乗鞍岳登山

2023年07月30日、乗鞍岳に登山してきました。松本からだと移動が少し大変です。まず朝一のナショナルパークライナーに乗って新島々駅で下車して、乗鞍線に乗り換えます。朝一の乗鞍線に乗車するには、まだ電車が動いていない時間帯のため、予約制のナショナルパークライナーに乗る必要があります。それから乗鞍観光センターで下車したら、畳平行きのシャトルバスに乗り換えます。

既にたくさんの人たちが並んでいます。マイカー規制があるので、マイカーで訪れた人たちもここでバスに乗り換えるためです、合計4台のバスが畳平に向けて出発しました。九十九折の山道を登っていきます。時折視界が開けて、地上を見下ろす絶景を楽しめます。1時間ほど走ると、森林限界を超えて、見晴らしがよくなります。大半が登山目的の人たちですが、スキーやスノーボードを持った人たちは、大雪渓で下車していました。

畳平に着いたら、乗鞍本宮中ノ宮に遠くからお祈りしつつ、登山準備を済ませます。こちらも活火山ということでヘルメット着用を推奨されているので、被っておきます。前日の焼岳はずいぶん暑かったですが、さすがに標高3,000メートル近くになると、吹く風を冷たく感じられます。気温表示を見たら16度でした。それでも体を動かしたり、日差しを浴びると、暑さは感じます。

さっそく登山開始です。登山道の脇には、たくさんの高山植物が咲き乱れています。本来ならたくさん登ってきたご褒美として楽しめる高山植物ですが、ここではいきなり楽しむことができます。ウサギギク、イワギキョウ、ヨツバシオガマ、チングルマ、イワツメグサなど、色とりどりの花が咲いています。

左手を見ると、鶴の形に見える鶴ヶ池を望むことができます。そこから少し進むと、富士見岳との分岐点に出合います。昨日の焼岳登山で疲れが若干溜まっていることもあり、富士見岳は経由せずに迂回することにします。正面を見ると、周囲の山々や雲海を見下ろすことが出来て壮観です。標高3,000メートル級になりますと、天空を強く感じられます。

車も通れる幅の広い緩やかな道を歩いていきます。やがて正面にお花畑が見えてきました。お花畑の先には下界が広がっており、これまた天空を感じさせる光景です。空には、勢いよく飛んでいくイワツバメの姿を時折見られます。

その後は右手に現れる不肖ヶ池を楽しみます。池畔には小さな雪渓が残っています。奥の高台には乗鞍観測所のドームが見えます。

登山道脇に目を遣ると、高山植物の女王コマクサが咲いていました。これまで花期を微妙に外していてなかなか見られなかったのですが、ついに見られました。葉っぱの緑色が独特ですね。

道を進んで左手が開けてくると、乗鞍大雪渓を望めます。そこではスキーやスノーボードを楽しむ人たちの姿が見えます。そんなに長い距離を滑走できるわけではないので、乗鞍大雪渓で滑ること自体に価値があるように感じました。

程なくして肩の小屋に到着です。ここから剣ヶ峰に向けた本格的な登りが始まります。

ザレ場や岩場が続きますが、基本的にはだいぶ歩きやすく、体力で何とかなります。ただ、3,000メートル峰ということで空気は薄いので、ペースを上げすぎると高山病の恐れがあります。実際、少し飛ばし気味に歩いていたら、軽い頭痛を覚えました。

蚕玉岳に着いたら、剣ヶ峰まであと少しです。右手の権現池やその奥に広がる高山の街並み、白山連峰を楽しみつつ、登っていきます。山頂直下は岩稜帯になりますので、浮石など足元に注意が必要です。少しガスが出始めましたが、ぎりぎり持ってくれそうです。

そして標高3,026メートル、乗鞍岳最高峰の剣ヶ峰に登頂しました。山頂はあまり広くありません。乗鞍本宮頂上本社の鳥居をくぐり、社の周りをぐるっと回って、山頂看板を撮影するための行列に並びます。そして看板や三角点を撮影したら、下山しました。

蚕玉岳まで戻ってきたら、そこで昼食をいただきます。剣ヶ峰の方を見ると、すっかりガスに包まれていました。さらに後ろを振り返ると、黒い雲が押し寄せていました。岐阜の方はすっきりしているのに、前後でこんなにも空が違うとは、山の天気の変わりやすさを改めて実感しました。日が陰ったこともあり、少し冷えてきたので、アウターを着ます。

その後、肩の小屋まで下山します。昼が近づいて人も増えてきたので、渋滞気味でした。バスの時間までだいぶあるので、ここでしばらくまったりします。再び日が差してきたので、アウターを脱いで乾かします。

それから畳平を目指して歩きます。前述の通り時間はあるので、のんびりコマクサの撮影などを楽しみます。結構群生していますが、それぞれ微妙に距離を置いて生えています。往路の撮影時に比べて空が曇ってしまいましたが、そのおかげでコマクサの色が均一に出ています。

そして途中でお花畑方面に下ります。再びガスが出てきて真っ白になってしまいました。お花畑の木道はぐるっと1周できるのですが、現在は修復工事中のため、1周できずにピストンとなります。花を楽しみつつ、遠くの岩場にライチョウがいないかな、と目を遣りますが、特に見つけられませんでした。

登山を終えたら、乗鞍バスターミナル内にあるレストランコスモにて、とんかつ定食をいただきました。

今回の山行データは以下の通りです。

距離7.58km
山行時間3:07:42
経過時間3:58:39
高度上昇388m
平均心拍数112bpm

乗鞍岳ピークハントを目指し、余った時間でお花畑をまったり回ったコースとなります。なので山行時間としては、ピークハントに要した時間より幾分多くなっています。短い歩行距離で登れる3,000メートル峰ということで、無謀な装備で登る人もたまに見かけました。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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