下北の旅~2日目

2日目、ホテルで朝食をいただきます。メニューの数がそれなりにあって、洋食和食それぞれ楽しみました。

9時ごろホテルを出て、バスターミナルへ向かいます。昨日とは違い、この日は青空が広がっています。やはり天気が良いと気持ちいいですね。バスターミナルに着き、窓口で切符を買おうと思ったら、販売していませんでした。バス降車時の現金で支払いのみです。

しばらく待合室で待っていると、バス到着のアナウンスが流れたので、佐井行きのバスに乗車しました。乗客の数は少ないです。バスはしばらく市街地を走っていますが、程なくして海が見えてきました。テンション上がりますねー。わりと長いこと海岸線沿いを走ります。潮風が良いのか、大根を天日干ししている光景をよく見かけました。

乗車している最中、日本語が堪能な外国人の青年から、バスの支払いに一万円札が使えるか聞かれました。たぶん駄目だと思うけど、運転手さんに聞いて、と伝えて、やっぱり駄目だったようです。後で調べたところ、基本的に運転手は両替用のお金は持ち合わせておらず、両替してくれたとしても、それはポケットマネーであることが多いようです。ちょうど自分は意図的に千円札をたくさん持ち合わせていたので、自分の千円札が残ることを確認した上で、その青年に両替をしてあげました。うん、ぼくぴ偉いですね。と言うか、小銭を持っていなくても乗車出来てしまう仕組みが良くない気もしますが、海外の鉄道でも切符なくても乗車出来てしまうので、同じように自己責任の範疇とも言えるかもしれません。海外旅行をよくする身としては、日本を旅する外国人に、いくらか親切にしたい気持ちがあります。情けは人のためならず。

大畑駅で少し長めに停車し、先ほどの青年はここで下りました。バスは再び走り始めて、途中、海岸沿いから離れて山の方に登るところが数箇所あります。天気が良いので、紅葉が映えますね。

そして11時ごろ、大間停留所に着きました。目指すマグロのモニュメントは先ほど通り過ぎたので、港を歩きながら北へ戻ります。海の色が真っ青で、北の海の雰囲気を感じますね。港にはたくさんの漁船が停泊していました。ちなみにこの辺りは朝ドラの「私の青空」のロケ地となったらしく、撮影で使われたスポットの案内板が良く見られました。路地に天日干しの大根が干されていた光景は、いいなあ、と思いました。ちょうど作業中だったので写真は撮っていません。

海を眺めながら歩いて行くと、途中で港が終わります。一旦海岸を離れて再び戻ってくると、遊歩道みたいな道が続きます。空ではたくさんのウミネコがみゃーみゃー鳴きながら、颯爽と滑空していきます。気持ち良さそうですね。しかし、海沿いということもあって、風がやたら強いです。色々と飛ばされないように気を遣いました。

程なくして大間﨑に到着です。少し離れたところにある弁天島やそこに建つ大間﨑灯台、まぐろ1本釣りのモニュメントを眺めて、本州最北端の地を実感します。ここまで来るのに結構掛かっているので、最果てに来た感じはありますね。広場の地面には、日本各地の最端の地が紹介されていました。観光案内所の下の部分にも、色々なパネル展示があって、北海道と本州の植生の違いなど、楽しむことができます。

さて、お腹も空いてきたので、すぐ近くにある大間んぞくへ入ります。店先にはまぐろのお頭と尾がディスプレイされています。ウニとちょっと迷いましたが、三色まぐろ丼をいただくことにしました。お味噌汁にお新香、鮪の切り身の小皿も付いてきます。さっそくたくさんのまぐろを贅沢に口の中へ運びます。さすがの美味さですね。大トロ、中トロ、赤身、それぞれの旨味を堪能しました。大トロはとろけるようでした。小皿のまぐろの煮物も美味くて、思わずご飯をもっとお代わりしたくなりました。ここに限らず、海鮮丼で有名なお店は、だいたいご飯の量が自分にとってはちょっと少なめなんですよね。

