情報処理技術者試験、これまで数回論文試験を受けて、合格や不合格それぞれの評価を貰ってきました。そのへんの経験をまとめてみようと思います。基本的に、今後の論文試験に向けた、自分の備忘録です。
まず、A評価を得た経験から言えることは、以下の通り。どれも論文対策本で言われている内容ですね。それを、実際に受けて、理解しました。
- 問題文をなぞるように、解答する
- 設問で問われている内容を、解答する
- 字数が足りなくても、字が汚くても、問題ない(程度はあるだろうけど)
1つ目、問題文でいくつか例示がされますが、それを題目として利用します。最初の頃は、こんな丸写しで良いのか、オリジナリティを見せなくて良いのか、と思いましたが、問題ありません。むしろ、題意に確実に沿えるので、安心です。
2つ目、設問で問われている範囲が「問題」なら、「対策」まで書きません。ちょっと意識しないと、勢いでうっかり書いてしまうことがあります。
3つ目、100~200字程度の字数不足は、あまり大きな減点対象にならないという印象です。他の要素の点数にも因るのでしょうが。SAは、200字程度の字数不足でも、合格しました。
続いて、B評価の場合です。具体性とか、字数とか、論文の書き方に足りない点があると思っていましたが、それ以前に題意を汲めていない点がありました。いずれも第三者から指摘いただき気づいた点です。問題文が求めている内容はそれほど多くないので、1つでも見落としてしまうと、手痛いですね。
C評価は経験ないので、割愛です。
最後に、D評価の場合です。これは、取り上げたテーマが、その問題が想定している内容と、ずれている場合ですね。パンの論文書けと言われてお米の論文書いたようなイメージです。
以上を踏まえての書き方。
- 問題文の分析。
- 本文のプロットを作る。
- プロットの確認。
- 本文を時間内に書き上げる。
調査・分析→設計→設計レビュー→実装てな感じですかね。実装レビューやテストは、紙媒体である以上難しいので、設計レビューの徹底やバグの少ない実装を心がけるしかないと思います。
具体的な注意点について、改めて書き並べてみました。過去のエントリでも書きましたが、あまりまとまっていなかったので。たくさん書きましたが、2時間という制限時間があるので、キッチリとはできません。頭の片隅で意識しておこう、といった感じです。
問題文の分析。
- 重要だと言っている箇所、例示などに、下線を引く。短い問題文でも、意外と細かい点を見過ごすから。
プロットの作成。
- 各小節が、設問と対応していること。不足や書き過ぎに注意する。
- 問題文で用意された例示は、極力活用する。
- 細かい論点をたくさん書くより、少量の論点にたくさんの具体的内容を肉付けする。(細かい論点をたくさん書くと薄っぺらくなるし、書くのも息切れする)
- 後続の設問に対する伏線を、入れておく。(特に設問ア)
プロットの確認。
- 作ったプロットが、問題文の下線を引いた内容を満たしているか、確認する。
- 前後関係に矛盾がないか、確認する。
- 概要シートの内容と矛盾がないか、確認する。
本文の作成。
- 行動と、それに対する判断根拠を書く。
- 行動や、判断根拠には、具体的な数字を入れられると良い。
- 判断根拠の補足として、該当試験区分における一般的知識を書ければ書くと良い(適量)
- ときどき作成したプロットを振り返りながら、書く。作文意欲の勢い任せで書くと、大きな矛盾を含む可能性がある。
- プロットを振り返るタイミングは、文章に少し詰まって、次に思いついた文章を書くタイミングが良い。
- 消しゴムは極力使わない。消すコスト、書き直すコスト、ものすごい時間の無駄。せいぜい1行まで。
- 気づいた矛盾は、可能なら後続の文章で打ち消す。「Aである。一方Bでもある」と書いてAとBの矛盾に気づいた場合、「しかしこれは矛盾している。そのためBをCとした」とする。あまり数が多くなると、字数稼ぎに見えちゃうけど。
コメント
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