荒島岳登山

2024年10月13日、福井県にある荒島岳を登ってきました。だいぶ遠いですが、登山口は電車の駅から歩いて20分程度なので、東京からでもギリギリ日帰りが可能です。ただし片道5時間程度掛かるので、さすがに日帰りは忙しないと思い、宿泊して白山登山と組み合わせました。

6時16分、東京発の北陸新幹線に乗って福井駅まで向かいます。ここからハピラインふくい線に乗り換えるのですが、ICカードが使えない区間となるので券売機に並ぶ必要があります。三連休ということもあり、わりと人が多くて、10分間の乗り換え時間ではかなりギリギリでした。電車は結構混んでいましたが、一乗谷で多くの人が降りて、だいぶ車内は空いて着席できました。

10時40分ごろ、勝原駅に着きました。さっそく山行準備を済ませたら出発します。登山口が駅から出て左方向にあるので、そのまま左方向へ進んでいたのですが、道が1本違うことに気づいて逆戻りです。一旦右へ進んで、そこから左へ折り返す必要がありました。

幹線道路に合流してしばらく歩いていくと、荒島岳登山口の看板が見えてきます。なお勝原駅にはトイレはありませんが、登山口の駐車場にトイレがありますので、こちらで用を済ませます。

ここから登山となりますが、最初はかなりの急勾配の舗装路を登ることになります。周囲には桜が植えられており、春は絶景を望めそうです。今の時期は奥にススキが頭を垂れる様子を見られます。しかし、ここの道は日差しを遮るものがないので、結構暑いです。盛夏の登山があまりお勧めされない理由が分かりました。

急勾配を登りきると、細い樹林帯の道を登っていきます。この道はしばらく山陰に入るので、日陰となります。10月中旬でしたが、イヌタデやナギナタコウジュなど花はそれなりに見られました。ところどころ日が差す場所もあり、青空と木々の緑を楽しみます。標高が低いので、歩き始めだと紅葉はまだ進んでいない様子ですね

しばらく登ると、リフト終点跡地に到着です。動輪のような大きな金属の円い型があり、これがリフトの遺構でしょうか。こちらにも荒島岳登山口の案内標があり、リフトが動いていた頃はこちらから登山開始というコース取りが出来たのでしょうね。

リフト跡地のエリアは開けているのですが、再び樹林帯の中へ入ります。登り進めていくと、トトロの木が見えてきます。こちらは残念ながら2018年の台風で倒れてしまい、現在では根元しか見られません。

次のスポットは白山ベンチです。その名前の通り、目の前に白山連峰を見渡せる場所にベンチがあります。この時は残念ながら山の頭には雲が掛かっている状態でしたが、山体の様子を望むことができました。写真を撮る前に他の登山者が来てベンチで休憩してしまったので、ベンチの写真は下山時に撮影しました。

やがて平坦な道が続く区間に入ります。そんな中に深谷ノ頭はあります。特段目立つものはないように思われ、名称の由来はよく分かりません。

13時25分ごろ、シャクナゲ平に着きました。開けていますが、周りを木々に囲われているので、眺望はありません。

先へ進みます。ここから少しの間下り道となります。途中にある佐開分岐を直進して下りきると、その先に待っているのが、もちが壁です。

もちが壁は、階段や鎖、ロープがあり、かなりの急勾配を一気に登っていきます。地面が粘土質で足元もかなり滑りやすいので、注意が必要です。登ってきた道を振り返ると道が見えないほどに急です。

ただ標高が上がるにつれて、周囲の景色が得られる区間も増えてきて、紅葉も進んでいます。ある程度急勾配を登り終えると、尾根歩きとなります。最後に岩壁をよじ登っていくと、中荒島岳に到着です。

その後はゆるやかに尾根道を歩いていくと、標高1,523メートル、荒島岳山頂に到着です。出発した時間が遅かったこともあり、山頂は空いていました。ただ1~2名は他にいる形で、独り占めとはなりませんでした。

標高はそれほど高くありませんが、独立峰なので周囲に遮るものがなく、気持ちの良い景色が広がります。下界は結構暑い日でしたが、さすがにここまで標高を上げると、程よい涼しさです。遠くに見える雲と同じくらいの目線であり、天空に来たことを感じさせてくれます。

方位盤や三角点を見て回り、延喜式内小社荒島神社に下山の安全を祈願しておきます。

夕食はフリーズドライの山菜おこわです。お湯は朝沸かしたものを山専用ボトルに淹れてきました。出来上がるまで15分程度掛かりますが、それを待ちながら山頂からの景色を楽しむ時間も好きです。いいやあ、贅沢な時間ですねえ。

ひとしきり満喫したら下山を開始します。出発が遅かった分、日没まであまり余裕はありません。往路では結構長く感じたもちが壁ですが、下山時はだいぶ短く感じました。ただ足元が滑りやすいので、だいぶ気を遣いながら下りました。

急勾配区間を抜けて油断したのか、比較的緩い斜面で木の板に足を滑らせてしまい、転倒しました。幸いザックがクッションになってくれたおかげでノーダメージです。

もちが壁を越えてしまえば、比較的歩きやすい道が続きます。ただ登山道にコの字型の金具が埋め込まれている場所があり、うっかり足を引っ掛けて転んでしまいそうで、注意が必要です。

日没までに下山するつもりでしたが、少しだけオーバーしてしまいました。夕焼けを見ながら、足早に下ります。最後の区間では、足の爪を負傷したらしい登山者が大変そうに下山していました。ただ行動不能ではないので大丈夫かと思います。登山口では連れと思われる方に様子を尋ねられました。

登山口から勝原駅まで街灯がない区間があるので、ヘッデンを装備して駅へ向かいます。勝原駅に着いたら、山行は終了です。

今回の山行データは以下の通りです。

日程2024/10/13
距離13.40km
歩行時間6:34:55
経過時間7:05:00
高度上昇1,321m
平均心拍数123bpm

比較的歩きやすい感じで紹介されている記事を見かけますが、それは標高の低さに起因していると思います。実際には標高差1,300メートルほどを登る必要があり、地面も粘土質で滑りやすいことから、わりと大変な印象でした。現に下山者が躓いて、登山道を一回転しながら文字通り転げ落ちていく様子を目撃しました。とりあえず大事はなかったようですが。体幹がある程度ないと危ないかなー、と思いました。また10月中旬の登山でしたが、標高が低いので山全体の紅葉はもう少し先という印象でした。山頂エリアはそれなりに色づいていて、楽しめました。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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