屋久島の旅~2日目

今日は縄文杉登山なので、朝の3時すぎくらいに起床。さすがに眠いです。準備を済ませて、真っ暗な中、民宿を出発。宮之浦バス停の前にあるお弁当屋さんの八十八にて、予約していた弁当を引き取ります。それから程なくして、バスが到着しました。

荒川登山口への登山バスが出ている屋久杉自然館までは、およそ40分です。途中でちょくちょく乗車してくるものの、あまり人数は増えません。しばらく走っていると何やら雨の音が聞こえてきました。そう言えば今日は天気が良くないんだったなあ。まだ真っ暗なので、天気のことはすっかり忘れていました。ところが、しだいに雨音が尋常ではない大きさに。屋久杉自然館に着いた頃には、大雨になっていました。

登山バス乗り場を見ると、大量の人たちが並んでいました。おおう、皆さん安房のほうに宿泊しているのですね。平日とはいえ、春休みシーズンのためか、混んでいます。とりあえず、レインウェアを装着。バスは15分おきくらいに発車しますが、直近のバスには乗れないので、待っている間に朝弁当を食べました。どうせ大雨だし、屋根があるところで食べておいたほうがいいですし。でも、多少明るくなってから、登山道入り口とかで食べたかったなあ。

満席となったバスに揺られて、荒川登山口に向かいます。暗くてよく分かりませんが、結構登ります。だいたい30分くらいで着きました。小屋があるので、そこで、ザックカバーやヘッドライトの準備をしました。ところがトイレに行ったりしていたら、外はほのかに明るくなっており、ヘッドライト不要になりました。

いざ、出発。トロッコ軌道の上を、ひたすら進んでいきます。夜が明けたばかりの森の姿を楽しみます。しばらく進むとトンネルが出てきます。雨が凌げて、助かります。その後は、橋を何度か渡りつつ、川沿いを進んで行きます。道は平たいのですが、枕木を気にしながら歩く必要があるので、結構疲れます。

小杉小・中学校跡という看板が見えました。ここは、かつて屋久杉の切り出す林業をしていた集落のあとです。雨じゃなかったら、散策してみたかったですが、地面も水浸しになっているので、眺めるに留めました。

さらに進んでいくと、だんだん森の中っぽくなってきます。三代杉とか、屋久杉もちらほら姿を見せます。途中謎のテントがあったので何かと思ったら、携帯トイレ小屋でした^-^;。

ところで、ここに来るまでの間、ガイドツアーを何組か見ましたが、良し悪しですね。女性二人を先導していたガイドは、かなりペースが早くて、説明も押しつけ的な感じで、傍から見ていて嫌でした。このへんは相性と運ですかね。

まだまだ続くトロッコ軌道。雨による湿気のためか、カメラのレンズが曇ってきました。平たい道を進んでいるので、気温はそれほど変わっていないはずなんですけどね。途中、ヤクシカに出合いました。あまりに突然だったので、このときは写真に撮れず、残念です。とにかく単調な道が長いこと続くので、栄養補給の意味に加えて、楽しみの面でも、こんぺいとうは持っていて良かったです。だいぶ気が紛れますね。

歩き始めてから2時間、ついにトロッコ軌道の終点です。橋のたもとに、水の出ているホースがあったので、湧水だと判断し、ペットボトルに汲んでおきました。それから、奥に見える小屋のなかにトイレがあるので、用を足しておきます。すっきりしたところで、ここから後半戦となる大株歩道です。一瞬入口がどこか迷ってしまうくらい、急に山道モードになります。

勾配も急だし足場も悪い、トロッコ軌道に甘えてきた身には、短い距離でも堪えます。ウィルソン株がわりとすぐに見えるはずだったのですが、ずいぶんと長く感じました。

20分ほど歩いて、ウィルソン株に到着です。さっそく中へ入り、ハート型の穴を眺めます。定番の頭上に空くハート型に加えて、脇に空いた小さなハートも見つけました。頭上に広がるハートは、結構大きいので、きれいに撮るためにはだいぶ低い姿勢を取らないといけません。水浸しだし、人も数も多いので、これがなかなか大変でした。

引き続き、縄文杉を目指して奥へ進みます。ちょうど新緑の季節なので、ところどころに見える若葉が気持ちいいですね。最初は上り続きだったのですが、途中から上ったり下ったりになるので、多少は楽になります。それでも連続上り区間はあるので、疲れます。

