シンガポールマラソン2024

2024年12月01日、シンガポールマラソンに参加してきました。部門はフルマラソンで、フルマラソンを走るのは今回が初めてになります。そのため制限時間は7時間半と比較的長く設定されている本大会を選びましたが、赤道直下ということで暑さの影響が気がかりです。

ちなみに大会自体のコース締め切りは13時15分となっており、各チェックポイントの関門時刻もそれに準じて設定されていますが、この時刻は制限時間より長めに設定されているので、この時刻内にゴールしても完走時間が制限時間を超えたらDNFとなります。ここを勘違いしないように注意が必要です。

レース前日

マリーナベイサンズコンベンションセンター内で開催されているシンガポールマラソンEXPOに来て、RACE ENTRY PACKを回収しました。こちらにゼッケンやランニングシャツ、ランニングザックなどが含まれます。タイガーバームもたくさん貰いました。使いきれるかな……

受取りを済ませた後は、イベントブースを回ります。コースマップや参加者全員の名前が書かれたボードなど、色々とあります。その後はスポンサー企業のブースを通っていきます。PUMAが大きなブースでランニングアパレルなどを売っており、ちょうど帽子を持ってくるのを忘れたので、こちらで公式ロゴ入りのキャップを買いました。会場出口までは企業ブースの続く長い通路を通っていく必要があり、これが地味に疲れました。

レース当日

未明の2時30分ごろに起きて、3時すぎにホテルを出てスタート会場に向かいます。スタートに合わせて有料のシャトルバスも出ていますが、こちらは郊外のホテルに宿泊している人向けとなります。MRTも運行していない時間帯なので、中心部に宿泊している人は徒歩か車で移動することになります。なのでお金に余裕があれば、スタート会場に近いマリーナベイエリアのホテルに泊まると良いでしょう。自分はブギス近辺でしたので、1時間ほど掛けて歩きました。大体正しい方向へ歩いていけば、次第に多くのランナーが集まってくるので、自然と会場に辿り着けます。

スタート会場入り口に着いたら、セキュリティチェックを受けて会場内へ入ります。会場内では飲料水のサービスがあったので、ぬるめでしたが喉を潤しました。日が出る前ですが、湿度のある暑さをほんのりと感じます。特にやることもないので、スタート待機場所へ移動しました。

スタート会場はF1 Pit Buildingで、F1のスターティンググリッドからスタートします。事前に申告した予定タイムに応じて7グループに分けられます。自分は一番遅いグループのPen Gとなります。各グループ間できちんと間をとってからスタートしますので、最終グループである自分たちのスタートは、最初のスタートから1時間超経ってからとなりました。完走の判定に使われるタイムの起点は、各グループのスタート時刻です。下手に待ち時間を短くして団子状態でタイムをロスするよりは、こちらの形式の方がありがたいです。デメリットは、スタート時刻が遅いことで後半太陽に晒される時間が増えるということくらいです。

5時30分ごろ、スタートしました。程よいペースで皆さん出発です。周囲はまだ真っ暗で、写真もブレてしまってなかなか上手く撮れません。途中、エイドステーションで水やスポーツドリンクなどを補給します。その後高架を走って国立スタジアムまで行き、再び折り返します。

やがて正面に高層ビル群が見えてきます。この辺りから少しずつ空が明るくなってきました。さらに走っていくと、シンガポールフライヤーとマリーナベイサンズというシンガポールのアイコン的な建造物が見えてきました。特にマリーナベイサンズは見る度にテンションが上がってしまいます。

エイドでコーラ味のジェルを貰って少し走ると10km地点です。そこを過ぎると高架に登っていきます。結構勾配がきついので適宜ペースを調整した方が良いです。多分全コース中でここが一番急勾配だと思います。最高地点に達すると、シンガポールの街並みを見渡すことができます。雲越しですが朝日を望めました。

それから20分ほど走っていくと、フルマラソンとハーフマラソンの分岐路に出合います。やはりハーフマラソンのレーンに流れていく人が多いですね。実際シンガポールマラソンはハーフマラソンの参加者が全部門の中で最も多いです。コースも名所を効率よく巡る形になっています。さらに制限時間も4時間という寛容さなのです。2倍の距離を走るフルマラソンの制限時間の半分より長いんですよね。暑さはありますが、ハーフマラソンを初めて走る人にはお薦めの大会だと思います。

さて話が少し逸れましたが、自分はフルマラソンの部なので、イーストコーストパークを真っすぐ東へ走ります。公園の中ということもあり景色はきれいですが、どこまでも真っすぐ伸びる道に、折り返しまだかな……という気持ちが心に浮かびます。そんな中ほぼ1kmおきにエイドがあるので、それを楽しみに走ります。エネルギー切れに備えて、バナナも1本貰いました。食べ終えたバナナの皮が道の端に捨てられているので、マリオカートのスピンに要注意です。

普段は15kmすぎくらいから脚がきつくなってくるのですが、今回は14km地点あたりで攣り始めました。旅による疲れか、暑さ起因の発汗による塩分不足か、原因はわかりませんが、想定より早くガタが来てしまいました。もともと20kmを過ぎたあたりで、走りと歩きを織り交ぜるつもりでしたが、この時点から歩きを取り入れます。

イーストコーストパークの出口あたりで、22km地点を通過します。ここまではハーフマラソンで何度か走ったことのある距離ですが、この先はいよいよ未知の領域となります。自分の身体がどういう反応をするのか楽しみです。

やがて目の前に海が広がる場所に出ます。海上にはたくさんのタンカーが航行するシンガポールらしい光景を望めます。一方で正面には高層ビル群がそびえています。このあたりにくると日もだいぶ昇ってきて、暑さが堪えてきます。

ところで攣ってしまった脚はなかなか回復しません。大丈夫かな、と思って走り出すと、すぐに攣ってしまいます。なので歩きメインで進みます。ただ8~9分/km台の早歩きペースをキープしていきます。この速度だとゆっくり走っている人は追い越すことができます。自分は山歩きをしているためか、この早歩きがあまり苦ではないんですよね。下山時に長時間林道を歩いている時の感覚です。

再び市の中心部を走ります。この時間帯は先発グループが折り返してゴールに向かうので、一番沿道の応援が多い時間帯のようです。無敵スターやハンドのパネルを出してくれるのでタッチしてみますが、皆がタッチしているので少し湿っていて微妙な心地になります。

市の中心部を抜けたら、西の方へ走ります。しばらくは高架下で日陰を享受できますが、やがて太陽の下へ晒されます。少しでも日陰へ行きたいと思って、ついつい影のある場所へ移動してしまいます。

ここから真っすぐ片道5kmの道を走ります。太陽にじりじり焼かれる感覚が堪えます。エイドでは毎回水を補給していましたが、レース中特に尿意を催すことはありませんでした。それだけ発汗していたのだと思います。レース後に肌をこすると塩が付着していました。エイドのミニプレッツェルでお腹を満たしつつ歩きと走りを続けて、何とか折り返し地点まで到着しました。

折り返しのすぐ先が35km地点となります。あと7kmほどだと考えると、先が見えてきて安心できます。エイドで支給された氷を使い、走りと暑さで火照った身体を冷やします。いや~、これは気持ち良かったですね。ただここまでくると、もう早歩きでもきついです。高架下まで戻ってきたら、大体40km地点です。

もはや歩くのもしんどくなってきていますが、このまま歩きでゴールというのも微妙なので、ところどころ短い距離を足が攣らない程度に走ってみたりします。42km地点を越えて、ゴール手前の橋が見えてきたところで、ラストスパートのダッシュを決めてゴールしました。意外とダッシュできる脚力は残っていました。

完走後はメダルやドリンク、フードなどをいただき、フィニッシャーズエリアへ向かいます。雨が降ったのか芝生は少し湿っていましたが、他に適当な場所がなかったのでそこに座って寛ぎました。完走メダルを見ながら達成感を噛みしめます。もっと長いことまったりしていたいところですが、日差しを遮るものがないので、会場を出てホテルへ向かいました。

最初は5kmの大会に出て、その後10kmの大会を数回走り、さらにハーフマラソンを4回走って、ついにフルマラソンに挑戦ということで、感慨深かったです。ランニングをする者として、フルマラソンは走っておきたいという思いがあったので、無事に制限時間内に完走できて良かったです。タイムは決してよくありませんが、一応7時間を切ることができたのは想定より良い出来でしたので、自信になりました。今回は団子やトイレ待ちでタイムロスすることが一切なかったので比較的良い条件下でしたが、制限時間7時間の大会なら完走できる可能性があるということで、今後の大会出場を判断するバロメーターが出来ました。

自分はハーフマラソンが大体3時間ギリギリのタイムなので、ハーフマラソンを完走できる人ならフルマラソンも案外行けるのでは、というのが今回の感想です。10kmで70分、ハーフで180分なので、単純に比例して考えると、もっと長い時間掛かることを想定していました。

走行データなど

今回の走行データは以下の通りです。Fenix 5Xによる測定結果とレースの距離標識で、ずいぶん差が出てしまいました。Fenix 5Xの方が走行距離が長いので、うっかり勘違いしてがっかりすることが何回かありました。

距離45.28km
走行時間6:50:35
総上昇量120m
総下降量124m
平均心拍数159bpm

大会提供のデータは以下の通りです。もっと細かいデータも提供されていますが、代表的な項目だけ抜粋しました。グロスタイムはネットタイムに1時間以上加算され、あまり意味のない数値なので割愛しています。記録はネットタイムの方となります。

ネットタイム6:49:32
総上昇量7260位台/8919人中

フルマラソンは距離を稼ぐために、東と西で長距離の折り返しコースが設定されています。ただ序盤と中間地点、そして終盤と要所で中心部のシーニックな名所を走れるようになっているので、メリハリが効いています。高度グラフは概ねフラットとなっており、走りやすかったです。前半にある三角形は高架に登るところかと思いますが、あそこは確かに勾配がきついのでペース調整が必要でした。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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