて、往路で使った富士縦断線は使わないようにしました。道中には浅間神社の三の鳥居から一の鳥居が建ち並んでいます。
富士山道入口交差点に出合ったら、空港ターミナルに向かって歩き、ターミナルに着いたらゴールです。
今回の山行データは以下の通りです。
距離 | 16.94km |
歩行時間 | 6:00:32 |
経過時間 | 7:13:17 |
高度上昇 | 940m |
高度下降 | 952m |
平均心拍数 | 107bpm |
八丈島空港から林道経由で登り、お鉢回りをして山頂を経由し、火口内部も浅間神社と中央火口丘の両方を訪れました。帰りはふれあい牧場に立ち寄り、富士展望の路経由で下山しました。八丈富士をほぼ満喫しきるコースだったかと思います。ガスは残念でしたが、時期的に避けがたいようでした。
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