早池峰山登山

2024年09月07日、早池峰山を登山してきました。登山口までの定期路線バスは走っておらず、公共交通機関で向かう場合は、季節運行の予約制シャトルバスを使う必要があります。最初は7月の連休に行きたいと考えていましたが、既に満員御礼だったようで、9月上旬に設定しました。

朝一で東京駅発のやまびこに乗り、新花巻駅まで移動します。新花巻駅には9時すぎに着き、バスは9時35分出発なので、乗り継ぎ時間はかなり余裕があります。花巻駅始発なので、出発時刻前倒しの乗車は出来ません。駅前にはセロ弾きのゴーシュなど宮沢賢治関連のモニュメントが幾つかありますので、見て回ります。

それからシャトルバスに乗って早池峰山小田越登山口まで移動します。新花巻を出発してしばらくの間青空が見えていましたが、早池峰山へ近づくにつれて曇天となってしまいました。もともと早池峰山は曇り予報だったのですが、新花巻が晴れてきたので少し期待してしまいました。1時間20分ほどで登山口に着きます。

登山口ではスタッフの方が携帯トイレを販売しています。自分は持参しました。また仮設のトイレが5~6台ありますので、そちらで事前に用を足しておきます。登山届を記入し、山行準備を済ませたら、出発します。

最初は樹林帯の中を緩やかに登っていきます。木道があったりして歩きやすい道が続きます。ただ渋滞気味でなかなか進まず、我慢の時間帯でした。小グループが幾つか連なっている状況ぽいので、先頭がどこかで休止してくれるのを待ちます。

20分ほどで樹林帯を抜けて展望が開けてきます。大きな岩が転がっていますが、道幅が広くなるのでここで追い越します。展望は開けましたが、上の方は白いですね。岩稜帯や岩場を登っていきます。

基本的にガスに覆われていますが、時折ガスが流れて青空が覗くタイミングがあります。このまま晴れてくれ……と思いますが、すぐに次のガスが流れ込んで、元通り曇ってしまいます。

基本的に岩場ですが、僅かな土の部分に色々な植物が根差しています。9月ということで高山植物のピークは過ぎてしまいましたが、ナンブトウウチソウやウメバチソウの花などを楽しみつつ、登っていきます。

やがて五合目の御金蔵が見えてきました。そしてその先には後半戦の山が見えてきます。ガスっていることもあってか、五合目より手前だとこの山体が見えないんですよね。

そして五合目から急に風が強くなります。日が陰っていることから、じっとしていると結構寒いです。行動食のプロテインバーを頬張り、山頂までの後半戦を頑張ります。最初はハイマツが生い茂る道を登っていきます。晴れ渡っていたら絶景なのでしょうね。足元はザレ場ですが、それほど歩きにくくはありません。

山頂方面を見上げると岩山が鎮座しており、周りを流れるガスも相まって、天空の城ラピュタのように見えました。

ザレ場の道が終わると、次第に岩場へと変わっていきます。気づいたら周囲は完全に岩山となっていました。前半も含めて岩場の多い山なので、足腰を大きく動かして、足で身体を持ち上げていくことが多いです。足の筋肉に掛かる負荷が大きく、左脚の内腿、右脚のふくらはぎが軽く攣ってしまいました。

また蛇紋岩などで構成される早池峰山の岩は、時折かなり滑りやすいことがあるので、足元には注意が必要です。乾いていてもびっくりするくらいツルツル滑る岩があります。そうした岩は明らかに光沢がありますので、目視していれば判断がつきます。

やがて斜度50度くらいの鉄梯子が見えてきました。下段と上段があり、上段は2本あるのですが下段は1本しかないので、対向者がいると待つ必要があります。多少距離はありますが、梯子自体はそれほど怖くはありません。それより梯子へ取り付くまでの道が、隣が断崖となっていることから、結構怖いです。梯子を登り終えて、10分ほど歩くと剣ヶ峰に出合います。

この先は山頂までほぼ平坦な道のりです。ハイマツに囲われた木道を歩いていくと、門馬コースとの合流点に出合い、その先に山頂のある岩山が見えてきます。そこを登りきると、ついに山頂へ到着です。

山頂には早池峰神社奥宮や十二面観音像など、様々なモニュメントがあります。山頂はわりと広くて、平坦な広場とちょっとした高台や岩場で構成されています。

相変わらず曇天気味ですが、少しずつ雲が晴れる時間が増えてきました。特に西側はすっきり青空が続く時間帯も出てきました。あとは東側も眺望できたらいいな、と思っていたら、こちらも雲が晴れてきました。

登っている最中はずっとガス気味でしたので、すっきりと遠くまで見渡せることで、山のスケールを感じられます。ただ忙しなくガスが流れている感じなので、ずっと晴れ続けることはなく、日が差したりガスったりの繰り返しです。目の前を多くの雲が流れていく様子自体は、天空らしさともいえます。

帰りのバスは17時すぎの出発であり、かなり時間に余裕があるので、のんびりと過ごします。お昼ご飯はフリーズドライの赤飯をいただきます。お湯は自宅から山専用ボトルに入れて持ってきました。ひと手間掛かる分、惣菜パンより食べ応えがあって満足です。

まだ景色を楽しみたいし、時間に余裕もありますが、1時間くらい滞在したのでそろそろ下山します。往路と同じピストンルートでの下山です。下り始めてすぐのところで、目の前をバッタが飛んでいきました。ハヤチネフキバッタです。早池峰山の固有種ではありませんが、山名を冠した昆虫に出合えたのは嬉しいです。

天気は曇ったり晴れたりの繰り返しですが、登っているときより晴れ間が多くなってきた気がします。下山時はザレ場で滑らないか警戒していましたが、わりと歩きやすかったです。前述の通り滑りやすい石があるので、ザレ場を避けるために岩の上へ足を置く場合は、要注意です。

終盤の方は団体で渋滞気味でしたが、途中で追い越させてもらって、一気に下山しました。15時すぎに下山完了です。バスまで2時間以上待つことになります。スマホでのデータ通信も電波状況が悪くてできないので、ひたすらスマホに入れた音楽を聴いていました。

17時すぎにシャトルバスで新花巻駅まで戻ります。そして駅周辺で夕食をとろうと考えていたのですが、近場に食事処がほとんどありません。僅かにあるお店も、夕方には閉店してしまいます。というわけで、夕食を食べそびれる形で東北新幹線で東京へ戻りました。今回の山行は以上となります。

今回の山行データは、以下の通りです。

日程2024/09/07
距離5.49km
歩行時間2:49:35
経過時間3:48:19
高度上昇649m
平均心拍数101bpm

小田越登山口から山頂までピストン往復コースとなります。最もポピュラーなコースかと思います。コースは全体的に整備されていてかなり歩きやすいです。そのためか、往復4時間が標準タイムとされているところを、3時間弱で往復できました。ただ岩場を登っていくシーンが多く、そこで筋力を使ったようで、翌日は強めの筋肉痛となりました。樹林帯が短くすぐに展望が開けるので、晴れていたら最高だと思います。その分、特に五合目から山頂直下までは強風で大変でした。

終始曇天予報でしたので真っ白な山頂を覚悟していたのですが、ガスの切れ間がやってきて、絶景を拝むことが出来て良かったです。いくつも浮いている積雲の影が、点々と山麓に落ちる様子が美しかったです。

記事に載せきれなかった写真は、こちらをご覧ください。

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