なぜなぜ分析に関する本です。なぜなぜ分析をする機会が生じたので、勉強のために買いました。文量は多くないので、通勤電車の往復で読み終えるかもしれません。ちなみに、書評は遅くなりましたが、半年くらい前に買った本です。
なぜなぜ分析とは、製造業の現場などで良く使われている、根本原因分析の手法です。なので、ソフトウェア業で活用する場合は、多少読み替える必要がありますね。製造業の失敗は手順に対して原因を求めるのに対し、ソフトウェアの失敗は個々人に依存するところが大きいからです。
実際に数名で集まって、なぜなぜ分析をやっていますが、大抵の場合、うっかりしていた、気付かなかった、という原因に帰着します。これ以上は人間の心理なので、さらになぜを展開してもあまり意味がありません。属人性が強くなり、対策を展開しづらいですし。なので、そこに至る一歩手前の部分が、大切なんだと思います。例えば、似たような処理なので、コピペをしたけど、一部変更な必要な箇所をうっかり忘れた、という場合は、コピペをした、という部分に何かありそうですね。
結局のところ、なぜなぜ分析は使いようによって、如何様にもなります。なので、使い手の力量によって、効果的な分析が出来たり、明後日な方向の分析となったりします。ただし、この本を読んだから、一朝一夕に力量が上がるわけでもありません。普段からの気づきや問題意識の積み重ねでしょうね。しかし、それでもこの本を読んで基礎知識を身につけることで、なぜなぜ分析の場を引っ掻き回さずに済む程度にはなれるかなあ、と感じています。
以下は、気になった点をピックアップしておきます。特に最後が好きです。論理力はある程度机上で身につけるものですが、基本は実践してなんぼのもんですね。
- 「なぜ」は逆から読んでも通じるように展開すること
- 具体的に書くこと。対象となることについて、形容詞や目的語を明確にする。それらの基準を明確にする
- 一段目の「なぜ」は特に大切。長々とは書かずに、ワンカットで収まる表現とする
- 観察力+論理力→直感力