食事を終えた後は、もうやることがないのだけど、バスの到着までだいぶ時間があるので、ぶらぶらと散策することにしました。大間﨑テントサイトから歩いて、少し山側に登ってみたり、港の近辺に行ってみたり、弁天神社を参拝したり、風になびく大漁旗を眺めたり。風が強いし寒いけれど、天気が良いので、楽しめました。この強風を活かすためか、風力発電の風車がたくさん建っているのが、印象的でした。ちなみに、道中でキジらしき鳥を見かけたのだけど、藪の中へ入っていったのを最後に、見失ってしまいました。ちゃんとは見えてないので、キジではないかもしれませんが。

バスの発車時刻が近づいてきたのでバス停へ。大間﨑から乗って、下風呂で降ります。降りたらそこはもう、下風呂温泉郷。正直パッと見は、結構寂れた雰囲気です。しかし、津軽海峡を間近に見られて、喧騒のない環境は、落ち着いて何かをしたい時にいいなあ、と思いました。山の陰になるので、15時手前でも日は射しません。けれど、水平線の向こうは明るかったりして、少し不思議な感じです。

一番の目的は温泉ですが、次のバスまでそこそこ時間があるので、幻の路線である大間線の下風呂駅を再現した史跡や、海峡いさりび公園の中などを散策します。公園では小学生くらいの子供たちが元気に遊んでいました。園内には、井上靖文学碑や、新島襄寄港の石碑などがあります。

ひとしきり散策を終えたら、下風呂温泉を堪能しに行きます。公衆浴場は大湯と新湯の2箇所がありますが、それぞれ源泉が異なります。とりあえずは大湯のほうへ行ってみました。

大湯の建屋の前に着いたら、温泉に入る前にトイレを済ませます。トイレは建物の裏手にありますので、ぐるっと回って向かい、入ります。そしてすっきりしてドアを開けると目の前には猫が。ここに来る途中に見かけて、逃げられてしまった猫です。こちらもびっくりしましたが、猫の方もびっくりした様子で、どこかへ行ってしまいました。

再び表に戻ると、建物入口のところに券売機があるので、そこで入浴券を買います。そして番台で見せて、脱衣所へ。ロッカーとかの類は確かなかったと思います。浴場もシンプルな造りで、洗い場が3つと湯船が2つあります。洗い場がなかなか空かなかったので、温泉湯で掛け湯して入りました。お湯は乳白色で、温度はかなり高め。長湯は出来ません。2つの湯船はそれぞれ温度が違うのですが、低めのほうでも熱かったです。

熱かった分、湯上りはぽかぽか状態が続きます。下風呂も風が強くて結構寒かったのですが、しばらくはその寒さを感じずに済みました。そんなぽかぽか状態で向かった先が、若宮神社です。ちょうど大湯の脇にある階段を登って、拝殿にお参りしたら、振り返って海側を望みます。眼下には下風呂の街と津軽海峡が広がります。周りには人の気配がなく、静かな夕暮れの気配に、いつまでもぼーっとしていたい心地になります。

その後は、メイン通りを少し歩いて、バス停にて待機です。新湯のほうも行きたかったですが、ゆっくりするには少々時間が厳しかったので、お預けです。そして辺りは日が落ちて、夜の気配が包んでいきます。むつバスターミナルに着いた頃には、すっかり真っ暗になっていました。

そこから歩いて向かった先は、ステーキワン。ローカルなステーキレストランです。海鮮料理が続いたので、肉を食べたくなったのです。注文したのは、ガーリックステーキ240g。さらに、サラダやスープ、ライスにポテトなど、色々なメニューがビュッフェスタイルで食べ放題です。飲み物は、レモンサワーだったかな。とにかくたくさん食べて満腹です。お値段もリーズナブル価格で良かったです。

19時30分くらいにホテルへ戻り、その後はテレビをのんびり見ていました。0時すぎに就寝です。

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