この辺になると、人の列もだいぶ散開して、ある程度自分のペースで進めるので良いです。後ろから早いペースの人たちが来たら、追い越してもらえばいいし。序盤は悪ふざけっぽい感じのグループの後ろに付いたので、軽くストレスが溜まりました。

大王杉や夫婦杉が見えてきて、縄文杉ももうすぐです。名前がついている屋久杉は、もちろん立派なのですけど、それ以外の屋久杉も立派なものがたくさんあります。裏を返せば、名前がついている屋久杉が、際立ってすごいというわけでもありません。

出発から4時間弱、ついに縄文杉にたどり着きました。ウッドデッキが用意されていますが、上り用のルートは階段がなく、脇の斜面を登っていきます。雨でかなりぬかるんでいるし、足を踏み外せば下まで滑り落ちるので、結構危ないですね……

縄文杉は、デッキから結構距離があるので、その大きさに直接圧倒される感じはしないのですが、それでも荘厳さは伝わってきますね。幹は見るからに太く、木の肌に見えるしわが、年月の重みを感じさせます。他の屋久杉とは、雰囲気が一味違いますね。

で、のんびり観賞したいのですが、雨降りだし、人は結構やって来るので、観賞もそこそこに、写真を頼んでお返し撮影して、デッキを去りました。

少し先に小屋があると聞いたので、そこで昼食をとろうと向かいましたが、案の定満員。小屋の下のスペースが空いていたので、そこで昼弁当を食べました。雨さえ降っていなければ、青空の下気持ちよく食べたかったです。

雨は止みそうにないので、食後のひと休みも早々に、復路につくことにしました。基本的に下りのほうが多くなるので、往路より楽です。距離がわかっているという精神的な余裕もあります。

しかし、雨はどんどん強くなっていきます。往路と比べて明らかに水浸しになっています。大粒の雨が、水たまりに無数の波紋を広げる中、足早に入り口を目指します。途中、ウィルソン株に寄り道しました。周りに人はいなかったので、今回は独り占め。中には小さなお社があり、少し厳かな気持ちになります。雨が音を立てて強く降る中、周りに誰もいないという隔絶した感じが、一層雰囲気を作り上げているのかもしれません。

大株歩道の入り口まで戻ってきました。川が驚くほどの轟音を立てて、ものすごい水量になっています。これ落ちたら絶対助からないだろうなあ、と思いながら、しばらく川を見つめていました。それから、往路で水を汲んだホースから、再び水を汲んだのですが、大雨のせいか少し泥が混じっていました。最初気づかずに、ちょっと飲んじゃいましたけど。

大雨の降るなか、トロッコ軌道を戻っていきます。レインウェアと登山靴を履いていますが、長時間の大雨により、さすがに浸水を許してしまったようです。靴のほうは往路の時点である程度湿っていましたが、レインウェアまで浸水してしまうとは。中の服がベトベト張り付いて気持ち悪いです。

加えてトロッコ軌道は、レールと枕木の間に大きな水たまりが出来て、非常に歩きにくいのです。最初は出来る限り水を避けようと、水かさの少ない枕木の上を渡り歩いていたのですが、あまりのひどさに途中で諦めました。その後は長靴を履いているかのごとく、水たまりのなかをばっしゃばしゃと進みました。後半のほうは雨が少し弱まってきました。ちなみに、途中で再びヤクシカに合いました。

ようやく入口が見えてきたときは、ほっとひと安心。所要時間はだいたい8時間くらいでした。復路でちょっと時間が掛かりましたね。ちょうどバスの出る時刻に近かったので、いそいそとレインウェアを脱いで収納し、協力金300円を払って、荒川登山口をあとにしました。

その後路線バスに乗り換えて、宿へ帰還。さすがに疲れましたねえ。レインウェアと登山靴を乾かす作業をこなしたら、少し休憩します。

日も暮れてきた頃、夕食へ出かけます。向かった先は、ギャラリーレスト。屋久島観光センターの2階にあるレストランです。頼んだメニューは、もみじ御膳。鹿肉の焼肉と刺身がついてて、んまんま。お酒は三岳を1杯。肴は屋久島揚げで。2杯くらい呑んでも良かったのですが、かなり疲労しているので用心のため、控えました。

食事を終えたら、部屋に戻ってテレビをだらだらと見ます。しかし、すぐにうとうとし始めたので、寝落ちする前に就寝しました。21時前だった気がします。かなり疲れているので、明日に残らないといいなあ。

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