初日、羽田空港から能登空港に向けて、旅立ちます。バスに乗って移動し、地上から飛行機に搭乗するタイプでした。空からの眺めを楽しみつつ、1時間弱のフライトで能登空港に到着です。能登空港の周りは森に囲まれており、着陸直前の森の中へ下りていく様子は、とても新鮮でした。
飛行機を下りて空港に向かう途中、滑走路上に何やらコスプレをした人がいて、おや?と思いましたが、そのまま到着ロビーへ。後で調べたところ、NTQ(のときゅー)というご当地キャラクターだったようです。ぬいぐるみのような着ぐるみではなく、滑走路の描かれたツナギを着て、飛行機型のヘルメットを被っており、空港職員が何かのキャンペーンでそういう格好をしているものとばかり、思っていました。登場スケジュールは特に決まっておらず、不定期に登場とのことで、ちょっともったいないことをしました。
空港を出たら、バスで輪島市の中心部へ向かいます。しかし、バスの接続があまり良くなく、30分くらい待ちます。基本みんな車で移動するみたいで、バスを待っている人はほぼいません。特にやることもないので、ぽけ~っと待っていました。
バスで移動しますが、しばらくは森の中を進んでいきます。そこから徐々に集落が見えてきて、40分ほどで輪島駅前に着きました。その名前の示す通り、かつては電車が走っていましたが、現在は廃線となっており、道の駅輪島ふらっと訪夢となっています。中には、旧輪島駅を偲ばせる踏切や、小さなプラットホームが設置されています。
それから、漆器店など風情ある日本家屋が並ぶ通りを歩きます。天気も良くて気持ちいいですね。青空と黒い屋根瓦が合います。軒先に飾られている植木も素敵でした。それから重蔵神社で参拝し、海まで抜けました。真っ青な日本海が出迎えてくれます。たくさんの船が陸揚げされており、マリーナといった感じでした。
一旦陸の方に戻って、漁師の店こだわりにて、昼食をいただきます。注文したのは、能登丼の定食にお刺身つき。それと日本酒をいただきました。旅行中はときどき昼から飲んじゃいます。ちなみに能登丼とは、能登の食材を使っていることが条件なので、かなり幅広いです。こちらのお店の能登丼は、ぶりのたたき丼になります。ご覧の通りボリュームたっぷりで、そして新鮮でおいしいです。
続いて向かった先は、キリコ会館です。キリコとは、お祭りで使う巨大な灯篭で、2階建て以上の高さがあります。入ってすぐにキリコがたくさん展示されているゾーンがあり、煌びやかな装飾や絵が鮮やかに浮かび上がり、圧倒的な迫力です。他にもビデオ上映のコーナーなどがあり、実際にお祭りで用いられている光景を見られます。
最上階に上がると展望フロアになっており、少し高い位置から日本海を望むことができます。そして1階の売店から吹き抜けで展示されている巨大な大松明も圧巻ですね。その後は売店で、お煎餅をお土産に買いました。
キリコ会館を後にしたら、海を望んだり、街中をてくてく歩いたりして、足湯を楽しめる湯楽里へ立ち寄りました。オープンスペースですが、下足して上がるスタイル。平日の昼間でしたが、地元の人々でそれなりに賑わっています。お湯はじんわり温かく、足の疲れが抜けていきそうな感じ。ただ、まだあまり歩いていないのがもったいないところ。さらに、飲泉できるコーナーがあったので、飲んでみました。ちょっぴり塩っ気があります。
それからぷらっと訪夢からバスに乗って、白米千枚田へ向かいました。海沿いの道を走りながら、およそ20分ほどで到着です。停留所からすぐには見えず、坂を下りて少し進むと、段々状の田んぼが見えてきます。海岸沿いに作られた棚田は、田植えが終わった季節なので、青々とした姿をしていました。水面に空が映り込むそんな千枚田も見たかったのですが、こればかりは季節を選ばないといけません。
