焼岳登山

2023年07月29日、焼岳を登山してきました。松本から朝一のナショナルパークライナーに乗って中の湯バス停で下車します。ここで降りたのは、自分と他1名だけでした。ここから焼岳の登山口まで、車道を登って1時間程度掛かります。タクシーを呼んで待つのも微妙なので、登山口まで歩いて登ります。

広い車道をしばらく登っていくと中の湯ICが見えてきますが、その手前に中の湯温泉旅館へ続く道があるので、そちらに入ります。そこから九十九折の道を登っていきます。勾配は緩いですが、暑さが地味に堪えます。標高はそれなりに高く、木陰であり、加えて朝早い時間帯ですが、それを感じさせない暑さです。

途中木がやけに揺れていると思ったら、ニホンザルの群れがいました。最初は自由に遊んでいた子ザルがこちらに気づいて母ザルに抱かれています。母ザルは顔を背けていますが、黒目でこちらを凝視して立ち去るのを待っているようでした。可哀そうなので、足早に先へ進みます。

中の湯温泉旅館に着いたら、直登する登山道に入ります。勾配はやや急になりますが、その分距離を短くできます。このショートカットのおかげもあってか、中の湯バス停から約45分で焼岳登山口に着きました。

焼岳は活火山であり、ヘルメット着用が推奨されているので、ここでヘルメットを被ります。この登山口から登山道に入り、しばらく樹林帯を歩いて登っていきます。展望はありませんが、木陰で日差しが遮られるのでありがたいです。ちょっとした岩場などはありますが、基本的に緩く上っていきます。途中、強い羽音が聞こえたので、周囲を確認したところ、キイロスズメバチに追い立てられていました。1匹だけでしたので、急ぎ足で警戒範囲外に出ました。自分の登山ウェアは灰色や紺なので、全般的にスズメバチを刺激しやすい色なんですよねえ。

徐々に木々の高さが低くなり、視界が開けてくると、小さな広場に出ます。ここまでこうした広場はないので、荷物の整理や小休止にちょうど良いです。展望も良いですしね。

ここから先は、急登区間となります。頭上を覆う木々がなくなるので、日差しを直接浴びる形になり、加えて急登で息も上がるため、汗が噴き出します。ただ標高が上がってくる分、時折吹く風が若干涼しくなってきます。加えて、景色の素晴らしさも特筆すべき点です。鮮やかな緑色に染まる笹畑は、ついつい写真に収めてしまいます。

トラバースしながらの急登が終わると、岩場エリアとなります。奥には噴煙が見えます。登山道の岩にはペンキマークが付いていますが、道なりに歩いていれば、特段迷いそうな感じはしません。ただ周囲に草むらと岩場が点在しているので、運悪く迷い込んでしますと、道を見失うのかもしれません。

上り終えて稜線に出合うと、その先に正賀池が見えます。その隣には勢いよく噴煙を上げる岩場があります。ここを左に進むと、焼岳最高峰である南峰に着きますが、南峰は火山活動のため現在立ち入り禁止になっています。というわけで、現在の焼岳の山頂は10メートルほど低い北峰となります。

岩場の稜線を渡りつつ、これまで歩いてきたカール地形を見渡します。岩場を越えると、上高地側の登山道と合流します。

ここまで来たら山頂まであと少しです。岩混じりのザレ場を登っていきます。登山ルートに沿って歩けば普通に登れますが、ルートを外れると一気に滑りやすくなります。

ついに焼岳山頂に登頂しました。標高2,444メートルです。山頂はそれなりの広さがありますが、人の数も多いです。山頂看板は2種類あり、昔ながらの丸い棒看板と、立て札形の新しそうな看板がありました。人の数は多いですが、すし詰めというほどでもないので、適当な場所に腰かけて昼食の総菜パンをいただきます。そして山頂から360度の眺望をひとしきり楽しんだら、下山します。

下山は上高地側に向かいます。大パノラマを望みつつ、ザレ場の滑りやすい道を下っていきます。しばらくは草木の生えない火山らしい風景が続きますが、ある程度下ると徐々に緑が増えてきます。

一旦下り終えると、中尾峠に向けて再び登ります。峠付近の苔の絨毯とそこに生える花々がきれいでした。峠はそこそこスペースがあり、休憩を取ることができます。焼岳を始めとして、周囲の展望を楽しめます。

中尾峠を下ると、すぐに焼岳小屋があります。こちらでペットボトル水を1本購入しました。前述の通りかなり暑くて水の消費が激しかったため、助かりました。というか、500ml1本だけというのは最初の見積もりが甘すぎましたね。普段は500mlを2本は持っていきますが、この日は何故だか1本にしてしまいました。

この先は笹畑の広がる中をトラバースしながら下っていきます。気持ちの良い景色ですが、標高が下がるにつれて暑さが堪えてきます。

それから鎖場が現れて、その先で人が詰まっています。ここが長いハシゴのポイントです。一人ずつ昇降するので、渋滞ポイントとなります。足元がよく見えないので、微妙に向きの変わるハシゴとハシゴの繋ぎ目は若干の不安がありますが、そこまで怖さを感じることはありません。

この先にも数箇所にハシゴが登場しますが、距離は先述のものが最長となります。ただ距離は短くても足場が折れていてテープで補強している箇所がありますので、気づかずに踏むと思わずヒヤッとします。

その後は樹林帯に入っていきます。標高もだいぶ下がってきたので暑いです。道はアップダウンが続き、日向と日陰の繰り返しです。ここまで結構歩いてきたので疲れが溜まっており、日向を歩いていると身体のしんどさを如実に感じます。

次第に日向となることもなくなり、常に日陰を歩けるようになります。下りの勾配も緩くなり、歩きやすくなります。距離はまだありますが、それでもだいぶ楽になりました。そして上高地側の焼岳登山口に到着です。

ここから河童橋を目指してもう少し歩きます。上高地の美しい景色を眺めながら歩きやすい道を歩くボーナスタイムですが、既にだいぶ疲れているのでそんなに余裕がありません。上高地に来る度に見損ねていたウエストン碑をついに見学し、そして河童橋に着きました。河童橋周辺は特に観光客の密度が高く、人酔いしそうになります。ここでFenix 5Xによる測定を終了しました。

今回の山行データは以下の通りです。

距離16.08km
山行時間6:51:26
経過時間7:45:42
高度上昇1,135m
高度下降942m
平均心拍数140bpm

中の湯バス停から徒歩で焼岳登山口まで上り、そこから焼岳をピークハントして、上高地側へ下るルートを取りました。バスに乗車することを考えると、下山口は上高地の方が確実です。焼岳周辺は展望も良くて気持ちの良い登山となりました。松本から日帰りで登頂できる点もありがたいですね。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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