後方羊蹄山登山

2024年06月22日、後方羊蹄山を登ってきました。新千歳空港から公共交通機関で移動すると、小樽を経由して北から大回りする必要があり、なかなか遠いです。前日に北海道入りして倶知安駅前に前泊しました。

6時40分発の道南バスに乗って羊蹄登山口まで移動します。移動時間は10分ちょいです。駅前から見た羊蹄山はだいぶガスが掛かっていましたが、バスの車窓から見るときれいに晴れている箇所もあります。わりと流れている印象ですので、眺望は期待できそうかな、と思いました。天気予報では終日薄曇りでしたが、思ったより日が差しています。

バスを下車したら、比羅夫登山口まで道路を歩きます。道路の上にはたくさんの毛虫が這い回っていました。正面の羊蹄山はガス気味ですが、背面のニセコアンヌプリはよく見えます。なお右膝の傷は完治していないので、上りからストックを使います。

半月湖との分岐を越えると、林の中へ入って行って緩やかな上り坂となります。程なくして駐車場が見えてくると、比羅夫登山口に到着です。トイレを済ませて、山行準備を済ませます。登山ポストがあるので登山届を出そうと思いましたが、用紙切れのようでした。

ここから1合目まで平坦な道を進みます。途中大きな羽音が聞こえると思ったらスズメバチが1匹飛んでいて焦りました。

1合目に着いたら小休止します。比較的涼しい北海道ですが、それでもそれなりに喉が渇きます。この先は上りが始まります。岩が出ていたり、痩せた道があったり、ところどころ気を付けた方が良い場所があります。まだまだ樹林帯が続きますが、時折視界が開けて、麓の景色を見渡せます。

2合目と3合目の標識は見落としてしまい、気づいたら4合目でした。それなりに距離があるコースなので、1合の間隔が長く感じます。サイハイランやゴゼンタチバナなどの花や、ニセコの景色など、マクロにワイドに楽しみながら登っていきます。

5合目を過ぎると、足場に火山性の砂利が混ざった区間が出てきます。あまり長くは続きませんが、1箇所急坂で滑りやすい箇所がありますので、慎重に登ります。他にも1箇所大きな段差があり、木の根っこを掴んで全身で登るアスレチックなポイントがあります。

7合目を越えると、徐々に木の丈が低くなってきます。シラネアオイやノウゴウイチゴの花を楽しみつつ、徐々に高山の雰囲気を感じてきます。

そして9合目で一気に視界が開けます。ちょっとした広場に岩場があり、ひと休みするのに良いポイントです。このあたりが森林限界ですね。ここで避難小屋と山頂へ分岐しますが、山頂へ向かいます。

外輪山へ向かう道は、高山のお花畑であり、美しい景色が広がります。キバナシャクナゲ、ハクサンチドリ、イワベンケイ、ヘビイチゴ、ヤマハタザオ、エゾツガザクラ、チシマフウロなど、色とりどりの花が咲いています。

独立峰ということもあり、高原の切れ目の向こうに麓の景色が広がる様子もダイナミックです。

やがて外輪山の尾根に出ました。後方羊蹄山のピークはここからまだ歩きます。ここに至る山行中はほとんど風を感じませんでしたが、山頂エリアは吹きさらしになるので風が強いです。しかしながら、高低差はほとんどないですし、左に広がる裾野と右に広がる御釜という絶景で、ほぼボーナスタイムです。コマツヨイグサやイワウメなどの花々も群生しており、色彩豊かに楽しめます。

山頂手前では残雪を見ることはありませんでしたが、母釜には小さな雪渓が残っていました。母釜を隣を抜けるとやがて父釜が見えてきます。中央部分には水を湛えている様子が見えます。

やがて正面に岩山が見えてきます。ここが後方羊蹄山の山頂となります。ルート取りによっては岩場登りになりますので、慎重に進みます。直前でガスが流れ込んできて焦りましたが、真っ白にならずに済んで良かったです。

標高1,898メートル、後方羊蹄山山頂を踏みました。薄曇りで青空バックとはいきませんでしたが、時折日差しもあります。空を見上げるとハロが見えました。山頂付近は岩場なので、場所を選べば無風で過ごせます。ただ無風は無風で逆に少し暑かったりするので、塩梅が難しいです。こちらで大休止を取り、惣菜パンを昼食にいただきました。

山頂エリアでは、じっと休んでいると、ズボンやザックに甲虫がやってくることが多いです。ムネアカナガクチキ、アトボシハムシ、ヨツボシヒラタシデムシなどを写真に収めました。

下山の行程も長いのであまりのんびりしすぎずに山行を再開します。右膝の傷の痛みが強くなっており、傷口が開いてしまった感じがしますね。午前中より雲が増えてきた様子で、あまり日差しが差さなくなってきました。右膝の傷の件もあり、あまりスピードは上げずに下山します。火山性の砂利で滑りやすい箇所は、斜め横向きで下りるなど注意して進みました。そんな中、道中マウンテンバイクを担いで登ってくる登山者がいました。かなり息も上がっていましたが、一体何目的なのか、気になりました。

4合目付近からがっつりガスが入ってきて、うっすら白い中を下山しました。往路で見逃していた3合目と2合目の標識は発見できました。

比羅夫登山口まで下山したら、トイレへ向かいます。一応携帯トイレは持参していましたが、9時間近くの山行でも使わずに済みました。逆に水分補給が足りないのかな。今回は1Lを使いました。

だいぶ疲れていましたが、バスの時間まで余裕があるので、半月湖まで行ってみました。サクッといけるかと思っていたら、森の中を遊歩道を通っていく形でした。ちょっとした上りでもしんどいですが、頑張って湖を望めるところまで向かいます。

木々の間から半月湖を望めるポイントまでやってきました。人気を感じさせない夕暮れの湖畔の雰囲気をしばし楽しみます。40分程度で湖畔の片側を抜ける遊歩道がありますが、そこまでの元気は残っていないので、ここで折り返しました。そこからバス停まで戻って、今回の山行は終了です。

今回の山行データは以下の通りです。

距離19.81km
歩行時間9:32:16
経過時間10:48:35
高度上昇1,730m
平均心拍数147bpm

羊蹄登山口バス停から比羅夫ルートで登頂するコースです。北海道なので幾らか涼しいですが、それでも低い場所は暑さを感じます。標高が上がると少し涼しい風が吹いてきます。道中は花も色々と楽しめて、特に9合目を越えてからがきれいですね。外輪山の尾根では圧巻の景色を楽しめました。しかし距離や獲得標高はそれなりにあり、平均心拍数も147bpmと高めの数値になっています。右膝の傷も痛んでしまいました。それでも下山後はせっかくなので、半月湖への寄り道を楽しみました。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする