スヴァールバル諸島とオスロの旅~3日目

3日目、ホテルで朝食をいただきます。メニューはそれほど多くないですが、美味しいです。今回のノルウェー旅行で少し驚いたことは、どこのホテルの朝食も、かなり美味しいことですね。

さて、この日はクルーズツアーです。催行はSvalbard Adventures。日本で事前に申し込みました。ホテル前で送迎バンを待ちます。昨日より気温が数度低くて、寒さを感じます。送迎バンに乗ったら、残りのホテルを回って、そのまま港に向かいます。

乗船するのは屋根付きのRIBボート。風を受けずに温かい船室で過ごせます。後日屋根なしの船に乗る機会があったのですが、快適さは雲泥の差です。船室重要。

乗船前の安全に関する説明を受けたら、乗船して出港します。フィヨルドの奥の内湾なので海面は概ね穏やかですが、揺れるところはそこそこ揺れます。

ロングイェールビエンから北へ向かい、Is Fjordの北西にあるフィヨルドに入って、船が停泊します。ここでスヴァールバルの地形の成り立ちに関するレクチャーがありました。英語ですが、事前に自分で調べて知っている内容もあったので、大体理解できました。確かに北と南で、山の上部の形が大きく異なっています。南は平たくテーブル状になっていますが、北は尖がっています。

あと、海上から眺めるスヴァールバルの景色は初めてなので、その雄大さに感動です。とにかくスケールが大きいですね。たまにポツンと建っている小さな小屋が、周りの山々の大きさを実感させてくれます。このような僅かに点在する人間の痕跡が、最果て感を高めてくれるように思います。まったく人間の痕跡がないと、そこは異世界感の方が強くなってしまうので。

しばらく停泊した後、出発します。途中、ミンククジラやアザラシといった海洋生物を見られました。船は揺れるので、撮影は難しいです。海鳥たちが飛んでいる姿も頻繁に見かけます。

船は進み、やがて細長い島が見えてきました。こちらがPrins Karls Forlandになります。スヴァールバルの地図を見た時、西にある細長い島です。この島にあるセイウチのコロニー観察が、今回のツアーのハイライトになります。

  

セイウチのコロニー前で船を停泊させ、船上から観察します。300mm(35mm換算で600mm)のレンズを構えて、連写モードで撮影。船が揺れるので、連写モードは重要です。でも連写しても、良い写真は最初の1枚だったりしますね。セイウチたちは固まったままほとんど動きませんが、連写した写真を後で見返すと、顔を上げたり口を開けたり、少し動いている様子が分かります。

そして周囲を見渡すと、分厚い雲が低いところに広がり、如何にも極地といった風景が広がります。山の色が青く、ロングイェールビエン周辺とはまた違った雰囲気ですね。

メインのポイントなので、そこそこ長い時間滞在します。おかげで撮影枚数がどんどん伸びていきます。そして最後の頃、陸地の方に何やら人影が見えてきました。探検クルーズでソディアックボートを使って上陸した人たちです。いいなあ~。

セイウチのコロニーを離れた後は、船内でサンドイッチによる昼食。この他にもクッキーやドリンクのサービスがありました。次の目的地に向かう途中で、鳥山を発見。鳥山があると言うことは、魚の大群がいるということなので、ミンククジラの期待が掛かりましたが、見つかりませんでした。

   

そしてやって来たのは、Esmark氷河。氷河の目の前まで行き、船を停泊させます。氷河の近くは、ぐっと冷え込みますね。こちらの氷河は、スヴァールバル諸島の中でも流れが速くて、氷河の崩落を良く見ることができます。この時も、シャッターチャンスには少し遅れてしまいましたが、轟音と共に、小規模な崩落を見ることができました。そして海面には生まれたばかりの流氷が漂います。その上には海鳥たちが鎮座しており、大自然を感じます。

氷河は土などが混じっている部分もあり、雪の塊といった感じでさほどきれいではないのですが、一部分だけきれいな青色をしている箇所があり、美しいです。そして遠くで見るよりも近くで見た時のスケール感ですね。

Esmark氷河の観賞を終えたら、ロングイェールビエンへ帰港します。港に着いたら、送迎バスで各自のホテルへ。自分はスヴァールバル博物館に寄りたかったので、そちらで下してもらう形にしました。経路の都合で一番最後になったので、船酔い話から、小笠原での期限切れ酔い止め薬のお話をしました。

   

下車したら、さっそくスヴァールバル博物館に入館します。スヴァールバル大学併設の博物館になります。館内には、スヴァールバルに生きる動物たちの剥製や、人類による開拓の歴史などが展示されています。じっくり見て、大体1時間弱でしょうか。今でこそ比較的快適な暮らしができますが、開拓初期の建物を見ていますと、寒さも厳しいでしょうし、精神的にもきつかっただろうなあ、と当時に思いを馳せました。

 

博物館の見学を終えたら、草むらなどを散策しながら、まだ見ていない花がないか探してみます。そして17時ごろホテルに戻り、一旦寝ました。

21時すぎ、目が覚めたので、夜のお散歩。白夜のおかげで、外はまだまだ明るいです。曇天ということもあってか、夕方程度の明るさ。川を渡って対岸にある小さな丘を登り、スヴァールバル教会にやって来ました。

 

正面の扉は鍵が掛かっているので、隣にある1つ下の扉から入ります。靴を脱いで階段を上がると、談話スペースが広がります。奥にはシロクマの剥製が鎮座しています。冬の寒くて暗い時期に訪れたら、すごくほっとするだろうなあ、と思いました。それから奥にある祭壇を眺めて、教会を後にしました。

その後は、遠くに見えていた白いお墓へ向かいます。ところが、いざ近づいてみると、何故か見当たりません。あれ~?と本気で混乱しましたが、微妙な丘の陰に掛かって、近づくと見えなくなっていたのでした。

お墓の前の電柱には、何故かゴリラの写真が貼られていました。特に説明はなく、ネットで調べても情報は出てきません。未だ謎のままです。ちなみに、このお墓は、ネットで旅行記を見ている際に見つけて気になっていましたが、散策中に偶然見つけたので、立ち寄りました。なお、これらのお墓はだいぶ前に建てられたもので、現在はスヴァールバル諸島でお墓を建てることはできません。理由は寒冷すぎて、遺体が分解されないからです。

この際に、途中にあったモニュメントにも立ち寄ったりしました。道路を外れて永久凍土の上を歩いたのですが、本当にふかふかしていて驚きました。最初の一歩を踏み込んだ際には、ぬかるみに入ってしまったかと焦りました。

散策を終えてホテルへ戻ったら、0時すぎに再び就寝しました。雲が多いので、今夜は真夜中の太陽は拝めません。

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