恵那山登山

2023年10月29日、恵那山を登山してきました。最初はいつも通り電車で最寄り駅まで行く形を考えていましたが、恵那山は公共交通機関を辿っていくのは結構大変です。そこで、以前から興味はありつつ試せていなかった夜行バスを使ってみることにしました。わりと直前の予約でしたが、何とか席が残っていて無事確保しました。

事前に自宅近くのなか卯で夕食を食べて、毎日あるぺん号の出発する竹橋駅に向かいます。東海汽船の船が発着する竹芝と文字の順番だけが違うという、山と海の出発地点の共通点が面白いです。あと、ずっと勘違いしていましたが、毎日旅行が運営しているから毎日あるぺん号なのですが、毎日運行しているから毎日あるぺん号だと思っていました。

余裕をもってだいぶ早く着きましたが、出発15分前に受付開始なのでもう少し遅くても良かったと思いました。自分はオーバーナイトフライトでも眠れないタイプなので、今回も基本眠れない前提でしたが、予想以上にきついですね。まあ慣れなのでしょうが、国際線のエコノミー席よりはきついです。そして1時間半から2時間おきにサービスエリアで休憩のため停車するので、基本細切れの睡眠となります。でもこの休憩が気分転換になって良いです。止まったのは、談合坂SA、諏訪湖SA、座光寺PAです。その後、野熊の庄月川にてマイクロバスに乗り換えます。山道を走り、広河原登山口駐車場に着きました。

周囲はまだ真っ暗です。ヘッドライトを取り出して装着します。そしてとても冷えるので、ダウンジャケットを着込みます。一方で空を見上げると満天の星空が広がっています。さすが星空で名を馳せる阿智村です。手持ち撮影を頑張ってみますが、さすがに上手く撮れませんでした。一通り準備を済ませたら、峰越林道を歩いていきます。要所要所に反射材があるので、道の様子がよく分かります。自分のヘッドライトは足元はさほど明るくないけど、その分光が遠くまで届きます。

広河原登山口に着いたら、諏訪湖SAで買った戸隠大根味噌漬おにぎりで腹ごしらえします。周囲はまだ暗いですが、空を見上げると少し明るくなり始めています。体もそこそこ暖まっているので、ダウンジャケットは脱ぎました。

ここから本格的な登りになります。沢にかかる一本橋を渡り、薄暗い朝の山道を登っていきます。途中紅葉した木々を見つけましたが、日が差していないのであまり色が映えません。登り始めておよそ40分後、ようやく太陽が顔を見せて、日が差し始めました。

10分の4の看板を越えると、空が広くなって少し展望が開けてきます。左手を見ると一気に視界が広がり、南方の山の峰々を見渡せます。笹に囲われながら進む登山道の先も、紅葉した木々が広がっていて気持ち良い景色です。

途中ロープ場などありますが、特段難しい箇所はありません。時折現れる展望エリアを楽しみつつ、樹林帯の中を登っていきます。

そして空が広くなってきたところで、山頂エリアに到着です。山頂エリアは縦長になっており、端から端まで結構歩きます。広河原登山口から登ると、最初に着くのは櫓のあるエリアです。周囲は木々に囲われていて展望がありませんが、櫓の上に登っても結局木々に遮られて眺望を得られません。

次のエリアへ向かおうとすると、恵那山神社の本社があります。神坂峠から登ってくるとこちらが最後のエリアになるのですが、広河原登山口から登ると最初に本社を参拝する形となり、そこから六乃社、五乃社と逆に辿っていくことになります。

樹林帯の中を抜けていくと再び広場に出ます。ここは御社があるものの、それ以外は特にありません。ここも木々に遮られて眺望はありませんが、開放的な雰囲気なので休憩スポットに良いと思います。敷かれていた板には霜が降りていました。

ここからさらに進むと、山頂避難小屋のあるエリアとなります。こちらには避難小屋とは別の建屋のトイレもあります。こちらも基本的に展望はないのですが、小屋の裏手にある岩場に登ると南アルプス方面を少し見渡せます。この岩場は小屋裏から岩を直接登っても良いですし、登山道から回り込んでも行けます。さらに岩場にある岩の上に登ると、木々に全く遮られない完全な眺望を得られます。ただし自分の身長以上の高さの岩の上であり、風が強い時は危ないかと思います。