どちらかと言うと遠くからの眺めが素敵な千枚田ですが、田んぼの中の道を歩いてみます。田植えをするわけではないので、あぜ道は歩きませんが、ちゃんと舗装された道も整備されています。田んぼに近づくと耳につくのが、ゲコゲコといった蛙の鳴き声です。姿は見えないけれど、あらゆるところから聞こえるんですよね。彼らはどこに隠れているのか、気になります。他にも様々な小さな生き物たちの息づく環境が、何だかとても懐かしく感じました。自分はそれほど田舎で育ったわけではないけれど、今より身近にもっと色々な生き物がいた気がします。
ちなみにこの棚田は、それぞれの区画ごとにオーナーがいます。小泉純一郎氏などの著名人の田んぼも幾つかありました。また、景勝地ゆえに写真を趣味にしている方も多いようで、道中すれ違った人と、軽くお話ししたりしました。
出来れば夕方まで待って、夕暮れの光景を撮影したかったのですが、日が落ちるまでだいぶ時間があることと、そもそも帰りのバスがなくなってしまうことから、断念しました。道の駅千枚田ポケットパークにて、能登きなこあずきソフトをいただき、千枚田を後にしました。
輪島中心部へ戻ってきたら、夕食までの時間潰しに街をぷらぷら。徐々に日が傾く海を眺めたりしていました。海を眺めるのはなかなか飽きが来なくて、好きですね。
夕食は、のどぐろ屋へ行きました。まずはかかしとハイボールで軽くいきます。それから生ハタハタの天婦羅と、地酒の千枚田をいただきます。天婦羅が結構ボリューミィで、ここが一人飲みの辛いところ。あまり品数を楽しめないんですよね。そしてパリパリキャベツに、珍味であるふぐの子の糠漬け。ふぐの子はものすごく塩辛いです。おかげでお酒が進みます。2本目の地酒はおれの酒。ちなみにパリパリキャベツに付いてくるニンニク味噌がちょっと苦手でした。普通の味噌が良かった……
そしてメインののどぐろ塩麹焼き。お値段は時価で、2,500円くらいした気がします。とても油が乗っていて、でも身はすぐにほぐれる上品な感触で、とても美味しかったです。値段に感化されている面もあるかもしれませんが、それでもやっぱり美味しかったです。締めは、鮭茶漬け。
そこそこ飲んで良い気持ちになりながら、海のほうへ向かいます。夕暮れの海を見たかったのです。既に太陽は落ちてしまいましたが、茜色に染まる夕空には何とか間に合いました。そして徐々に夜の帳が下りてきます。街はそれほど明るくないので、日が落ちると場所によっては、真っ暗になります。
今回お世話になる宿は、高州園です。10分ほど歩いて到着しました。すると、御陣乗太鼓の観覧チケットをいただきました。特に気にしていなかったのですが、プランに組み込まれていたようです。お酒が入って、だらんとしたい気分だったのですが、せっかくなので観に行くことにしました。それまでしばし部屋で休憩です。
御陣乗太鼓の会場は地下1階。座席は結構人で埋まっておりました。程なくして開演です。ちなみに御陣乗太鼓とは、武器を持たない村人たちが上杉勢の軍勢に対して、怪物に扮して夜襲をかけた事に由来します。基本的に言葉による台詞はなく、太鼓の音や振る舞い仕草などで演じます。登場人物が何度か入れ替わり、それが各幕のような感じになっています。何だか高千穂で見た夜神楽を思い出しました。
その後は温泉へ。内湯、露天、サウナ、内湯、露天といった流れで楽しみます。お湯はほのかに塩味がして、なめらかな肌触りでした。飲泉も可能です。露天風呂から見上げる満天の星空は、とてもきれいでした。星の数はぱっと見えるだけで優に100個を超えていました。
部屋に戻った後は、とっとと寝ようとしたのですが、浴衣がありません。上に羽織る方があるのですけど、肝心の浴衣本体がありません。入れ忘れかと思いますが、お酒のせいでとっとと寝たいので、そのまま寝ることにしました。