白山登山

2024年10月14日、白山を登ってきました。当初は日帰りのつもりでしたが、バスの時刻を調べてみると宿泊前提のダイヤとなっていたので、急遽白山室堂を予約しました。ちょうど今シーズン最終営業日の宿泊となりました。

金沢に前泊して、金沢駅前を6時15分のバスで市ノ瀬まで向かいます。途中道の駅しらやまさんで休憩を挟みつつ、2時間ほどで市ノ瀬に着きました。ここからシャトルバスに乗車します。事前に乗車券を購入する方式で、券売機と有人窓口がそれぞれあります。シャトルバスで林道を15分ほど登ると、登山口となる別当出合に到着です。

登山センターがあり、ベンチ等も用意されているので、こちらで山行準備をしつつ、朝食をいただきます。登山届もこちらで提出できます。下山は観光新道を使うつもりでしたが、別当出合と観光新道を繋ぐ道がしばらく不通となる案内が出ていました。

準備を終えたら、鳥居をくぐって山行開始です。吊橋を渡っていくと、樹林帯の明るい道へ入っていきます。道は整備されていて歩きやすいです。しばらくすると急登となりますが、ここは上り専用となり、下りは別ルートとなります。荒島岳と比べて標高が高い分、非行動時は寒さを感じたのでソフトシェルのアウターを着ていたのですが、歩いているとすぐに暑くなったので脱ぎました。

30分ほど歩いて、中飯場に到着です。広場になっており、休憩をとるのに良いです。さすがに休憩するにはまだ早いので、先へ進みます。

石で組まれた階段を登っていくと、やがて右が開けた道に出ます。遠くを見遣ると、不動滝が見えます。かなり距離がありますが、豪快な流れを望めます。しばらく登ると、今度は左が開けてきて、奥に山肌が屏風のように広がります。別当覗というビュースポットもあります。

別当覗を過ぎたあたりから、次第に見頃を迎えた紅葉が現れ始めました。これまでも黄葉など葉の色づきは見られたのですが、ここからは赤色も加わって一層鮮やかになります。

中飯場から1時間ほど歩いて、高飯場に到着しました。そしてそこから少し進むと、甚之助避難小屋があります。ここも結構スペースがあるので、休んでいる人が多いですね。白山は道中にこうした広場が多く、登山道も幅がある部分が多いので、たくさんの登山者が訪れても比較的混み合わない印象です。

さて、まだ休む必要はないので、先へ進みます。ここから先は絶景オンパレードです。展望が開けて、紅葉も進んでいるので、カメラのバッテリー残量に要注意です。15分ほど歩くとエコーラインとの分岐路に出合います。往路は黒ボコ岩経由で登るので、左手に進みます。

勾配も緩やかなので、景色を楽しみながら進みます。途中、アサギマダラが何度も自分の顔に留まろうとしてきて、人への警戒心の無さに驚きました。

しばらく緩やかな道が続いていたのですが、十二曲りで一気に高度を稼ぎます。細かく九十九折しながら、黒ボコ岩を目指して登っていきます。道は歩きやすいですが、ペースを調整しないと息が上がります。あと見晴らしがよい分、結構高度感があります。途中に霊峰白山延命水がありますので、喉を潤せます。

十二曲りを登りきると、黒ボコ岩が眼前に現れます。丸形の黒っぽい大岩ですが、こちらは火砕流によって山頂部から運ばれてきた火山弾となります。上に乗ることもできるようです。

この先は弥陀ヶ原となります。奥に白山が鎮座する中、木道で湿地帯の中を歩いていきます。ここはボーナスタイムですね。草紅葉が進んでおり、萌えるような絨毯となっています。さすがに花は見られませんでしたが、ナナカマドが赤い実を付けており、草紅葉の中でアクセントとなっていました。

弥陀ヶ原を抜けたら、五葉坂を10分ほど登って、白山室堂ビジターセンターに到着です。五葉坂は半分岩場のようになっており、適度なアスレチック感が楽しいです。

本日は白山室堂に宿泊しますが、チェックインは13時開始なので、御前峰を望める広場で休憩して昼食をいただきます。本当は名物の生ビールをいただきたかったのですが、翌日が小屋閉めということで販売していませんでした。というわけで、本搾りを缶で買っていただきました。空気はひんやりしていますが、日が出ていれば暖かいです。

チェックインを済ませたら、部屋に入ってアタックザックの準備をします。平日なのであまり混んでおらず、2人分のスペースを一人で使えました。

ビジターセンターの正面には、白山比咩神社祈祷殿が建っていますが、今シーズンは既に閉まっており、お賽銭を入れる場所もなさそうなので、お参りだけしておきます。そしていざ御前峰に向かって登ります。

15分ほど登ると青石に出合います。看板の正面に大きめの岩があったので、こちらが青石ですかね。さらに10分ほど登っていくと、高天ヶ原に出合います。高天ヶ原はちょっとした広場になっており、白山の山肌を望みつつ、室堂を見下ろすことができるスポットとなります。

さらに20分弱歩いて、山頂に到着しました。まずは白山比咩神社奥宮に参拝します。こちらはお賽銭を入れることができました。

それから山頂標や三角点を撮影して、方位盤などを見て回ります。山頂は人も少なく、静かな雰囲気です。天気も良いので、最高の眺めを楽しむことができました。

小屋泊なので下山のことを考える必要がなく、のんびりと山頂での時間を満喫します。登ることはできませんが、剣ヶ峰の山容を楽しんだりします。それから岩場に飛んできたイワヒバリの撮影を頑張ってみました。

