2日目、5時くらいに目覚めます。飛行機と違い、ちゃんと眠れました。やはり横になって眠れるのは大きいですね。とは言え、多少身体のしんどさはあります。自分が寝室にいて、横になっている時間が長いせいだとは思いますけど。
朝食の時間になったら、レストラン父島へ向かいます。今回の航海はかなり穏やかだったようで、酔い止め薬を飲んだとはいえ、一切船酔いの症状はありませんでした。それでも立って歩いているときは、船の揺れを感じますね。ネットの書き込みで、食堂に行くと酔う、と言う情報を見たのですが、確かに船体の揺れがひどい場合は、そうなりそうです。
朝食は、ごはんと味噌汁と鰆を選びました。昼食や夕食に比べて単価が安い分、割高感は否めません。それでも朝から魚をいただけるのは良いですね。
食後は屋外デッキに出てみます。すっかり南国の海になっています。これが小笠原のボニンブルーの海ですね。目を凝らして海上を見ると、トビウオが飛んでいたり、海鳥が滑空したりしています。ベンチの上では、島の住人らしき方々が日光浴をしています。その後もぼーっと海を見ていると、聟島と思われる島の姿が見えてきました。ついに小笠原諸島へやって来ました。
11時過ぎに二見港へ入港します。およそ24時間の船旅でした。下船口は2つあり、船室ごとに指示がありますので、それに従って下船します。下船後は、預けていたダイビングバックを回収します。船内にも持ち込めるサイズですが、管理が面倒かな、と思って預けました。値段も1,000円程度ですし。でも寝室がちょうど端っこだったので、持ち込んだ方が良かったですね。端っこだと対面する相手がいないので、通路を自由に使えるのです。一人で早い時期に予約すると、端っこを割り当てて貰えるみたいです。
ダイビングバッグの回収後は、予約していた民宿ささもとさんに送迎してもらいます。全員は乗りきれなかったので、2便目に乗りました。徒歩でも十分な距離なのですが、ダイビングバッグがあったので、送迎は助かりました。
部屋は一人用で、かなり狭いです。3畳くらいですかね。でもテレビやエアコン完備なので、快適に過ごせます。基本的に寝るだけなので、問題なしです。
1時間ほどのんびりしたら、島内観光に出発。お昼を食べていなかったので、農協スーパーに行きましたが、お弁当や総菜類は軒並み売り切れでした。部屋でのんびりしていて出遅れたようです。仕方ないので、おつまみスナックを買って、お腹を満たします。
それから二見港の辺りをぶらぶらした後、大村トンネルを抜けて、大神山を登りました。大した標高ではないので、すぐに山頂に着きます。大神山には、山頂展望台、パノラマ展望台、メイン展望台、と3つの展望台があり、順々に巡りました。大村集落や二見港を見下ろすことが出来て、風も吹くのでそれなりに涼しいです。そこそこの時間を、ぼーっと過ごしちゃいました。なお、遊歩道では、小笠原固有種を含む様々な植物を見ることが出来ます。
おがさわら丸の出港を見送った後、大神山を下山しました。麓に下りると、そこに見えたのは鳥居。大神山神社です。南国の神社は、何とも言えない不思議な気分になりますね。同質と異質が同居したような感じ。
その後は大村海岸を散策して、小笠原ビジターセンターへ行きました。本土と小笠原諸島を連絡する歴代の客船の紹介や、植物や動物など生態系の展示などがあります。
展示を見学していたら、街中で保護した海鳥を海岸で放鳥すると教えてもらい、大村海岸へ出ました。動物保護団体の方が持っていた段ボールの中には、手のひらに乗りそうなサイズの鳥の姿。ハワイの方から飛んできたハワイセグロミズナギドリだそうです。箱から出ると、わりとすぐに海に向かって飛び立って行きました。羽根を広げてグライダーのように滑空しており、この姿勢になると結構大きいです。
その後は街中を少しうろうろして、民宿へ戻りました。程なくして、18時から夕食の時間です。魚のフライやお刺身、具だくさんのサラダなど、ボリュームたっぷり。
一旦部屋に戻り、19時30分からナイトツアーへ出発です。今回お世話になったのはオガツアーさんです。他のお客さんと合わせて、10名ほどでした。車に乗り、最初に向かったのは、緑色に光るキノコであるグリーンペペ。海岸沿いの道を走り、途中から山の方へ進みます。街灯もなく、建物の光もないので、車のヘッドライトがないと本当に真っ暗です。暗闇でも目が慣れると徐々に見えてくるものですが、ここは光が全然ない状態なので、幾ら経っても目が慣れることはありません。方向感覚がなくなるので、何とも不思議な気分です。
そんな中、ガイドの小笠原さんがライトを持って、道路の脇の藪の中へ降りていきました。何箇所か探して回り、見事グリーンペペを見つけてくれました。想像以上に小さく、夜空の星を眺めているような感じです。ネットとかで見かける写真は、だいぶ寄っているのですね。寿命は3日程度なので、予め場所を調べておくことも難しく、素人が自力で見つけるのは到底無理に思えたので、ガイドツアー必須だなあ、と思いました。
その後は小港海岸へ向かいます。東京都最南端のバス停などを見つつ、砂浜へ。本来はここでスターウォッチングを楽しむ予定でしたが、天気があいにくの曇り空。残念でしたが、星空自体はおがさわら丸でも見られたので、良しとします。砂浜にはたくさんのオカヤドカリがいました。島に生息するアフリカマイマイの殻を住処にしているので、結構な大きさになります。砂浜では、一箇所大量にオカヤドカリが集まっている場所があって、面白かったです。
それから波打ち際では、水をかき混ぜて夜光虫を見たりしました。あまり大量にはいませんでしたが、時折キラキラ光ってきれいでした。
その後は、ウミガメの足跡を辿って陸の方へ進みます。すると、暗闇で姿はまったく見えませんが、砂を掘る音と大きな呼吸の音が聞こえてきます。ただ、姿は見えないものの、本当にすぐ目の前で、ウミガメが産卵の準備をしている様子が、音を通じて伝わってきます。産卵を始めてしまえば、少し明るくしてその光景を見られるそうですが、産卵前の場合、産卵を止めて海に戻ってしまうこともあるそうなので、暗闇の中様子を見守りました。
最後は、大村集落の街中へ戻り、オガサワラオオコウモリの見学です。場所は、昼間にも歩いた大神山神社の近くになります。ところどころに立ち並ぶリュウゼツランの木を見ていると、発見できました。少し距離があるので、細部まで見ることはできませんが、何かがいるのは分かります。
これにてナイトツアーは終了です。民宿まで近いので、徒歩で帰ることにしました。民宿に戻った後は、お風呂に入ってさっぱりします。共用ですが、同じフロアにはもう1人しかいなかったので、基本的にぶつかることはありませんでした。小笠原初日を無事に終え、明日のダイビングに備えて就寝です。