一番よくわかる古事記

日本神話の概要を教養として知っておきたいと思い、書店で古事記関連の本を探しました。そこで手に取ったのが「一番よくわかる古事記」です。日本書紀は対外向けの歴史書としての性質が強いので、神話を物語として見るなら古事記の方が適切でしょう。旅先で神社を訪れた際の由緒書きの内容を、よりイメージを持って読めるようになりたいということが、大きな動機です。

一般的に日本神話としてイメージする設定の多くは上巻に含まれています。

  • 天地の始まり
  • 伊邪那岐命および伊邪那美命による国生み
  • 天照大御神、月読命、素戔嗚尊の三貴子の誕生
  • 天岩戸に隠れる天照大御神
  • 高天の原を追放された素戔嗚尊が、出雲で八岐大蛇を退治
  • 素戔嗚尊の子孫である大国主が因幡の白兎を助ける
  • 大国主は地上の国を天照大御神に譲る
  • 天照大御神の孫である邇邇芸命が地上に降り立つ
  • 邇邇芸命の子孫が神武天皇となる

中巻は、歴代天皇の事績がまとめられています。ただし史実ではなく創作の可能性が高いとされています。名前をよく聞く倭建命(ヤマトタケル)は、ここに登場します。天皇の子であり、粗暴な人物とされるが、西征、東征で戦果を挙げるものの、伊吹山で命を落とします。複数の英雄像が重ねられたものとされています。

下巻は、神話としてのイメージは薄いです。実在が確実視される天皇もおり、物語として描かれているものの、歴史書といったイメージです。

シーンによっては細かな描写があるものの、全体的に淡々と物語が進んでいく印象です。中巻以降は、特にすぐ殺してばかりといった印象を持ちます。基本的に史実ではなく創作されたものですが、古事記を編纂時点で存在した各地の神話や、直近の歴史や当時の時代背景などに彩られているはずで、そうしたものを古事記を通して思いを馳せることができるのも魅力かと思いました。しかし、漢字が羅列された登場人物が多く、主要人物以外は誰が誰だか分からなくなってしまいますね。

今回本書を読了したことで、これまで断片的に認識していた各エピソードが、時系列を中心に整理することが出来ました。本書には日本神話に所縁の深い神社の紹介もありますので、機会を見つけて出かけてみたくなりました。

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