この後はお池めぐりに向かいます。九十九折のザレ場を下っていきます。ここまでのかなり歩きやすい登山道に比べて、若干足元に注意が必要です。ただ見た目ほど難しくはなく、やはり歩きやすいように整備されているなあ、と感じました。

御前峰を下りきったら、軽いアップダウンをしながら、お池を巡っていきます。紺屋ヶ池を過ぎてしばらく歩くと、翠ヶ池が見えてきます。青色をした美しい池です。池の奥方面が開けており、山々の稜線を望むことができるので、とても画になります。

その後は血の池、千蛇ヶ池、五色池を巡っていきます。途中室堂への近道がありましたが、水平距離は短いけどアップダウンを挟むので、大回りルートを選びました。こちらのルートは大きく九十九折で下っていき、最後はほぼ平坦な道を歩くコースとなります。

日が落ちてきたことと、風が抜けることが影響しているのか、室堂へ戻るコースは結構寒かったですね。さすがに水屋尻雪渓は、もう跡形もなかったです。

白山室堂に戻った後は、フリースを着こんで、夕日に照らされる御前峰や雲海の様子を楽しみます。日が落ちてくると一気に冷え込んできます。

その後は食堂で食事をいただきます。肉団子がメインメニューです。窓の先には沈みいく夕日を見られました。雲が多くて見えないかなー、と思っていましたが、嬉しいサプライズです。

食後はマジックアワー観賞と紫金山アトラス彗星観賞チャレンジです。多くの人はマジックアワーまでを楽しんだ様子で、だいぶ暗くなる前に去ってしまいました。自分は彗星チャレンジで結構粘りました。フリースを着ていても結構冷えるので、ダウンジャケットも持ってきた方が良かったです。チャレンジ結果ですが、見事に肉眼で彗星を見ることができました。そして写真も撮影できました。詳細はこちらの記事をご覧ください。

その後は部屋へ戻り、まったり過ごします。携帯の電波は部屋の中でも入ります。ただ電波を捕まえるのに多少手間取るのか、接続を確立できるまでに若干時間を要する場合があります。20時くらいに就寝しましたが、あまり疲れていないこともあってなかなか寝付けず、22時ごろにようやく眠れた気がします。

翌朝は5時すぎに起床しました。5時30分すぎに展望台へ向かい、朝日撮影のスタンバイをします。少し雲が多いですが、朝日に照らされる雲の様子も良いものです。肝心の朝日は、雲の隙間から姿を捉えることができました。

その後は次々と飛んでくる輸送ヘリの姿を眺めます。この日が小屋閉めということもあり、来シーズンの準備に向けて大量の輸送があるようです。ヘリが来ている間は通行可能エリアが制限されます。

6時30分すぎに朝食をいただいたら、しばらくまったりします。あまり早く下りてもバスの時間まで動けないので、広場でペプシコーラを飲みながら御前峰を眺めていました。すると一瞬のうちに御前峰がガスに覆われてしまいます。早朝はすっきり晴れ渡っていたのに、山の天気は一瞬で変わります。

8時40分ごろ、下山を開始します。五葉坂を下りたら、弥陀ヶ原をエコーライン方面へ進みます。ガスが掛かっていますが、それなりに遠くまで見えます。それから南竜道へ向けて下っていきます。

南竜道に合流したら、左に開けた展望を楽しみつつ、砂防新道へ進みます。砂防新道の下りは、幾つか滑りやすい岩があるので、足元に注意が必要です。歴代の登山者に踏み磨かれて、テカテカになった岩はよく滑ります。

高飯場あたりで青空が見えて、日も差してきました。ただ予報通り、その後は再び曇天となりました。もうすぐ下山完了というところで職場から来たメールを処理しつつ、中飯場で残っていた惣菜パンを食べて、先へ進みます。

最後は下り専用ルートで初見となります。勾配を緩やかにして距離を伸ばしています。水が登山道に流れ込んでいる箇所が幾つかあり、軽くぬかるんでいるので足元に気を付けます。

こうして12時手前に下山完了しました。ちょうど12時発のシャトルバスがあったので、慌てて券売機でチケットを買って乗車しました。

市ノ瀬ビジターセンターに着いた後は、白山温泉永井旅館にて、温泉を楽しみます。泉質は、ナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉です。源泉は37度と湯温が低めなのですが、源泉そのままを楽しめる湯舟と加温した湯舟があります。湯上り後は少し冷えますが、ずっと入っている分には源泉の湯舟のほうが気持ちいいです。

その後は市ノ瀬ビジターセンター内を見学して、13時30分発のバスで金沢駅へ向かいました。

今回の山行データは以下の通りです。

日程2024/10/14
距離16.57km
歩行時間8:15:09
経過時間26:56:10
高度上昇1,412m
平均心拍数119bpm

別当出合から上り、往路は黒ボコ岩経由で弥陀ヶ原に入りました。その後は白山室堂に荷物を置いて、アタックザック装備で御前峰に登頂し、お池めぐりをしました。帰りはエコーライン経由で弥陀ヶ原を通り、南竜道から砂防新道へ入って、別当出合へ下山しました。

高度グラフは下り工程の方が長く見えますが、御前峰を先に登頂した後にお池めぐりをしているためです。全体的に登山道はよく整備されており、急坂も少ないので、下山時のペースアップはしやすいです。

2日目は天気が下り坂でしたが、1日目は文句なしの快晴で、絶景続きの満足の山行となりました。特に先月は雨天山行となることが多かったので、天候に恵まれた山行の楽しさを思い出しました。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする