ベランダ観測所の構築
普段は近所の公園まで天体望遠鏡を持ち出して観測しているのですが、今回はベランダ観測所を試してみました。近所の公園は見晴らしが良く、ほぼ全天を観望できるのですが、下記のデメリットがあります。
- 重い機材の持ち運び
- 2分程度で歩ける距離ですが、そこそこ疲れる
- そこそこ人がいる
- 普通の公園なのでボール遊びのボールなどが機材に当たらないか気になる
- たまに色々話を訊かれることがある
興味を持って訊いてくれること自体は良いのですが、話しかけられたくない局面もあるので、その辺はデメリットですね。
一方でベランダ観測所のデメリットは、観測できる範囲が狭いことです。特に目の前にビルが建っており、これがかなり視界を奪います。ただちょうど自分の部屋の前がそのビルの端になるので、ごく一部だけ見える部分があります。なので逆転の発想で、その範囲内で見られる天体があるときのみ、観測を行なうスタイルがいいかな、と思って、ベランダ観測所を始めました。
実際に試してみた際には、下記の対応を行ないました。上の画像は三脚の高さを低くする前のものです。
- 物干し竿は一番外側に掛ける
- 天体望遠鏡の三脚や鏡筒は意外と大きいので、物干し竿が手前にあるとかなり邪魔
- 三脚の高さは最小にする
- 低い方が天頂部に近い高い範囲を狙いやすい。高さが低い方が、天井で阻まれる範囲が減る
- 窓の枠に腰かけることで、椅子代わりになる
- 低い位置だと天体望遠鏡本体が外から見えづらくなる。盗撮の疑義を掛けられたくないので、外から見えない方が気楽
木星の撮影
今回は、最初海王星と勘違いして全然別の恒星を撮影していました。天体アプリだと惑星を大きく表示しているのでつい勘違いしてしまいましたが、海王星はとても暗いので探すのは困難です。そこでターゲットを木星に切り替えました。わりと高い位置を動いていたので、ベランダからだと無理かな、と思っていましたが見ることができました。
撮影用には6mm接眼レンズと拡大撮影アダプター最小構成によるカメラ接続を行ない、眼視による導入用には20mmと9mmの接眼レンズを状況に応じて使い分けました。20mmと6mmの間に中間倍率が入ったことで、導入はしやすくなりましたね。また、拡大撮影アダプターを最小構成に出来たことで、重量バランスが良くなりました。
ザラザラ感が目立つので、ISO6400から数値を下げて撮影してみよう、と思ったら、木星はベランダから見えない位置に入ってしまいました。残念です。上記の画像は特に画像拡大はしていません。ピント合わせやシーイングなど条件が整えば、もう少し高画質になるのかもしれません。
環境周りで改善したい部分としては、レリーズはスマホアプリによるワイヤレスレリーズではなく、専用のレリーズを使った環境構築になります。カメラ本体をワイヤレス通信状態にする際にカメラ本体に触れる必要があるので、その際に高倍率による観測時には思いきりブレてしまうのです。