恵那山最高点を求めて進むも、三乃社に出合い、その先は下る一方のようです。というわけで来た道を戻って探したところ、東側に入る道を発見したので少し進むと、そこに恵那山最高点の標がありました。

その後は山頂避難小屋の広場にて休止です。持ってきた惣菜パンで朝食を済ませます。携帯の電波は入りますが、あまり安定はしませんね。

食事を終えたら、先ほど行った岩場へ向かい、今度は岩の上の一番高いところに登って、景色を楽しみました。雲を被った南アルプスの稜線が壮観でした。

一通り満喫したので、下山します。ルートは往路と同じピストンです。日がだいぶ登ってきたので、山肌などの色が映えてきて見応えがあります。

景色は良いけど結構泥濘などが多くて滑りそうだなあ、と思いながら注意して下っていたのですが、少し後続を意識してスピードを上げたところで、見事に尻餅を突いてしまいました。運の悪いことに、ちょうど尻を突いた場所に岩があったため、左のお尻がはっきり分かるほどに腫れてしまいました。不幸中の幸いで、歩行に支障はほぼなかったので、そのまま下山します。ただその後数週間、着座するたびにお尻が痛かったです。今後同じように転ばないように、ストックは110cm以上で十分に長くして、足より先に出し、ペースを乱さず下りたいと思います。ただ経験的に落ち着いて下っていてもコケる時はコケるんですよねえ。

樹林帯に入っても時折色鮮やかな紅葉が見られて、ついついシャッターを切ってしまいます。しかし足元は枯草なども手伝って、相変わらず滑りやすいです。丸太なども湿っているので、これまた滑りやすいです。恵那山は多くの区間で滑りやすい印象でした。

広河原登山口まで下りてきたら、沢の水で顔をすすぎます。明け方はだいぶ寒かったですが、日が昇ってくると程よく暖まり汗もかいてきます。

この後は峰越林道をのんびり歩きます。マイクロバスで移動する都合、あまり早く着いても待つだけだからです。林道沿いは特に紅葉が見事で、恵那山の山中よりきれいかもしれません。さらに道中ではニホンザルの小さな群れが歩いている姿も見られました。

広河原登山口駐車場に着いたら、第1便のマイクロバスで月川温泉に移動します。夜行バスの乗客の大半が第1便乗車となりました。当然ともいえますが、かなり余裕のあるスケジュールとなっています。

月川温泉に着いたら、先に昼食をいただくことにしました。お蕎麦や唐揚げなどのメニューで、ご飯やお茶はセルフサービス方式です。お酒は喜久水1合を頼みました。

お腹を満たしたら温泉を味わいます。泉質はアルカリ性単純温泉で、無色透明のサラサラした湯ざわりです。内湯はジェットバスになっていて、凝りをほぐせます。露天は比較的熱めなので、浸かったり外気に当てて冷やしたりを行ったり来たりしました。湯上り後は恒例のマッサージチェアで登山疲れを癒します。

そして15時手前に新宿に向けてバスが出発しました。ほとんど寝ていない状態で山行をこなした後なので、さすがにその疲れが出始めて眠いです。その影響で無意識に首を後ろに傾けていると、何だか痛みを覚えます。この辺りは次回夜行バスを利用する際に、何か改善策を検討ですね。バスは諏訪湖SAで休憩した後は大渋滞に捕まってなかなか進まず、1時間遅れで石川SAに着いて、そこから少し進んで新宿駅前にて解散です。お腹も空いてたので、近くにあるねぎしに入って牛たんをいただきました。

今回の山行データは以下の通りです。

距離13.08km
歩行時間5:53:07
経過時間6:29:49
高度上昇1,116m
平均心拍数101bpm

広河原登山口からのピストンとなります。夜行バスを使う都合上、ルートはこちら一択となります。最短コースとなりますが、標準コースタイムは7時間なのでそれなりに頑張る必要はあります。事前情報だと眺望のなさを指摘する声が多かったのですが、そういう心積もりで登ったためか、結構展望も楽しめるじゃん、という印象でした。まあ、山頂部が木々に囲われて周辺の山々を見渡しにくいのは確かですが。一方で、恵那山は日本神話にも登場する歴史ある山であり、山頂エリアに点在する社を巡りながら、古代に思いを馳せてみるのも良いかと思います。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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