数か月前ですが、南極を遊覧飛行してきました。今回選んだのは、オーストラリアからの日帰り遊覧飛行という一番お手軽なものでしたが、事前にさまざまな選択肢を調べていたので、まとめておきます。南極旅行を何となく考えている人には、多少参考になるかもしれません。
方法 | 時間 | 費用 | 上陸 | 野生動物 | 南極圏 |
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オーストラリアから日帰り遊覧飛行 | 1日 | 10~30万 | なし | なし | あり |
チリからキングジョージ島へ飛行機 | 1~2日 | 20~30万 | 島 | 多少あり | なし |
南極半島クルーズ(短) | 6~7日 | 30~70万 | 島 | あり | なし |
南極半島クルーズ(中) | 8~11日 | 50~120万 | 大陸沿岸 | あり | なし |
南極半島クルーズ(長) | 12~15日 | 100~200万 | 大陸沿岸 | あり | あり |
南米からユニオングレイシャー | 6~7日 | 400万 | 大陸内陸部 | ? | あり |
ニュージランドからロス海クルーズ | 1ヶ月 | 200万 | 大陸沿岸 | あり | あり |
他にも目的に応じた細かなバリエーションがありますが、ざっくりこんな感じです。価格は年々上がっており、10年以上前の情報と比べると、驚くほど差があります。全体として、情報の裏を正確に取っているわけではないので、あくまで参考程度にして下さい。
よほど時間やお金に余裕のある人以外は、選択肢は自ずと限られてきます。南極旅行と言った場合に一番ポピュラーなのは、チリやアルゼンチンから出発する南極半島を巡るクルーズツアーです。船室を伴うので、お1人さまですと追加料金が馬鹿にならないのですが、2名以上のグループであれば、わりと現実的な価格だと思います。
クルーズと言うと船だけのイメージですが、フライ&クルーズという、ドレーク海峡を飛行機で越えるツアーもあります。船だと丸2日掛かる行程が、僅か4時間程度で済みます。しかし、天候が不安定な南極空域なので、フライト延期に対して余裕日程を考慮する必要があり、所要日数に対するメリットは案外ないのかもしれません。船酔い回避には役立ちそうですけど。
しかし、ゲートウェイ都市が南米の南端ですので、日本からそこへ行くまでが、既に大旅行となってしまうのが大変なところです。かと言って、ニュージーランドから出発するロス海クルーズは、南極大陸までの距離が遠い分、1ヶ月ほどの航海が必要になります。
色々な選択肢がありますが、時間や費用などに対する自身の状況と、南極に対するこだわりを天秤にかけて、決めるのが良いでしょう。個人的には、2週間の休みが取れるのなら南極半島クルーズへ、そうでなければオーストラリアからの日帰り遊覧飛行を楽しむのが妥当かな、と思います。南極の空気に直接触れることができない、上陸できない、野生動物を観察できない、といった弱みも多いですが、様々な南極の地形を上空から楽しめるという強みもあります。
ところで、何を以て南極に行ったとするか、実は決まった定義はなかったりします。南極収束線以南か、南極条約の領有権凍結対象となっている南緯60度以南か、南極圏か、南極大陸か、などなど。結局は当人の自己満足の世界だと思いますので、言ったもん勝ちでしょう。
南半球は南のほうに陸地が少なく、南極圏は案外遠いです。南極大陸であっても、割合北にある南極半島の一部は、南極圏に入りません。これは意外と知られていないことかもしれません。